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柏手 由里乃 院長の独自取材記事

かしわでクリニック

(武蔵野市/武蔵境駅)

最終更新日:2019/08/28

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武蔵境駅北口から徒歩3分の場所にある「かしわでクリニック」。院長を務めるのは、北海道で19年間、地域医療に携わった経験を持つ柏手由里乃先生だ。当時はどの地域の医療施設にも友人がいたといい、医師同士の横のつながりが治療への大きな力になると実感したそうだ。現在は地域における在宅医療推進のために、院外の活動にも積極的に携わっている。診察の際は自ら待合室に顔を出し、患者の名前を呼ぶという柏手先生。「患者さんの顔色や体調をうかがえますし、何より顔と名前を覚えることで病歴の把握につながるんです」と語る朗らかな笑顔からは、地域のかかりつけ医として一人ひとりの患者と信頼関係を築きたいという温かな思いが感じられた。
(取材日2015年10月20日)

生まれ育った町で地域医療に取り組む

この場所を開業の地に選んだのはなぜですか?

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私が生まれ育った場所だからです。近所に住む昔なじみの方々を診たいという思いでここに開業しました。院内は幅広い世代が落ち着ける雰囲気をイメージして、茶色を基本にしました。待合室のステンドグラスは母が使ってほしいと用意してくれたもので、夜に外から見るととてもきれいなんですよ。患者さんにはいつも支えてもらっていますね。ある時、普段は午前中に来院される患者さんが午後に来られたことがありました。事情を聞くと、朝は忙しそうだったからと。患者さんいっぱいだったねと気にかけてくれたんです。ありがたいことですね。

どんな治療を特徴としていますか?

1ヵ所で内科とペインクリニックの治療ができることですね。高齢の患者さんが多いので、内科疾患に加えて慢性的な痛みがあるケースも少なくありません。同じクリニックで治療ができれば、薬の重複を避けられ、複数の科を受診しなくて済みます。それに当院は薬剤師と連携して、必要最低限の量で済むよう薬の数を減らし、正しい飲み方もお伝えしています。それも町のかかりつけ医の役割ですから。また糖尿病の指標となるヘモグロビンの検査もすぐにできます。一般的には採血をして結果は次回という場合がほとんどですが、20分ほどで結果が出るので患者さんにはとても好評です。その他にも末梢血液検査、炎症反応を調べるCRP検査も院内でできます。検査の数値がタイムリーに出せることで自信を持って診断が下せますし、治療にもいち早く取りかかることができます。

ペインクリニックはどんな症例が対象なのですか?

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他院からの紹介で多いのは帯状疱疹後神経痛。あとは座骨神経痛や腰痛、膝関節痛も対象となります。治療の範囲が整形外科の領域と近くブロック注射も行いますが、整形外科よりもブロックの範囲が広いのが特徴です。ただし難しい症例は大きな医療機関を紹介しています。他にも、光を使って痛みを緩和するキセノン治療器や、西洋薬や漢方薬を処方して痛みをコントロールします。末期がんの患者さんも今は最後まで在宅で家族と一緒に過ごす時代ですが、それには痛みのコントロールが必要不可欠。在宅医療でも痛みをうまくコントロールして、患者さんのQOL(生活の質)向上や、精神的な苦痛を取り除く手助けができればと考えています。

かかりつけ医を持つことの大切さを知ってほしい

在宅医療の取り組みについて教えていただけますか?

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昼休みを利用して往診しています。時間が限られていますが、なるべく一人ひとり時間をかけて接しています。患者さんには専用の電話番号を知らせておき、緊急時に備えて24時間体制を敷いています。在宅医療を要する患者さんは、診療科や医師を自由に選ぶことが難しい現状、ちょっとした皮膚疾患や専門外の治療でも、私が知識を増やすことで治療可能になるのなら、スキルアップして対応の幅を広げていくつもりです。同時に武蔵野市の在宅介護支援センター桜堤エリアの担当医も務めています。このエリアで認知症を診てほしいという相談や、介護認定取得に関する相談があれば、私ともう1人の担当医に同センターから直接電話がかかるようになっています。最近は武蔵野市医師会にも在宅医療介護連携支援室が設置され、地域全体で在宅医療への取り組みを強化しています。患者さんが望む医療を提供できるよう整備されるのは良いことですね。

