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隅蔵 透 院長の独自取材記事

すみくらクリニック

(大阪市淀川区/塚本駅)

最終更新日:2020/03/31

20190710bana

医師で作家、あるいは医師で音楽家など、2つの分野で活躍している医師の存在はときおり見かけるが、神職の資格を持ち神主としても活動している医師は、全国的にも珍しいかもしれない。そんな稀有な存在が、大阪市淀川区で「隅倉クリニック」の院長を務めている隅蔵透先生だ。クリニックで診療を行う傍ら、初詣や夏祭りなどの催し物に神主として参加するという院長にとって、医療と神職はどちらも地域貢献の手段であるという共通点をもって違和感なく共存しているという。クリニックの休診日も休日診療所で診察を行うなど、多忙な日々を送っている隅蔵先生に、開業に至る経緯から診療の内容、神職について、さらには今後の展望など、いろいろと話を聞いてみた。
(取材日2019年6月10日)

クリニックの休診日も休日診療所で診察

まず大学卒業から開業までの経緯を教えてください。

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和歌山県立医科大学に進む前に、同志社大学工学部機械工学科に通っていました。でも医学部に進んだ同級生も多く、彼らの話を聞くうちに、思い切って進路を変更しました。大学を卒業後は、関西労災病院に勤務した後、香川医科大学病院、国立療養所高松病院など、四国の病院で働き、大阪労働衛生センター第一病院の透析科に勤務しました。香川医大でこのクリニックの前の院長だった先生と知り合い、彼から後継を頼まれたんです。それで「隅倉クリニック」として新たに開業しました。回り道はしましたが、機械工学科で2年間学んだことで、図面が引けたり旋盤や溶接もできるという珍しい医師になれました(笑)。

腎臓内科を専門分野にされた理由を教えてください。

検査の結果がはっきり数値に出るので患者さんに説明しやすいことが、理由の一つです。それは機械工学科に通っていたときの名残かも知れません。基本的に数字が好きなんですね。腎臓は悪くなると移植も難しいので、どの患者さんに対しても、少しでも長期間にわたり健やかに過ごしてほしいという思いで診察しています。自分自身献血をすでに300回以上しているんですが、昔の人工透析では必ず輸血もしていたので、それに必要な血液を少しでも補えれば、という思いで始めました。また、透析治療をするようになってから、休日でも休まないことが習慣になりました。数日間休みがあると旅行に行ったりするという話をよく聞きますが、私の場合、クリニックの休診日も休日診療所で診察していることが多いです。落ち着きのない性格なので、じっとしていることが嫌なんです(笑)。

開院するにあたってどんなクリニックにしようと思いましたか?

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まったくのゼロからではなく、前の先生からの引き継ぎで始めたので、すでに患者さんも多く、内装などもそのまま引き継いでいます。自分としては改装したいところもあるにはあるんですが……。設備に関しても特にこだわりはなく、治療用の機器なども必要なものは一通りそろえてあります。クリニックの雰囲気としては、スタッフも患者さんも含めて、みんなでワイワイと仲良くできればいいなぁと思っています。実際いろんな患者さんがいらっしゃるので、大変さはありますが、楽しいですよ。「毎日30分は歩いてください」と言うと「片道ですか? 往復ですか?」と聞かれたり(笑)。まぁ、いろんな方がいらっしゃいます。でも気に入ってくださった人はずっと来てくれるので、長続きはしています。

神社の夏祭りなどには医師としても神職としても参加

診療におけるポリシーやモットーなどがあれば教えてください。

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自分の性格はせっかちなほうだと思うんですが、それを表には出さずに、スタッフとも患者さんとも、フレンドリーな関係を保ちながら、のんびりと診療していきたいですね。そのために世間話なども含め、スタッフとはよく話すようにしています。患者さんに対しても、できるだけ親身になって接するようにしています。たぶん相手からもそう思われてるんじゃないでしょうか。患者さんも親しげに話してくれています。スタッフは私の他にあん摩マッサージ師が2人、看護師が3人、助手が3人、受付が2人です。みんな元気で長くいてほしいと思いますし、実際長く勤めてくれています。

患者さんの年齢層や症例に特徴などはありますか?

