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大久保 俊祐 院長の独自取材記事

あんず歯科医院

(入間市/仏子駅)

最終更新日:2026/09/02

大久保俊祐院長 あんず歯科医院 main

西武池袋線・仏子駅から徒歩5分ほどのところに位置する「あんず歯科医院」。白と水色を基調とした、一際目を引くおしゃれな外観の建物だ。待合室は広々としており、リラックスできる空間。所々に置かれたブロック玩具は大久保俊祐院長と13歳の息子との共作なのだそう。歩いて2分のところにある特別養護老人ホームの訪問診療も行い、地域住民の口腔内の健康を守り続けてもうすぐ14年を迎える。入間市仏子生まれの大久保院長に、訪問診療で感じていることや地域住民への思いなど話を聞いた。

(取材日2022年9月16日/情報更新日2026年8月25日)

丁寧な処置を心がけ、患者の恐怖心や不安感を払拭

内観・外観ともにとてもすてきですね。

大久保俊祐院長 あんず歯科医院1

ありがとうございます。この土地はもともと祖父が茶畑をやっていたんですね。その後、父がドラッグストアを始めたのですが、そこを閉めてからは何も使っていない状態だったので、2013年7月に「あんず歯科医院」を開業しました。待合室は広々としているほうだと思います。新型コロナウイルスが流行する前からこのレイアウトですが、患者さん同士が向き合うことがない造りになっているのでちょうど良かったなと思います。待合室のテーブルや椅子は移動できるので使いやすいんですよね。

来院される患者さんの年齢層や主訴などを教えてください。

開業当初は主婦の方がメインになるのかなと思っていたのですが、実際に開業したら50〜60代の男性が多かったんです。なんでだろうなと思ったら、奥さんが気になっているのだけれど、初めに歯科医院へ行くのが怖いからご主人に先に行ってもらったというパターンだったんです(笑)。ありがたいことに、ご主人方の後から奥さんとお子さんが来院されるという流れがすごく多かったですね。現在はお母さん同士のクチコミから、家族ぐるみで患者さんが来てくれています。今は予防歯科の意識が高くなっていて、若い方の受診も増えています。

患者さんと接する際、どのようなことに気をつけていらっしゃいますか?

大久保俊祐院長 あんず歯科医院2

歯科医院ってどうしても怖い、痛いというイメージがついて回りますよね。当院ではそれらをできる限り軽減できるよう丁寧な処置を心がけています。また、患者さんにリラックスして受診してもらえるよう、見た目や話し方、スピード感なども気をつけています。言葉のチョイスも重要だと思っていて、「痛い」という言葉は避けて、「ちょっと押されます」とか「ちょっと引っ張られます」という言い方をしています。同じ処置をされていても感じ方はだいぶ変わってくると思うんです。患者さんが緊張せず受診できるようホスピタリティーを大事にしています。

お子さんへの対応はどうですか?

まったく歯科医院へ行ったことがない子は、意外と普通に来院して帰っていくのですが、ほかの歯科医院で痛いとか怖い思いをしたことのあるお子さんですと、トラウマがあるので嫌がってしまいますね。白衣を脱いで目線を合わせてお話ししますが、どうしても嫌がるお子さんには無理強いはしません。その代わり、必ず次回の約束をするようにしています。うちの子も結構ハードモードな子どもでよく泣いていたので、どんなに大泣きする子が来ても大丈夫です(笑)。親御さんの気持ちがわかるので、いくらでも騒いでくださいとお伝えしたいですね。

口腔ケアをしっかり行い高齢者の誤嚥性肺炎を防ぐ

訪問診療もされているそうですね。

大久保俊祐院長 あんず歯科医院3

はい。開業して2年目に、ここからすぐのところに特別養護老人ホームが建ったんですよね。日にちは決まってはいませんが、だいたい月曜と金曜に、そこの入居者の方のお口の中を診させてもらっています。歩いて2分くらいなので24時間対応できます。よく、「夕飯を食べていたら入れ歯が割れちゃったんです」と携帯にかかってきますよ(笑)。夜に顎が外れてしまったと連絡があった時は緊急性が高いので、すぐ駆けつけましたね。

訪問診療をされる際、どのようなことに気をつけていますか?

