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柏手 由里乃 院長の独自取材記事

かしわでクリニック

(武蔵野市/武蔵境駅)

最終更新日:2021/10/12

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JR中央線武蔵境駅北口から徒歩3分に位置する「かしわでクリニック」。院長を務める柏手由里乃先生は、北海道で19年間、地域医療に携わった経験を持つベテラン医師だ。近所に住む昔なじみの人々を診たいという思いで、生まれ育った町で開業。地域の在宅医療推進のために、院外の活動にも積極的に携わりながら、地元に密着した医療を提供している。緑が映える明るい院内で、診察の際は、自ら待合室に顔を出し患者の名前を呼ぶという柏手先生。「患者さんの顔色や体調がうかがえ、何より顔と名前を覚えることで病歴の把握につながるんです」と優しい笑顔で語る姿が印象的だ。地域のかかりつけ医として一人ひとりの患者と丁寧に向き合う柏手先生に、同院の診療スタイルや信頼を置くスタッフなどについて話を聞いた。

(取材日2021年3月18日)

一人ひとりの患者に寄り添った地域医療を提供

どんな診療を特徴としていますか?

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1ヵ所で内科とペインクリニックの診療ができることですね。高齢の患者さんが多いので、内科疾患に加えて慢性的な痛みがあるケースも少なくありません。同じクリニックで治療ができれば、薬の重複を避けられ、複数の科を受診しなくて済みます。それに当院は薬剤師と連携して、必要最低限の量で済むよう薬の数を減らし、飲み方についてもお伝えしています。それも町のかかりつけ医の役割ですから。また糖尿病の指標となるヘモグロビンの検査もすぐにできます。一般的には採血をして結果は次回という場合がほとんどですが、20分ほどで結果が出るので患者さんの負担軽減にもつながっています。その他にも末梢血液像検査、炎症反応を調べるCRP検査も院内でできます。検査の数値がタイムリーに出せることで自信を持って診断が下せますし、治療にも迅速に取りかかることができます。

どのような症状の患者さんがペインクリニックを訪れるのでしょうか?

他院からの紹介で多いのは帯状疱疹後神経痛の患者さんです。あとは座骨神経痛や腰痛、膝関節痛もペインクリニックの対象となります。当院では、痛みを緩和するためのキセノン治療器を導入しているほか、西洋薬や漢方薬を処方して痛みのコントロールを図ることもあります。末期がんの患者さんも今は最後まで在宅で家族と一緒に過ごすことのできる時代ですが、それには痛みのコントロールが必要不可欠。在宅医療でも痛みをうまくコントロールして、患者さんのQOL(生活の質)向上や、精神的な苦痛を取り除く手助けができればと考えています。

在宅医療にも積極的に取り組んでいらっしゃるようですね。

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はい、昼休みを利用して往診しています。限られた時間の中でも、なるべく一人ひとりと向き合い時間をかけて接していますね。患者さんには専用の電話番号を知らせており、緊急時に備えて24時間体制を敷いています。在宅医療を要する患者さんは、診療科や医師を自由に選ぶことが難しいのが現状。だから、ちょっとした皮膚疾患や専門外の領域についても私が診療できるよう、スキルアップして対応の幅を広げていくつもりです。同時に武蔵野市の在宅介護支援センター桜堤エリアの担当医も務めています。このエリアで認知症を診てほしいという相談や、介護認定取得に関する相談があれば、私ともう1人の担当医に同センターから直接電話がかかるようになっています。近年では武蔵野市医師会にも在宅医療介護連携支援室が設置され、地域全体で在宅医療への取り組みを強化しています。患者さんが望む医療が提供できるよう整備されることは良いことですね。

徹底した感染対策を行い、発熱専門の診療にも取り組む

発熱専門の診療も行っていると伺いました。

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はい。既存の患者さんだけでなく新規の患者さんも含め、発熱患者の診療を行っています。患者さんの中には、感染症の方の受け入れに不安を持つ方も当然います。発熱患者を受け入れるからには、他の患者さんたちにも安心して来院いただけるよう、発熱専門の診療は電話による完全予約制とし、一般診療と動線を分けて対応しています。おかげさまで既存の患者さんも自分の身に置き換えて考えてくださり、理解と協力をいただいています。だからこそ、当院の患者さんが発熱した際は、しっかり責任を持って治療にあたりたい。感染症の治療には、持病の有無や薬の飲み合わせなども関係するため、日頃より接している患者さんに対して、「最後まで責任を持ちたい」という思いもありますね。在宅の患者さんの場合は、防護服を着用して対応しています。

