塩崎 洋一 院長の独自取材記事
しお歯科クリニック
(春日井市/勝川駅)
最終更新日:2022/08/25
春日井市如意申町にある「しお歯科クリニック」は、子どもから大人まで幅広い世代の歯科治療を行っている。院内は、ベビーカーや車いすの移動に配慮した広めの設計で圧迫感がなく、リラックスして治療を受けられそうだ。塩崎洋一院長は、東京歯科大学を卒業後、開業医のもとで研鑽を積んできた。周りの人に対して気を配り、いつも優しい塩崎先生の人柄とこれまでに培ってきた経験は、スタッフや患者からも信頼を集める。先生の人柄に関するクチコミで来院する患者も多いそうだ。患者に合った治療を心がける塩崎先生に、歯科医師を志した経緯や、診療への思いを話してもらった。
(取材日2016年11月10日/更新日2021年7月29日)
トータルケアを学ぶため、開業医のもとで勤務
歯科医師をめざしたきっかけから開業までの経緯を教えてください。
父が歯科医師だったというのが大きな理由です。幼い頃から、父の働く姿を間近で見ていて、自分も大人になったら同じ道を歩むんだろうと想像していました。父も私が子どもの頃から、歯科医師とは、仕事とはと今でも心がけている根本を何度も話してくれてました。父は開業医だったので、その歯科医院を継ぎたいという気持ちもありましたが、早い時期に父が亡くなり、歯科医院のあった場所も田舎で過疎化が進んでいたので、結局私が継ぐことはありませんでした。東京歯科大学を卒業後、母方の地元である愛知県に移り、勤務医、分院長を務めたのち三重県四日市市で開業しました。卒業後すぐに開業医のもとで働いたのは、歯科のさまざまな分野を経験したかったからです。私の目標は、歯科のトータルケアを行うことでしたから。そして2013年10月に、春日井市に移転し「しお歯科クリニック」としてスタートしました。
この場所を選んだ理由は?
紹介された別の物件を見に行く途中、たまたまこの場所を偶然見つけたんです。もとはコンビニだったようで、駐車場が広く出入りしやすいという自分の考えていた条件にぴったりでした。駐車場が広く車でも楽に来院していただけます。JR中央線の勝川駅から出ているバスの停留所も近くにあり、交通の便もいいです。自転車を使われる方も多いので屋根つきの自転車置き場も設置しました。また、開業してからこの辺りは子どもが多い地域だとわかりました。周辺の小学校と比べても、当院の位置する学区は生徒数が多いようで、夕方には多くのお子さんに来院していただいています。とはいえ、年配の方や会社勤めの方も多く来院されるので、全体としては幅広い世代の方に来ていただいていると思います。
診療の際に気をつけていることを教えてください。
スタッフ全員で患者さんに声がけすることを意識しています。そうやって患者さんと良い関係を築いていると、診療に対する患者さんの不安を和らげることにつながります。歯科治療は、どうしても治療中の様子が患者さんにわかりにくいものです。治療前にはきちんと説明をして患者さんから信頼していただけるように努力しています。お子さんと年配の方で対応が大きく変わることはありませんが、歯科に慣れていない子や怖がる子には時間をかけて慣れさせていくことが多いです。しかし、ゆっくり時間をかけると「このまま甘えていれば治療しなくて済む」という思いが芽生えることもあります。そうならないように簡単に終わる処置をさっと済ませることもあります。最初の治療で痛みをあまり感じなければ、次回以降の処置もスムーズに行えるのではないかと考えています。
歯の健康のため、定期的なメンテナンスが重要
歯の健康のために大切なことは何ですか?
歯茎を良い状態に保つことですね。今は歯を抜く原因の1位が歯周病とされています。口腔内のプラークコントロールや毎日の歯磨きの重要性をわかってもらえるといいですね。例えば、歯磨きをしていて血が出てくる場合、口の中が汚れ歯茎の状態が悪くなっているとも考えられます。口腔内を清潔にすることが歯茎の健康を保ち、歯を強くすることにつながります。ですが、どうしても人それぞれに磨き方の癖があり、磨き残してしまう部分が出てきやすいです。歯科医師、歯科衛生士から自分では気づけない箇所のケアを受けることで、歯の寿命に差が出ます。ですから、毎日の歯磨きにプラスして、定期的な歯科医院でのメンテナンスをお勧めしています。歯科医院でのメンテナンスと聞くと何度も通うのかと思われますが、歯の根っこの治療とは違い回数がかかる処置ではありません。
メンテナンスというとどんなことをするのですか?
