永光 雄造 院長の独自取材記事
川崎レディースクリニック
(川崎市川崎区/川崎駅)
最終更新日:2025/04/07

川崎駅から徒歩5分ほどの場所にある「川崎レディースクリニック」。1997年に開業、2021年以降は先代院長から継承した永光雄造院長が運営。開業以来長らく、「患者にとって心地良い医療」をモットーに多くの女性の健康を守ってきた同院は、2024年リニューアル。現体制となり3年を越え、患者がより来やすい院内にしたいという思いから、名称変更に合わせて院内リニューアルを実施。以前と変わらず、働く女性の負担を軽減し、気軽に来院できる体制づくりにはますます力を入れている。「少しでも痛みや不快感を感じたら、まずは問診だけでも来てほしい」と語る永光院長に、リニューアルのポイントや同院のこだわり、思いを聞いた。
(取材日2024年12月5日)
明るさのある空間で、誰にでも幅広い診療を
リニューアルの経緯と、以前と変えた部分、こだわった点を教えてください。

このクリニックを引き継がせていただき3年が過ぎ、引き続きこの地で多くの方の助けになれればと、今回リニューアルしました。血縁関係による継承ではなかったため先代のお名前でずっと続けられないということもあり、また、よりこの土地に根差したわかりやすい名にできればと、名称変更をしました。それに合わせて、老朽化していたところもあったので、院内を改装しリニューアルすることも同時に行いました。改装でこだわったのは、院内にやわらかさと明るさを持たせた点です。以前の内装は、入り口前の廊下と同じようなグレーで、少し寒々しい感じがありましたので、ベージュの壁紙や、照明をやわらかい色にするなどして、温かみを持たせられるように変更しました。
一方で変わらない方針について、その特徴や信念を持たれたきっかけはどのようなものでしょうか?
もともと総合病院や大学病院に勤務していたのですが、大きな病院は専門性が重要視されるので、どうしても偏りますよね。その点、クリニックは幅広く診られることもあり、それまで専門性を生かした現場を見てきたからこそ、もっと幅を持たせた診療で患者さん一人ひとりの細かいニーズに応えたいという思いもありました。その中で間口を広く持ってさまざまな医療を提供できる点が良いと思い継承しましたので、「どんな人も全員診る」というスタンスは当院を引き継いだ時から今でも変わっていません。引き続き、婦人科・妊婦健診・漢方・手術など幅広い診療をし、患者さんに対しても自分が描くサービスを提供できるようにしていきたいと思います。
診療のポリシーやモットーとされていることを教えてください。

働く忙しい女性が多く来院されることもあり、以前から、日帰り手術でのレーザー治療などを実施していますが、それは引き続き注力しています。できるだけ、忙しく働いている方たちの負担を軽減して、気軽に来院してもらえるようにしたいということが一番のモットーです。そのため、遅い時間も診られるように時間を設け、土曜日診療もしています。実際に、土曜日に来られる患者さんは多く、やはり忙しい方が多いんだと日々実感しています。完全予約制ではないので、その分、お待たせしてしまうこともありますが、この日しか来られないとか、今つらいというお声にもできるだけ応えたいんです。なかなか病院に行けない、困っているという人こそ診せていただきたいので、無理をしたり我慢したりせず、気軽に来ていただけたらと思います。
医療機関に行きづらいと感じる人こそ手を差し伸べたい
婦人科というとデリケートな面の多い診療科だと思いますが、心がけていることはありますか?

