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長谷川 美紀 院長の独自取材記事

さくら皮膚科

(横須賀市/横須賀中央駅)

最終更新日:2024/03/04

長谷川美紀院長 さくら皮膚科 main

京急本線の横須賀中央駅から徒歩7分、昭和の風情が残る商店街から小道に入ったところにある「さくら皮膚科」。院長の長谷川美紀先生は横須賀出身で、長く勤めた横須賀共済病院近くに、2014年に開業した。院名の由来は、院長自身が春に花咲く桜を愛でることが好き、というところから。桜に似合う、いつも穏やかで温かい雰囲気に包まれたクリニックとして、開業以来、多くの患者に親しまれてきた。周辺に女性医師が開業している皮膚科専門のクリニックが少ないこともあってか、女性の患者が遠方から受診することも少なくないという。幅広く皮膚科診療に対応する中でも、ニキビ治療に力を入れており、皮膚疾患とメイクの関係性などについても女性の視点でアドバイスを行っている。そんな長谷川院長に、現在の心境や患者への思いを語ってもらった。

(取材日2024年1月30日)

皮膚の悩みは何でも気軽に相談できるクリニックに

開業10周年を迎えられたそうですね。今の心境などを伺えますか。

長谷川美紀院長 さくら皮膚科1

私は香川医科大学を卒業後、総合病院、大学病院で経験を重ねさせていただいて、ご縁あってこの場所に開業しました。そもそも皮膚科を専門に選んだのは、ある程度、目で直接観察して疾患の状態を把握できる具体性と、同じ皮膚でも病気の内容によっては違う観点で治療にあたっていくという、皮膚科ならではの奥深さを感じたからです。10年前、開業した際に、皮膚に関して悩むことがあったら「さくら皮膚科に行こう」と、すぐ思い出していただける、受診しやすいクリニックにしたいと考えていました。その理想は今でも変わりませんし、実際、どんなことでもご相談していただけているので、皮膚科医冥利に尽きますね。

先生が診療で大事にし続けていることはどんなことですか?

可能な限り親身になって患者さんのお話を伺うこと、そして触られることに抵抗がない方ならば、可能な限り患部を直接触ることです。この2つをまとめると、距離の近さを感じていただける診療と言えるでしょうか。ご年配の方であれば、かゆみのある箇所をさすると安心していただけたり、小学生の子が一人で受診に来て、楽しそうに学校の話をしているのをうんうんとうなずきながら聞いたりすると、医療機関への抵抗感がなくなると思うのです。また病状を説明するときには、できるだけ医学用語に頼らず、患者さんが理解しやすいよう平易な言葉を選ぶよう心がけています。そうして診療していく中で、その方にとってベストな方法を提案することも大切にしていますね。

地域の医療機関との連携も強化されていると聞きました。

長谷川美紀院長 さくら皮膚科2

皮膚に出た症状が、実は内臓疾患の現れだったというケースも案外あるんです。大きな病院での手術が必要な疾患、または他科の受診が必要な状況などの時には、出身の横須賀共済病院をはじめ、この地域で信頼できる病院や先生を紹介するようにしています。近年では病院間の分業が進んでいますので、紹介状がなければ大きな病院にはなかなかかかれないこともあります。また、最初に行くクリニックをどこにするかで迷われる方も少なくありません。実際に、横須賀共済病院に行ってみたものの紹介状がないため、その場で「横須賀共済病院の出身者が近くでクリニックを開いています」と教えてもらって当院に来られる方もかなりおられるんです。横須賀共済病院をはじめ、開業以降、近隣医療機関との信頼関係も構築できていますので、患者さんには安心して当院を受診していただければと思います。

女性医師だからこそ、女性の肌の悩みに共感できる

どのような患者さんが、どのような主訴でいらっしゃることが多いですか?

