適切な薬物療法と運動療法が重要
関節リウマチ
武蔵小杉整形外科
(川崎市中原区/武蔵小杉駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
免疫の異常によって関節に炎症が起きる関節リウマチは、長年不治の病と言われてきた。しかし、ここ数年の医療の進歩により、不快な症状や痛みから解放され不安やなく日常生活を送ることが期待できるようになってきている。治療には早期の対応と、薬剤を適切に使用することが非常に大切だ。そこで長年、膝関節疾患やリウマチに特化した治療に取り組んできた「武蔵小杉整形外科」小谷野康彦院長に、詳しく聞いた。
(取材日2015年3月13日)
目次
痛みの抑制のため薬での治療。平行して機能回復のリハビリテーションを行うことで、不安のない日常生活へ
- Q女性に多い関節リウマチですが、その原因は?
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A
▲専門の医師として、わかりやすく解説してくれる小谷野院長
リウマチ患者さんの男女比は1:4と女性に多く、その発症年齢も20〜50歳台がほとんどであることから、原因として女性ホルモンが関係していると考えられていますが、ほかにも過労、ストレス、妊娠・出産、喫煙などがきっかけとなることもあり、まだはっきりとした原因はわかっていません。また、家計内・家族内の発症もみられますが、それほど強い遺伝性はありません。
- Q主な症状について教えてください。
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A
▲症状はあらゆる関節で起こるが、頻度としては手が多いという
関節の腫れと痛みが主な症状ですが、手や足のしびれがみられることもあります。また、寝起きに指を動かそうとしたときや、動かしはじめが硬くなりギシギシした感じがするような、いわゆる「朝のこわばり」も特徴的な症状です。朝のこわばりが短時間で緩和して、日中は問題なく動くようであれば問題はありませんが、こわばりがとれるまでに1時間以上かかるようであればリウマチの疑いがありますので、すぐに血液検査をしますので受診してください。リウマチの病態は、関節内の滑膜(かつまく)に炎症がおこり、やがて軟骨や骨が破壊されて関節の機能障害を起こします。骨破壊を起こさせないためには正確な診断と適切な治療が必要です。
- Qこちらで受けられる関節リウマチの治療は?
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A
▲点滴投与は約1時間。リクライニングできる椅子やベッドで行う
当院ではMTX(メトトレキサート)という免疫異常を改善するための薬を処方します。MTXの副作用を懸念する声がありますが、リウマチを専門とする医師の管理下で服用していただければ、安心して服用いただけます。それでも症状が改善しない場合は、生物学的製剤を使用します。7種類の皮下注射や点滴の中から患者さんの状態にあった製剤を選択していきます。当院には関節リウマチに精通した看護師が在籍していますので、生物学的製剤の自己注射指導や点滴管理などがスムースに行えています。看護師は医師の説明を補うだけでなく、患者さんの悩みや相談に女性目線でお応えいたしますので、院長に直接言いにくいことでも相談できると思います。
- Qリハビリテーションも充実していますね。
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A
▲症状に合わせたストレッチなどを、マンツーマンで指導
当院では、体のあらゆる部位の痛みを軽減し、筋肉や関節の機能を正常化させるための運動療法を積極的に行っています。経験豊富な理学療法士が患者さん一人ひとりに合わせた最適なメニューを作成し、マンツーマンで指導にあたります。関節の機能障害を起こさせないためには薬物療法が基本ですが、障害がある関節の動きの改善や筋力強化など、機能回復のための運動療法も重要です。関節は動かしていないと栄養が行き渡らない、筋肉も萎えてしまうなど、いろいろと弊害が出てくるからです。ですから当院はリウマチに対する専門的治療を積極的に行うとともに理学療法士が関節のコンディションをサポートをしています。それが当院の特徴ともいえます。