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林 伊吹 院長の独自取材記事

いぶき耳鼻咽喉科

(豊中市/豊中駅)

最終更新日:2021/10/12

林伊吹院長 いぶき耳鼻咽喉科 main

阪急宝塚線、地下鉄御堂筋線の2線に挟まれた豊中市。大阪市内へも電車で約20分のアクセスの良さから、住みたい街の上位常連組のエリアだ。この地に開院した「いぶき耳鼻咽喉科」の林伊吹院長は、「自分や家族が受診したいと思う医療の提供」をモットーに、患者からじっくり話を聞き、カメラで患部を見せながら、病状や治療について丁寧な説明を行っている。優しさにあふれる人柄ゆえに、患者の約4割が12歳以下の子どもであるのもうなずける。診療は一般的な耳鼻咽喉科の疾患だけでなく、甲状腺疾患や首の腫瘍なども検査ができる体勢を整えている。耳鼻科で治せる風邪の症状や高齢者に多い嚥下症状の対処法に至るまで幅広く話を聞いた。

(取材日2017年10月3日)

子どもの患者が4割。鼻水の多い風邪なら耳鼻咽喉科へ

駅からは少し遠いのですが、この地に開院された経緯や患者層を教えてください。

林伊吹院長 いぶき耳鼻咽喉科1

実家が近く、なじみ深い土地で安心感があったのと、駅に近い場所は耳鼻咽喉科の医院が多くて、そこへ乗り込むのも気が進まなかったですね。ここは駅からは離れていますが住宅街が周りにあるので弱点にはならないと思い開院しました。地元に密着した誰でも気軽に来れる医院にしたいと思っています。例えば、咳よりも鼻水の量が多い風邪なら耳鼻咽喉科を受診していただきたいですね。喉はカメラで患部を見ることができます。来院患者は、お子さん4割、高齢者が3割ぐらいでしょうか。高齢者の主訴は、めまい、慢性的な鼻炎、難聴が多く、補聴器は業者に委託する形で対応できます。開業時から、お子さん主体の医院にしたいという思いがあり、待合室にキッズスペースを作って本やぬいぐるみもたくさん置いています。スタッフの発案でお子さん専用の薬剤吸入スペースも作りました。吸入が済めばカプセルトイでごほうびがもらえます。

待合室も広く検査機器も充実していますね。

自分や家族が行きたい病院、患者さんにとっては気軽に来れて、相談できて、その時見つけられた疾患があればすぐに治療してもらえて、というような医院をめざしています。設備は、胸部も撮影できるレントゲン、インフルエンザの判定機器、喉の前方にある甲状腺、唾液腺、耳下腺、リンパ節付近の疾患も診察できるよう超音波検査設備もあります。耳に空気を入れる鼓膜マッサージ機器は気持ちが良いらしく、高齢者に人気がありますね。鼻から入れるカメラは色調が変えられるので患者さんにもわかりやすいと思います。初診では、症状を聞いて検査についてはコストを含めて患者さんと相談しながら進めています。薬だけ希望される患者さんには診察を主体にして検査は行いません。

1日の平均来院患者数は?

林伊吹院長 いぶき耳鼻咽喉科2

閑散期の7、8月で1日およそ80人ぐらいでしょうか。患者1人あたり、平均来院回数は1.5回ぐらいですね。診療は6人のスタッフで対応しています。少し多いかなと思いますが、自分がストレスなく診察できますし、スタッフにも働きながら耳鼻咽喉科に親しんでもらいたいと考えたからです。診察時間は、患者さん1人あたり3分で、待ち時間短縮のためにインターネット予約システムを導入しています。10時から、先着順で予約ができるようになっており、皆さんによく利用してもらっています。勤務医時代から感じていたのですが、子どもとすぐ仲良くなれるので「こちらに来たら子どもが泣かずに診察を受けられた」とお母さんに言っていただいたこともあります。診察が終わったお子さんとハイタッチすることもあるんですよ。

内科も外科も学べる奥深さに惹かれ耳鼻咽喉科の道へ

耳鼻咽喉科を選んだきっかけは?