基本的には、まずは歯周ポケットの検査をします。今の歯茎の状態の目安にもなりますし、処置後の経過がわかりやすいからです。その後、歯の表面に付着している歯垢や歯石があればその状態の説明もして、その方に合った器具、機械を使っての除去処置になります。小学生時に染め出し液を使って歯磨き指導を受けた大人の方も多くなり、抵抗なく歯磨き指導を受けてくださる方も増えてきましたね。子どもたちの歯に関しては、フッ素を歯の表面に塗ったり、シーラントという素材で歯の溝を埋める処置を勧めています。乳歯は永久歯に比べるとかなり弱いので、これらの処置をお勧めしています。当院では、歯科衛生士それぞれが最大限の力を発揮できるよう、使いたい材料があれば何でも注文していいよと言っています。
親御さんに対する対応で心がけていることは?
お子さんの歯がどんな状態になっているか、どんな治療が必要かを一緒にお子さんの歯やレントゲン写真を見てもらいながらわかりやすく説明するようにしています。治療回数は何回くらいになるかなど、親御さんが気になることもお答えします。痛みが出る治療やすぐに食事できない治療になる時も早めに伝えます。最初の説明で親御さんに納得いただけると、お子さんの治療にも協力を得られますのでこちらも助かります。お子さんの初めての歯科治療では動く椅子に座るだけでビックリする子もいます。その子にとって“歯科医院は怖い場所”というイメージにならないようにスタッフ一同で工夫もしてます。お子さんの虫歯はできるだけ早い段階で治療することをお勧めしています。小さな虫歯であれば、ちょっと削って詰めるだけなので痛みはほとんどありません。大きな虫歯だとどうしても痛い思いをしてしまいますからね。
早い段階で歯並びのトラブルを改善することをめざす
歯並びで悩む子どもたちも多いですね。
当院でも、お子さんの歯並びに関心を示される親御さんが多いように思います。実際に歯列矯正を行う患者さんは2、3割ですが、歯並びに対する意識は高まっていますね。子どもの矯正治療の場合、早い人は永久歯が生えるか生えないかという6歳前後からスタートします。特に下顎が上顎よりも前に出ている受け口の場合は、早い段階で処置を始めたほうが良いと私は考えています。悪い歯並びは遺伝的な影響もありますが、悪い癖によって起こることもあります。例えば、ずっと指しゃぶりをしていたり、唇を噛む癖があったりすると出っ歯になるおそれがあるので注意してください。また、乳歯の段階で歯と歯の間に隙間がまったくない場合も、永久歯になってから歯並びが悪くなりやすいです。
悪い歯並びが健康に影響を及ぼすことはありますか?
歯並びが悪いと磨きにくい箇所が増えるので、虫歯や歯周病のリスクを高めます。また、悪い歯並びで顎の成長が妨げられることもあるんです。そうなると、大人になってから治療するのが難しくなります。ですので、できれば子どもの頃から歯並びに関するトラブルは治療しておくほうが良いですね。歯列矯正は、永久歯の生え始めの頃は取り外せる装置、9歳前後になると固定式、そして最終的には大人と同じタイプの矯正装置へと徐々に変更していきます。歯の症状によって治療期間や方法が変わるので、少しでも興味があれば相談してください。
今後の展望を教えてください。
今後は今以上に予防に力を入れていきたいと思っています。虫歯や歯周病になる前に、ブラッシング指導や口腔ケアをしっかり行い、常に口の中をきれいに保てるようにしたいですね。虫歯や歯周病で来院された患者さんも治療が終了した後は、新たな虫歯などができないよう定期的なメンテナンスを行っていきたいです。「痛くなったら歯医者さんへ通う」というのではなく「歯が悪くなる前に予防に通う」という考え方へ進めていきたいです。もちろん治療のスキルアップは歯科医師、歯科衛生士ともに向上させて歯科医院全体で一丸となって取り組んでいきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正治療/約40万円~※料金はあくまで目安です。詳しくはクリニックへお問い合わせください。