地域の方にとって、在宅診療に取り組む同院の存在は心強いのではないでしょうか。

「地元に貢献したい」という思いで開業しましたし、少しでもお役に立てていれば幸いです。ただ一方で、かかりつけ医を持つことの大切さを、もっと多くの人に知ってほしい思いもあります。時々、別のクリニックに通っていて、「雨が降っているから」という理由で当院に往診を依頼される方がいます。しかし在宅医療は、基本的には通院困難な患者さんが対象で、かつ病歴や飲んでいる薬、生活習慣などを医師が把握していることが重要。「慢性的な持病があるから、この症状はその影響かも」「この薬を飲んでいるから、こっちの薬は処方できない」など、適切な判断ができるからです。より適切な診療を受けていただくためにも普段からかかりつけのクリニックを決めておいて、通院できる状況であれば、ご自身をよく知る先生に診てもらうことが大切なんです。

医師と患者との関係性が重要なのですね。

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そうですね。最近気になるのが、複数のクリニックで同じ種類の薬を重複して処方されている方が多いことです。話を聞くと、「本当に効くかどうか不安」という理由で服薬を中断されているようですが、問題はそれを主治医に伝えていないことです。その薬を処方した先生には必ず理由があるので、不安がある患者さんはそこで話すことが大切です。処方した先生に聞かないと服用していない状況を把握できなかったりするために、結果的に薬の量が増えたり、別の種類の薬が増えたりと、悪循環に陥ってしまいます。ご自身が不安に思うことを医師に相談するのはまったく悪いことではありませんが、患者さんは「失礼に当たるかも」という不安があるようです。だからこそ、ぜひご自身が「信頼できる」と思えるかかりつけ医を見つけて、病気や薬について何でも相談できる環境をつくっていただきたいと感じます。

具合が悪くなったらまず思い出すクリニックでありたい

先生は19年間、北海道で診療されていたそうですね。

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はい。母校の旭川医科大学を卒業後に同じ大学の第二外科へ入局し、消化器外科の診療に携わる傍ら、へき地の診療所に派遣で当直に行っていました。北海道は広く、北と東のエリアは1つの町に拠点病院が1つだけという場所も少なくなかったため、私の専門は消化器外科でしたが、目が痛いとか鼻血が出たとか、チェーンソーで指を切ったとか、さまざまな症例の患者さんを診ました。当直に行く診療所はエックス線撮影も採血もできないような所がほとんどで、触診や視診が主な診察。小さな村なので看護師さんが患者さんのことをよく知っており、そうした情報から病気の診断を行いました。毎日が忙しく大変でしたが、当時の経験は今も役立っていると感じます。

なぜ医師をめざされたのですか?

幼稚園の頃、「将来はお医者さんになる」と言っていたそうです。周りの子たちは、みんなお嫁さんになるのが夢だったのですが私は「お婿さんをもらうからいい」と言ったそうです(笑)。ただ、そのうちに海洋学者になりたいと思うようになり、中学卒業後はスイスの高校で寄宿舎生活を送りました。そこを出てからはアメリカの大学に入学しようと思っていたのですが、父の体調が悪くなったため、卒業後、急きょ帰国しました。スイスに行った時点で医学部への受験はしないつもりだったのですが、進学先が決まっていなかったため父に医学部に行きたいと言うと、「その費用はスイスへ行かせるのに使ってしまった。ただし、国立大学の医学部ならもう一度だけチャンスを与える」と言われて合格したのが、旭川医科大学でした。

最後に読者へメッセージをお願いします。

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当院では内科や外科、ペインクリニックを扱っています。具合が悪くなったら「かしわでクリニック」に行けば何とかなる。そう思っていただければうれしいです。難しい症例は大きな医療施設に紹介状を書きますので、そういった橋渡しの役目を持つ、患者さんにとっての最初のクリニックになれたらと思っています。また当院では外国人の患者さんもクチコミや紹介で多く来院されますし、英語のホームページも設けています。スタッフにも外国の方に対して適切な対応ができるよう指導し、クリニック全体で受け入れ態勢を取っていますので、言葉の壁を気にせず来院していただければと思います。

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