林伊吹院長 いぶき耳鼻咽喉科3

大学時代にグリークラブに所属しており、そのクラブの顧問が耳鼻咽喉科の教授で選びやすかったのが理由の一つですね。また内分泌疾患の甲状腺に興味を持っていました。それで内分泌内科か、手術をする耳鼻咽喉科のどちらかを選択することになり、手術がやりたかったので耳鼻咽喉科を選びました。耳鼻咽喉科では内科的なことから外科的なものまでいろいろ勉強できたので、とてもやりがいを感じましたし、面白かったので選んで大正解でしたね。最初に経験した手術は扁桃腺で研修医3年目頃までは、そればかりやっていました。その後大阪医科大学病院に戻り嚥下障害について勉強しながら、頭頚部がんの手術も行い、学内講師も経験したあと、国立大阪病院へ赴任し、そこで頭頚部がんの治療を始めてどんどん忙しくなりました。

嚥下障害を専門とされていますね。

研修医が終わり大学病院に戻った時、耳鼻咽喉科に加えてもう1つ専門を作らないといけなくなり、嚥下障害を選びました。嚥下障害は、高齢者の半数がその症状を持っています。水を飲む時、喉仏が上がって気道を塞ぎますが、高齢者は筋力が弱って喉仏が上がりにくくなるため誤嚥しやすいのです。見分け方は、水を飲んでもらい、むせるならすでに気管に入っている可能性があります。または、声色が変わっていてもその可能性があります。誤嚥を防ぐには、喉のフタが閉じやすいように、姿勢を正して飲み込む瞬間に、頸部前屈嚥下(けいぶぜんくつえんげ)といって、顎を引くと誤嚥しにくくなります。嚥下障害は手術も受けるよりもまずは対処法が大事なので、当院でそういった指導を行っています。

ホームページの診療内容に「くびの病気」と記載されていますね。

林伊吹院長 いぶき耳鼻咽喉科4

首の前方部分には、甲状腺、唾液腺、耳下腺、リンパ節があり、耳鼻咽喉科の守備範囲です。頭頚部腫瘍や甲状腺がんなどの病気がありますね。当院では、くびの疾患はエコーを使って診察し、手術が必要なら病院を紹介しています。甲状腺がんは、女性は治りやすいのですが、自分の経験では男性は5割は再発すると思っています。患者さんには必ず「後のフォローが大切ですよ」と説明しています。こちらで対応可能なのは、急性でリンパ節や唾液腺が腫れた時や、「橋本病」と呼ばれる甲状腺機能低下症などで、投薬治療を行っています。そんな経緯でホームページに「くびの病気」と書いたのですが、少しわかりにくかったようで整形外科と間違われることが多いですね(笑)。

喉の痛みや鼻水の風邪なら耳鼻咽喉科へ

子どもが風邪の時、どの科を受診するか迷うのですが。

林伊吹院長 いぶき耳鼻咽喉科5

基本的に上気道か下気道に分けて考えますね。鼻水か咳のどちらが主な症状かということです。鼻水が多い風邪なら耳鼻咽喉科を受診するほうがいいですね。また咳がひどくて、とりあえず病院には行ったけど改善されなければ、鼻水が喉に落ちて咳が出ているかもしれません。なかなか風邪が治らない時は、耳鼻咽喉科を受診する。そんな使い分けをしてもらえればと思います。大人の患者さんでも、喉が痛い時はカメラを使って患部を見ることができるので耳鼻咽喉科に来ていただくほうが良いでしょう。喉が腫れて窒息する危険もある怖い病気もあります。喉頭蓋炎(こうとうがいえん)といいますが、年に1人ぐらいはその病気の患者さんが来られます。抗生剤などの点滴で対処しています。

休日はどのように過ごされていますか?

休みの日に決めてやっていることは特にはありません。家内も働いているので、日曜日ぐらいは洗濯はしようかなと思って手伝っています。趣味も広く浅くで、いろいろやりたいタイプですね。乗り物が好きで鉄道写真を撮るのが好きです。北海道が大好きなので毎年2回ぐらいは行ってます。冬ならスキーもしますね。北海道の好きな場所は札幌、帯広で、景色がとてもきれいなところはサロマ湖から紋別へ行く道なんですが、そこはアップダウンがあって景色が広がっておりとても好きですね。

最後に、患者さんへお伝えしたいことをお話しいただけますか。

林伊吹院長 いぶき耳鼻咽喉科6

当院では特殊な治療はやっていませんが、できる範囲のことは全部しますし、できない時はそれができる病院を紹介しています。例えば喉が痛くて食事が飲み込めない、膿を出さないといけないならその場で対処します。点滴も必要ならします。実際にこの近くの患者さんで、熱が高く、近くに内科がなくてこちらで点滴をしたこともあります。過度なことはできませんが急性疾患なら何とかしたいですね。今後も今までと同じで、患者さんの話をよく聞いて、自分が受けたいような医療を提供し、診察を受けてよかったなと思われるように患者さんの満足を高めていきたいと思います。来院された時、良い印象を持ってもらえるよう待合室のリニューアルを開業3年目に行いました。そういう点についても気を使っていきたいですね。

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