我慢や無理をしている人が本当に多いと感じます。忙しくて医療機関に行けないというだけでなく、「痛いのは今だけかもしれない」と思い過ごしている方も多いようです。ですが、月経痛は何かの病気の可能性もありますし、そもそも痛みは我慢しなくていいものです。もっと早く来ていたらひどくならなかったというケースはたくさんあります。ですから遠慮せず、まずは気軽に話だけでも来てほしいです。大学病院時代に緊急対応を多くしてきたからこそ、なかなか医療機関に行けず困っている人に、早急に手を差し伸べたいという思いがあります。対面での問診では話しにくいと感じる方は、事前のウェブ問診の時点で細かく書いていただければ、来院した際に多くをお聞きしなくて済みますし、安心していただきたいです。
力を入れている治療について教えてください。
患者さんの負担を軽くするため「日帰り手術によるレーザー治療」は継続して注力しており、子宮頸部異形成・バルトリン腺嚢胞・尖圭コンジローマなどの治療を保険適用内で対応しています。働いている女性が多いので、仕事のパフォーマンスを上げていただくためにも、痛みの少ない日々を過ごせるよう貢献したいです。また、不妊治療も積極的に行います。一般的な不妊症検査から子宮鏡による精密検査まで対応しています。その上でしっかりとした施設で行うことで良好な精子の回収が見込めるため、新しい技術や機器を採用して人工授精を行います。子宮頸がんについてはHPVワクチンの啓発、コルポスコピーによる精密検査にも注力しています。
付き添いの男性が院内に入れるような体制ですが、こだわりや思いはあるのでしょうか?

婦人科のクリニックの場合、男性は受付の中までは入れなかったり、待合室が別だったりということも多いと思いますが、私は特にご夫婦に関しては、男性パートナーにはぜひ一緒に来てほしいと思っています。不妊治療中や妊娠中から一緒に深い話を聞いていただくことで、ご夫婦ともに、妊娠や出産に臨んでいただけるだけでなく、夫婦の絆が深まることにつながると思うからです。婦人科には男性にあまりいてほしくないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、当院としては、忙しい方を中心に幅広い人を受け入れる方針を大事にしているので、男性同伴も前向きに捉えています。むしろその点でクリニックを探されている方々にも足を運んでいただけたらと思います。
忙しい人、急ぐ人、相談だけをしたい人にも幅広く対応
現在は、どのような患者さんが多いでしょうか。

以前から多い20~30代の方は月経不順・月経困難症・性感染症の治療、低用量ピル処方などの避妊関連、妊娠初期の対応、人工妊娠中絶手術などの相談や治療を求めていらっしゃいます。最近は、更年期の症状で来られる患者さんも増えています。事前に調べていらっしゃる方が多く、問診して治療方針を提案する前にプラセンタ治療をご希望される方もいらっしゃいますね。それも可能ですが、当院としては引き続き、更年期の症状に悩む人こそ漢方を用いることをお勧めしています。冷えやめまい、不定愁訴に悩む方だけでなく、精神障害のある方は精神薬はやめ時が難しくなるため、まずは漢方を使われると良いと思います。また漢方は副作用に配慮されているので、ピルを飲めず月経のトラブルのある方にもお勧めします。
特に「忙しい」「急いでいる」という患者さんからニーズの多いことはありますか?
仕事で忙しいという方は平日だと遅い時間を希望されますし、土曜日は平日の通院が難しい方がたくさん来院されます。この辺りに土曜診療をしているクリニックが少ないこともあり、診療時間のニーズにはお応えできているかなと思います。急ぎの診療をご希望の方の相談内容では、低用量ピルの処方ニーズが高いです。低用量ピルは避妊目的だけでなく、月経痛や月経困難症に悩む方が月経コントロールを図れる点がメリットといえます。急ぎの対応も行いますので、お気軽にご相談ください。一般的には妊娠の希望がなければ、50歳まで飲み続けることができます。50歳を過ぎたら血栓症のリスクが高まるので、それ以降の患者さんにはホルモン補充療法を行っています。
最後に、この地域の方への思いやメッセージがあればお願いします。

川崎は本当に活気のある街ですよね。そのため、とにかく忙しい方がたくさんいらっしゃいます。できる限り負担の少ない治療を提供し、働く女性の多いこの地域に医療貢献をしていきたいです。「ここで受診して良かった」というお声を頂けたらうれしくやりがいを感じます。診療時間も長く、完全予約制ではないため駆け込んでいただけるので、「今、痛い」「今、診てほしい」という緊急で困っている方こそいらしていただきたいですね。少しの痛みや異変、違和感も我慢せず、問診だけでもお気軽にご来院ください。また、今は予防する時代ですから、早期発見のためにも毎年1回は婦人科検診を受けていただけると良いと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは避妊目的での低用量ピルの処方/2750円~