加來 伸一郎 院長の独自取材記事
かく歯科クリニック
(久留米市/西鉄久留米駅)
最終更新日:2026/08/27
久留米の市街地から少し離れた住宅地の中にある「かく歯科クリニック」。加來伸一郎院長が優しい笑顔で迎える。院内はバリアフリー設計で清潔感にあふれ、患者のプライバシーを守るため診療ユニットは5台中3台が個室。加來院長は、12年ほど大学病院や基幹病院の歯科口腔外科で研鑽を積み、2013年に開業した。各世代のニーズに応えるために多様な診療を提供している。「治療を終えたら、良い状態を維持するための予防とメンテナンスが大事です。お口の健康を守ることで、患者さんの健康寿命を延ばすお手伝いをしたいです」という加來院長に、同院の特徴や診療への思いをじっくり聞いた。
(取材日2024年6月20日)
プライバシーに配慮したゆとりある個室の診療室を用意
個室内にも大きな窓があって明るく、リラックスできそうですね。

ありがとうございます。診療ユニットは5台あり、うち3台は完全個室、2台は半個室になっています。ベビーカーや車いすのまま診療室まで入って来られる設計を採用していて、個室内もゆとりあるスペースを確保しました。私が勤務してきたような病院では診療ユニットがずらりと並ぶオープンな造りになっている所が多く、センシティブな話が周囲に筒抜けになるのを気にされる患者さんをよく見てきました。ですから、当院はプライバシーを守るレイアウトを心がけました。半個室で治療する場合、ご希望があれば少し移動していただいてカウンセリングルームでお話しすることもできます。
ご経歴を聞かせてください。
生まれも育ちも久留米で、父が医師だったこともあり、将来は医療系の仕事に就くものだと幼い頃から決めていたように思います。高校から家を出て寮に入ったのですが、中学までは歯の治療を受けたことはほぼなかったのに、高校2年時の歯科検診で虫歯がたくさん見つかってしまったんです。親元を離れてから、甘いものを自由に食べていましたからね(笑)。そこで初めて本格的な治療を受けたのですが、今思い返してみても痛いとかつらいといった記憶はありません。その時の先生がお上手だったのでしょう。その後、岩手医科大学歯学部に進み、卒業後は久留米大学病院の歯科口腔外科に入局しました。岩手での学生生活はとても楽しく、全国からいろいろな学生が集まっていて刺激的な日々でした。でも久留米に帰ってきて、ラーメンを注文したら当然のように豚骨が出てきた時はなんだかホッとしました。
その後、大学病院などの歯科口腔外科で約12年間勤務されたのですね。

当時は一般診療もしながら、がんや骨折、炎症などさまざまな症例に対応していました。入院患者さんや救急の対応のため歯科医師でも当直があったので、患者さんと付き合う時間はとても長く、距離も近かったように思います。私が研修医で何もできない頃でも親切にしてくださったり、退院時に「ありがとうございました」と深々と頭を下げてくださったりと、すてきな患者さんに恵まれました。また、半年ほど医学部麻酔科と兼務していた時期に、医科系の手術に立ち合わせていただき、全身管理について学べたことは大きな糧になりました。いろいろな経験をさせていただき、とにかく感謝の一言です。歯科口腔外科を基本としながら、歯周病や審美歯科などさまざまな分野の勉強を進めるうちに、患者さんのもっと身近な立場で幅広い分野の歯科診療に携わりたいという気持ちが強くなり、2013年に開業しました。
治療しないでいいように、予防とメンテナンスに注力
診療方針についてお聞かせください。