特別養護老人ホームは全部個室なので、お家に住んでいるように過ごされているんですよね。そんな中に白衣を着て行ってしまうと、入居者の方の血圧が上がってしまうんです。なので、歯科衛生士さんにはヘルパーさんが着ているような制服を着て行ってもらったり、私も普段着で行ったりします。入居者のほとんどの方が認知症で、お口を開けてくれなかったり噛まれてしまったりといったこともあるのですが、ご家族のお話をすると開けてくださることが多いですね。「娘さんに頼まれたのでやらせてください」と言うと、「そうか」みたいな感じで受け入れてくださいます。やっぱり全然違うんですよね。入居者の方の人権を尊重して、嫌がることを無理やりすることはしませんが、誤嚥性肺炎は防ぎたいと思っています。

誤嚥性肺炎について詳しく教えてください。

大久保俊祐院長 あんず歯科医院4

誤嚥性肺炎は口腔内の細菌が誤って肺に入ってしまうことで発症してしまいます。入った瞬間にむせて咳と一緒に外へ出てしまえば問題ないのですが、高齢者ですとむせる力や飲み込む力が低下してしまうので、誤嚥性肺炎になりやすいのです。防げる病気なので、施設の方との間でとにかく誤嚥性肺炎は防ぎましょうと共通認識を持っています。そのためにはやはり口腔ケアが大切になってきます。時間によって機嫌の良い時と悪い時があるので、歯磨きを嫌がる方に関しては、機嫌の良い時に歯磨きをしていただくようお願いしています。

ご高齢の方の食事についてのお考えをお聞かせください。

食べ物を入れたら噛むということを実行できなかったり、顎の力が弱くなったりするので、徐々に食べられなくなってくるんですよね。ご自宅では普通食を食べていたのに、施設に入って2〜3年たったらソフト食といって、お豆腐のようなものしか食べられなくなってしまう方が多く、ご家族はなかなか受け入れられないようです。ご家族の気持ちもよくわかりますし、入れ歯を新しくすれば食べられるんじゃないかとおっしゃる方もいるのですが、ご本人が食べやすい食事と考えると、ソフト食やミキサー食が望ましいんですよね。普通食がいいとおっしゃる方に普通食を出しても、実際は全部食べられないことが多く、ソフト食を出すと全部食べることができるんですね。私が訪問している施設の食事はレストランの従業員さんが作っていて、ソフト食でもおいしいんですよ。

患者の希望を尊重し、そのサポートをしていきたい

お休みの日はどのように過ごされていますか?

大久保俊祐院長 あんず歯科医院5

13歳の息子と9歳の娘がいるのですが、休みの日はもっぱら子どもたちと遊んでいます。待合室にあるブロック玩具は息子との共作です。娘は猫タイプで、こちらから行くとあしらわれてしまうので、娘のタイミングに合わせて遊ぶ感じですね(笑)。息子は犬タイプで、常に私の周りでちょこちょこしています(笑)。男の子と女の子では違いがたくさんあって面白いですよ。

先生はどうして歯科医師になられたのでしょうか?

学生の時に見たドラマや漫画の影響が大きいのですが、医師や学校の先生など、「ありがとう」と言ってもらえる職業に就きたいと思っていました。どんな仕事でも、どこかしらで誰かから感謝されていると思うのですが、私は直接「ありがとう」と言われたいという願望が強かったんですよね。初めは医師になろうと思い医学部をめざしていたのですが、ちょっと難しくて、では歯学部にしてみようと(笑)。当時は医学部と歯学部の違いがよくわかっていなかったんですよね。でも実際に歯科医師になってみて、心から良かったなと思っています。歯科医院というのは、基本的に何度か通っていただくじゃないですか。その度に「この間はありがとう」と言ってもらえるんですよね。それがとてもうれしいですね。患者さんとお話しする時間が長いので、深く関われるところも歯科医師の良いところだと感じています。

今後の展望をお聞かせください。

大久保俊祐院長 あんず歯科医院6

外観や内装がおしゃれとよく言っていただくんですけど、やっていることは保険診療で本当に普通なんですよ(笑)。患者さんが求めるものを引き出して、そのお手伝いをするのが私の役目なのかなと思っています。例えばこの歯は抜歯したほうがいいと思っても、患者さんは絶対に抜きたくないとおっしゃられることがあります。その場合は、抜かないリスクをお伝えした上で、患者さんのご希望を尊重します。今後も誠実に「普通」を続けていきたいと思っています。