発熱患者を受け入れるにあたり、心がけていることを教えてください。

当院では開業時より、換気ダクトを他のフロアと完全に分離した感染症患者専用の個室を設け、この個室を発熱患者専用室として使用しています。また、パーティションで仕切った専用スペースも新たに設置し、比較的軽症の発熱患者の待機室として活用しています。サーキュレーターによる換気や消毒の徹底、一般患者と出入り口や院内動線を分けるなど、スタッフと相談しながら、患者さんにとってより安心・安全な対応ができるように心がけています。スタッフも積極的に換気のアイデアを提案してくれるなど、感染対策について常に学び・協力してくれるので非常に頼もしく感じていますね。スタッフの同意と理解があるからこそ、患者さんを受け入れられている今がある。発熱専門の診療に対応できているのは、スタッフのおかげですから。

スタッフの存在は心強いですね。

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そうですね。スタッフのほか、発熱の診療に協力してくださる近隣薬局の存在も大きいです。発熱された患者さんが直接薬局に行かなくても、迅速に処方薬が受け取れる体制づくりに協力していただいています。近隣にお住まいの患者さんの場合は、薬局が患者さんの自宅に処方薬を届け、自宅が遠方の患者さんの場合は、当院の専用個室で待っている患者さんに薬局が処方薬を届ける。どちらの場合でも、薬剤師が患者さんに直接電話で服薬説明を行うので安心です。患者さんの負担も少なく、感染リスクの回避にもつながる近隣薬局のサポートも、とても心強く感じていますね。

困ったときに頼りになる、町のかかりつけ医に

先生は19年間、北海道で診療されていたそうですね。

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はい。母校の旭川医科大学を卒業後に同じ大学の第二外科へ入局し、消化器外科の診療に携わる傍ら、へき地の診療所に派遣で当直に行っていました。北海道は広く、北と東のエリアは1つの町に拠点病院が1つだけという場所も少なくなかったため、私の専門は消化器外科でしたが、目が痛いとか鼻血が出たとか、チェーンソーで指を切ったとか、さまざまな症例の患者さんを診ました。当直に行く診療所はエックス線撮影も採血もできないような所がほとんどで、触診や視診が主な診察。小さな村なので看護師さんが患者さんのことをよく知っており、そうした情報から病気の診断を行いました。毎日が忙しく大変でしたが、当時の経験は今も役立っていると感じます。

医師を志したきっかけを教えてください。

幼稚園の頃、「将来はお医者さんになる」と言っていたそうです。周りの子たちは、みんなお嫁さんになるのが夢だったのですが私は「お婿さんをもらうからいい」と言ったそうです(笑)。ただ、そのうちに海洋学者になりたいと思うようになり、中学卒業後はスイスの高校で寄宿舎生活を送りました。そこを出てからはアメリカの大学に入学しようと思っていたのですが、父の体調が悪くなったため、卒業後、急きょ帰国しました。スイスに行った時点で医学部への受験はしないつもりだったのですが、進学先が決まっていなかったため父に医学部に行きたいと言うと、「その費用はスイスへ行かせるのに使ってしまった。ただし、国立大学の医学部ならもう一度だけチャンスを与える」と言われて合格したのが、旭川医科大学でした。

読者へメッセージをお願いします。

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困ったときに適切な診療を受けていただくためにも、ご自身が「信頼できる」と思えるかかりつけ医を見つけて、病気や薬について普段から何でも相談できる環境をつくっていただきたいですね。たとえ何科に受診すればいいのかわからない場合でも、「かしわでクリニックに聞けば何とかなる」と、まずは気軽に電話で相談いただければと思います。また当院では、外国人の患者さんに対して適切な対応ができるよう、クリニック全体で受け入れ体制を整えていますので、言葉の壁を気にせずに来院していただければと思います。

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