長谷川美紀院長 さくら皮膚科3

特に多いのは、帯状疱疹でお悩みの高齢の方や、肌の変化で起きる慢性的な皮膚炎などでお困りの女性、そしてニキビの悩みで来る子どもたちですね。総合病院に勤めていた時には重症の皮膚疾患の患者さんを診ることが多かったので、開業後、「こんなにニキビで悩む方が多いのだな」と驚くほどでした。ニキビは命に関わる疾患ではないのですが、多感な思春期以降、ニキビがあることによって人前に出るのが恥ずかしくなってしまったり、自信を失ってしまったりと、生活の潤いに影響しますよね。20代から30代にかけての大人のニキビも生活習慣も含めて丁寧に話を聞き、薬の塗り方に問題がないかなど、解決の糸口をしっかり探していくようにしています。

ニキビでお悩みの方は、本当に深刻に悩まれることが多いですよね。

悩みのあまり泣き出してしまう方もいますから、たかがニキビと侮るようなことはできません。若い時のニキビをこじらせてしまうと、後が大変になるので、患者さんも私も真剣そのもの。私としてはニキビの悩みを減らすことを極めたいと思っているほどです。近年はニキビの治療薬もだいぶ進歩していますし、ほかにもニキビ用のクレンジング剤なども多く登場していますね。診療では最初に、「ニキビの治療は時間がかかりますよ。でも私と一緒に頑張れますか?」と聞いて、しっかりマインドセットをつくっていただくようにしているんです。患者さんとの二人三脚の治療が実り、肌の調子がすっかり良くなったり、表情が明るく変わっていったりといった姿を見られれば、それが私の喜びになります。

先生が女性なだけに、女性の患者さんが相談しやすいという面もありそうですね。

長谷川美紀院長 さくら皮膚科4

男性の医師に、疾患を見られたくないというお気持ちがあり、それで当院を探してお越しになる方もいらっしゃいます。例えば、顔の皮膚にトラブルがある女性にとって、どの程度お化粧ができるのかというのは、とても大きな関心事なんです。「お化粧をしたい、患部を隠したい。だけど、さらに肌荒れしないか心配」という悩みを打ち明けてくださる方も多いです。ですから私は、メイク自体で症状が悪化していない限りは、「お化粧して大丈夫。隠しても大丈夫ですよ」と背中を押すようにしています。普段、どんな化粧水を使っているかなどを聞いても、男性の医師だと使用感覚などがピンとこないこともあるでしょう。疾患とメイクについてより深く共感できるのは女性医師の強みかなと思っています。

子育ての経験を生かして、母親世代への助言も

先生は、患者さんの頼れるお姉さん的な存在なのでは?

長谷川美紀院長 さくら皮膚科5

子どもたちからすると、お母さんのような存在かもしれませんけどね(笑)。でもいろんな相談をしてくれるのがうれしいんです。受験が近い子だったら、「成績が上がらないんだけど、先生どうしたらいい?」などと聞いてきますしね。小さなお子さんも最初はおっかなびっくりだったのが、だんだんと慣れて、一人で来院され「先生、聞いて聞いて!」と話してくれたりもします。もちろんお母さんが付き添って、日々のアドバイスを聞かれるようなこともありますね。「お風呂上がりに薬を塗ろうとしたら、裸で部屋中逃げ回るんです」といったお話を伺うこともありますよ。

先生は子育て経験がおありということで、小さな子のお母さんにも共感できますよね。

ええ。お母さん方も、お仕事をしている場合もあります。何かと日々忙しい中で子育てをし、クリニックに連れてきてくださっています。その大変さは、とてもよくわかりますね。中には疲れ切っているお母さんもいますので、何とかしてあげたいとはいつも考えています。ですから、アドバイスというとおこがましいかもしれませんが、共感をしてあげて、できるだけご状況を理解して、その方ができる範疇で助言させていただいているんです。例えば、薬をうまく塗れていなくても責めるようなことはしません。心の中で「頑張って!」という気持ちを持ちながら、「寝てる間に、そっと塗っちゃいましょうか」など、自分の体験談も交えてお話しするようにはしています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

長谷川美紀院長 さくら皮膚科6

ありがたいことに開業から10年が経過し、本当に多くの患者さんに愛されるクリニックになることができたと思います。たくさんの方が当院を頼ってきてくださるのは、自信になりますし、より皆さんに役立ちたいという気持ちも湧いてきます。その分、日によってはお待たせしてしまうこともあり、心苦しいこともありますが、できるだけバランスの良い診察になるよう努めてまいります。皮膚に関する困り事、悩み事は、一人で抱えたり通院を諦めたりせず、安心してご相談くださいね。

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