歯の寿命を延ばすために一番大切なのは予防とメンテナンスです。私はインプラント治療や歯周外科治療など外科的な要素が強い治療から、それに伴う審美歯科や補綴など幅広い分野の研鑽を重ねてきました。つくづく思うのは、私たち歯科医師が手を動かす治療は、歯を根本的に治しているわけではないということです。例えば虫歯の治療は悪いところを削って詰めて形を整えているだけで、元の歯に戻せるわけではありません。要は修理をしているようなもの。さらに修理を繰り返せば、元の歯はどんどん失われていきます。だからこそ、当院は治療そのものをしないでいいように患者さんに定期的に通っていただき、悪くなる前の予防と、治療後の状態を維持するためのメンテナンスに力を入れたいと考えています。
治療後の状態の維持をめざすことが大切なんですね。
はい。頑張って治療を終えたら、後はこの状態をどれだけ維持していくかです。毎日のケアについては患者さんご自身に頑張っていただけるよう、一人ひとりに合わせた歯磨き指導など、私たちもお手伝いします。歯科医院で受ける歯科衛生士によるケアは基本的に痛いことはしないので、リラックスして受けられると思いますよ。診療において私が心がけているのは、まず目で見てわかりやすい説明です。初診では基本的に、エックス線や口腔内カメラなどを使ってお口の中の写真を撮らせていただき精密に診査します。それらをモニターでお見せしながら現状をご説明し、数パターンの治療計画を提示し、最終的に患者さんに治療方法を選択していただきます。患者さんが理解・納得した上で治療を進めることを何よりも大事にしています。
医療法人名「志衛壽」には、どういう意味があるのですか?

「しえいじゅ」と読みます。衛は口腔衛生、壽は長生きという意味から、「口の中を守ることによって健康寿命を延ばす歯科医院を志す」という思いを込めて、妻と一緒に考えました。私の先祖が昔、田川で開業していてその病院名に「衛」「壽」の文字が使われていたので、それも受け継ぎました。最近、歯周病が認知症や糖尿病、早産、動脈硬化など全身に影響を及ぼすことがわかってきて、口の中をきちんと治療して守ることがひいては全身の健康にもつながるという考え方が少しずつ広まってきたように思います。私は歯科医師としてお口の健康を守ることで、患者さんの全身の健康維持をサポートしていきたい。開業から10年が過ぎ、最近は予防意識の高い患者さんが少しずつ増えてきて、うれしく思っています。
口の健康を守ることで、全身の健康維持をサポート
こちらは子ども連れでも受診できるのでしょうか?

もちろんです。ベビーカーにお子さんを乗せたままチェアサイドまで連れて来られても構いませんし、スタッフがキッズスペースで遊ぶお子さんを見守ることも可能です。土曜も17時まで診療しているので、平日お忙しい方でも通っていただきやすいのではないかと思います。お子さんの診療の場合は、基本的に親御さんは待合室で待っていただくようにしています。初回から無理に分離することはありませんが、お子さんが慣れてきたら「そろそろ1人で頑張ろうか」「よく1人で座れたね」「すごいね」とたくさん褒めながら誘導します。幼稚園生くらいでも親御さんがいないと不安になるのではなく、「1人で大丈夫」という子も多いのですよ。
今後、注力していきたい分野は何でしょう?
食べる・話す・呼吸するといった口の働きが、年相応に発達していない状態である「口腔機能発達不全症」の診療に力を入れていきたいです。口の機能の発達をサポートすることできれいな歯並びをはじめ正しい呼吸や姿勢、良質な睡眠など、全身の健康への良い影響が期待できますからね。お子さんがよくお口をポカンと開けていたり、舌足らずな話し方をしていたりしたら、ぜひご相談ください。また、加齢により口の機能が低下していく「口腔機能低下症」の診療にも注力したいです。放置すると要介護リスクが高まる恐れがある一方、早めに介入できれば健康の維持が望めます。初期段階だと気がつきにくい特徴がありますので、特に症状がないときから定期的に検診を受けに来ていただけたら幸いです。口腔機能発達不全症と口腔機能低下症、どちらも保険診療内で対応ができます。一緒に将来を見据えながら、全身の健康の獲得を図りましょう。
最後に読者の方へメッセージをお願いします。

治療はなるべく痛みが少なくなるようにいろいろと工夫を凝らしていますが、まったく痛くないということはないでしょうし、腫れたりすることもあるでしょう。ですがそこを乗り越えれば、あとは定期的に歯科衛生士による心地良いメンテナンスを受けながら状態の維持をめざしていくだけです。人生100年時代、患者さんが好きなものをおいしく食べることができる健康な人生を送れるよう、私たちは口の中の健康を維持することでお手伝いできたらうれしいです。歯科医院は怖い所ではありません。どうぞお気軽に足を運んでくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/40万円〜、ホワイトニング/3万3000円〜

