本多 豊大 院長の独自取材記事
本多医院
(愛知郡東郷町/日進駅)
最終更新日:2023/07/14
住宅街の中にある「本多医院」。院内には高い天井があり、明るい光が降り注いでいる。患者が話しやすい雰囲気づくりを大切にしている同院では、子どもから高齢者まで幅広い年代の患者が訪れる。院長の本多豊大(ほんだ・とよひろ)医師は、「よろず屋のように、皆さんの健康に関する困り事に広く対応したい」と笑顔を見せる。地域のかかりつけ医として日々尽力する本多院長は、常に患者目線に立って治療にあたることを忘れない。かかりつけ医として、専門である呼吸器内科の医師として、その思いをたっぷりと語ってくれた。
(取材日2019年10月3日)
患者目線に立った診察や治療に心を尽くす
患者さんに寄り添った対応を心がけているのですね。
できる限り患者さんの目線に立ち、患者さんが話しやすい雰囲気をつくることを大切にしています。ご長寿さんには、人生の先輩であることを常に心に留め、尊敬の気持ちをもって診察しています。また、お子さんを診察する際はしゃがんで目線を合わせるなど、些細なことですが大事にしています。患者さんに信頼していただけるよう、お顔を拝見しながら、なるべく時間をかけてお話を伺うようにしています。そのため、どうしても待ち時間が発生する場合があるのですが、再診時用の予約システムを導入し、なるべくお待たせしないようにしています。定期通院中の方や次回の受診日時を決めていらっしゃる患者さんは、インターネット・電話または受付窓口にてご予約いただきますと、比較的スムーズに再診していただけます。お帰りの際、受付に次回のご希望日時を仰る方もいらっしゃいます。もちろん、予約なしでご来院される患者さんも喜んで診察させていただきます。
治療方針を教えてください。
最近はインターネットが普及して、患者さん自身が気軽に治療や薬、検査などの情報を得られるようになりました。当院でもインターネットの情報を見て、「この治療をしてほしい」とか、「この薬を処方してほしい」といったご要望を持っていらっしゃる方も多くみえます。中には高額なものもありますが、患者さんにとって本当に必要なのかという目線で、必要なければそれはしなくてもいいと伝えるようにしています。単価の高い治療などは受けていただいたほうが経営としてはいいかもしれませんが、患者さんにとって必要かどうかという目線に立って、常に適切な治療をご提案できるよう心がけています。
クリニック全体でも、話しやすい雰囲気づくりに意識して取り組んでいる印象を受けました。
私はもちろん、スタッフも笑顔を忘れず患者さんに接することを心がけています。クリニックにはインフルエンザや風邪などで受診される患者さんもいらっしゃいますので、私もスタッフもマスクをして対応することがどうしても多くなってしまいます。そうすると表情が隠れがちになってしまいますので、マスク越しでもわかるよう、目元をニコッと笑顔にするようにしています。小さなことですが、そうした積み重ねで、話しやすく通いやすい雰囲気をクリニック全体でつくっていこうと取り組んでいます。
患者の「困った」に対応できるクリニックをめざして
どのようなクリニックにしたいと思って開業されたのですか?
まずは、地域の皆さんに喜んでもらえるようなクリニックをつくりたいと思いました。診療科目は、勤務医時代にもさまざな経験を積んできたのでなんでも対応できるようにと、内科・呼吸器内科・小児科・アレルギー科を標榜しております。開業から5年経過しましたが、幅広い年齢層の患者さんに気軽に利用してもらえるようなクリニックをめざして日々診察にあたっています。
院長の専門である呼吸器内科では、どのような治療を心がけていますか?
呼吸器系の症状ですと、難治性の咳でお困りの患者さんが多くいらっしゃいます。咳が続いてクリニックを何軒も回ったけれども治らなくて、呼吸器内科を標榜している当院にいらっしゃる方も。そんな時、まず患者さんの話を細かく丁寧に伺うようにしています。どういうことかというと、例えばほかのクリニックを受診された時に吸入薬を処方していただいているのに吸入指導を受けておらず、間違った使い方をしていらっしゃる場合があります。どのように吸入していらっしゃったかを伺って、その患者さんの吸い方を模擬的にその場でやっていただくと、吸入方法を間違えていたことがわかるわけです。その場合には吸入指導をさせていただき、処方されていた吸入器をそのまま使っていただいています。患者さんに寄り添い、何がその方にとって良い方法かを模索しながら対応するようにしています。
漢方の処方もされているそうですね。
クリニックには「とにかく症状を何とかしてほしい」という患者さんが多くいらっしゃいます。そういった患者さんのご要望に応え、少しでも症状を和らげたいと、漢方の処方を始めました。もちろん西洋薬にも良い薬はたくさんありますが、例えばおなかが下ったり、体が冷えたりといった症状を和らげることを目的とした薬は西洋薬には少ないですが、漢方にはそれらの症状に合わせた薬があります。そういった西洋薬では対応するのが難しい部分を埋めるような形で漢方薬を活用しています。もちろん漢方薬にも相性がありますし、副作用も西洋薬と同じようにあります。そういったことも踏まえ、西洋薬と漢方薬が互いに補完し合えるよう処方しています。まだ勉強中ではありますが、少しでも患者さんの困った状況に対応できるよう、さまざまなかたちでアプローチできたらと考えています。
かかりつけ医として地域の健康を支えたい
患者層を教えてください。
お子さんからご長寿さんまで幅広くいらっしゃいます。患者さん同士のクチコミで来院される方が多いですね。ご家族や親しいご友人などを紹介してくださると信頼してくださっているような感じがして非常にうれしい限りですし、感謝しかありません。
地域の皆さんの健康に対する意識はどうですか?
意識の高い方が多いと思います。きちんと健康診断を受けていらっしゃる方も多いです。当院にいらっしゃる患者さんには健康診断を受けられたら結果の紙を拝見させてくださいとお願いしていますが、その結果に目を通して、できる限りその患者さんの全身状態や他科で処方された薬を把握して、薬の飲み合わせを考えて処方するなどしています。また、行政と連携を取り、予防接種など積極的に受けていただくよう力を入れています。この辺りはファミリー層が多い地域ですが、愛情深い方が多く、例えばお子さんの通院で一緒にみえた親御さんに「明後日にまた連れてきてください」というと大抵の方は応じてくださいます。お父さんやおじいちゃんおばあちゃんに連れられて来院されるケースも多いです。ただ、お子さんを優先するあまり大人は自分のことを後回しにしがちなので、親御さんご自身の体調管理にもお気をつけくださいと申し添えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
かかりつけ医をぜひ見つけていただきたいです。ご自分の体をよく知るかかりつけ医を持つと、患者さんご自身では気づかないところに医師が気づいて疾病の早期発見につなげることができますし、専門的な検査や治療が必要な症状があれば、それまでの診療情報を引き継いでスムーズに高次病院を受診していただくことができます。かかりつけ医を持つと、ほかのクリニックを受診することをためらう方もいらっしゃるかと思いますが、しかしそこは遠慮せず、セカンドオピニオンとしてほかのクリニックもご利用ください。起点となるかかりつけ医を一つ持ち、上手に活用して健康維持に役立ててほしい。そうすることが健康寿命を延ばすことにつながると考えています。私自身もなんでも相談していただけるような医師であるよう努力していきたいと思っています。この地でご縁をいただいた感謝を忘れず、一日でも長くこの地域に住む皆さんの健康を支えていきたいですね。