この辺りは庶民的な町で、患者さんは高齢者が多く、症例としては高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症といった生活習慣病が多いですね。リハビリテーション科もあり、奥がリハビリ施設になっているので、肩や腰、膝が痛いといった方も数多くいらっしゃいます。骨粗しょう症から圧迫骨折を起こしている患者さんも多いですね。また、ここでの診療以外に老人ホームとグループホームでも、週3回は入居者の診察に行っています。さらに在宅医療も行っています。在宅の患者さんは、高齢で十分に食事が取れない方も多いので、脱水症状の予防には気をつけています。寝たきりで褥瘡(じょくそう)ができてしまった場合などは、休日も看護師が行って処置をします。褥瘡については本人も家族も意外と理解していないことが多いんですが、なってしまうとなかなか大変なんです。でも看護師さんが毎日根気よく処置してくれて褥瘡が改善に向かった時は、自分もうれしいですね。

地域貢献にも力を入れているとお聞きしました。

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地域の催し物に救護担当として参加することが多いです。神社の夏祭りなどは、医師としても神職としても参加します。そういった場合に注意しているのが熱中症です。熱中症が疑われる場合、水分を取るだけでいいのか、当院で輸液する必要があるのか、それとも大きな病院に送るかを、迅速に判断しなければいけません。また、毎年8月に行われている淀川の花火大会の救護にも行っています。花火が終わった後の救護所というのは、熱中症と飲みすぎと、ケガをした人などで、野戦病院のような状態になるんですが、そこで他の先生と協力して救護にあたることが年中行事のようになっています(笑)。多いときは熱中症だけで40〜50人ぐらい来るので、20時半に花火が終わって24時過ぎまで救護にかかることも多いんです。他には、趣味で障害馬術をやっている関係で、競技会の救護にも行っています。

治療の「入り口」として気軽に利用してほしい

神職資格を取得したのはどのような理由からですか?

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50代半ばになって、医師の仕事以外に何か新しいことをしてみたいと思うようになりました。何をしようかと考えたとき、まず自分にとって一番苦手だった日本史を勉強しようと思いました。その中で神職というのは、正月など休日にできる仕事だなと思い、興味を持つようになりました。そうしたら4年ほど前に、知り合いから「一緒に通いませんか」と誘われて、神職の養成課程に通い、資格を取得しました。神主になってからは、友人の先生が診療所を建て替えるときに地鎮祭を行ったり、役には立てているようです。神社に初詣に来た患者さんが顔を上げた途端「あら先生?」と驚かれたときは面白かったですね(笑)。

休日はどのように過ごしていますか?

すでにお話ししたように休日診療所に行ったり、地域の催し物での救護を頼まれたり、神社のお掃除に行ったりと、なかなか忙しいですね。でも体がなまらないように、朝30分間は走るようにして、時間が取れればフルマラソンに参加したり、3000m超級の登山をしたりもします。でも現在は猫2匹と犬が1匹いるので、数日間でも家を空けるのは難しくなってしまいましたが。特にかわいがっているのがワンちゃんです。実家にいた頃はずっと犬を飼っていたんですが、独立後はマンションに住んでいたので、猫だけ飼っていたんです。母親が亡くなり、古い家を建て直して住むようになって、イタリアン・グレイハウンドを飼い始めました。かわいくて毎日一緒に寝ています(笑)。

今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

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自分が健康なうちは、診療を続けていきたいですね。献血も400回を目標に可能な限り続けようと思っています。他にも医療と神職に限らず、いろいろな面で地域との関わりを続けて行きたいです。診療に関しては、セカンドオピニオンも歓迎いたします。複数の医療機関にかかっていて、お薬を飲み過ぎているために副作用で具合が悪くなっている患者さんもいますから、そういった方のお薬の整理なども相談に応じます。小さなことでも気にせずに、気楽に来てほしいと思います。専門的な治療が必要な場合は、連携している病院に連絡を取り、ご紹介します。さまざまな症状を治療するための入り口として、気軽に当院を利用していただきたいですね。

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