緑内障などが隠れているケースも
病気の早期発見に役立つ眼科検診
梅北眼科
(大阪市北区/大阪駅)
最終更新日:2024/07/11
- 保険診療
定期的に眼科に通っている人や眼科検診を受けている人は少数派かもしれない。しかし、まだ若いし、自分の目は大丈夫だと考えていても「気づかないうちに病気が進行している場合もあるので油断は禁物です」と、「梅北眼科」の野崎真世院長は注意を促す。ビジネス街の中心にある同院では、現役世代の患者に緑内障が発見されるケースを危惧し、検査や検診に力を入れるとともに、定期的な検診の大切さを訴えている。スマートフォンやパソコンワークで酷使されがちな目をいたわり、病気の早期発見・治療につなげるために、注意したい眼科疾患や受診すべき症状、さらに定期検診の重要性やその内容などについて野崎院長に解説してもらった。
(取材日2024年6月20日)
目次
たとえ気になる症状や問題がなくても、年に1回を目安に眼科検診を受けてほしい
- Q気になる症状がなければ検診を受ける必要はありませんか?
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A
目のことで何かしら症状がある場合やコンタクトレンズの定期受診が必要な方以外は、眼科を受診する機会はあまりないのが現状だと思います。しかし、自覚症状のない方が抱えている病気を、できるだけ早期に見つけることが検診の目的です。たとえ症状がなくても定期的な検診の受診をお勧めします。年に1回くらいの頻度で行われるお勤め先の健康診断では、年齢によって検査項目が異なる場合が一般的です。視力検査、眼圧測定、眼底写真撮影が主な検査項目ですが、眼科疾患の早期発見につながることもあります。何らかの指摘を受けた方は、必ず眼科受診をお願いいたします。
- Q特に注意したい目の疾患について教えてください。
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A
視野が欠ける緑内障は特に気をつけたい病気です。症状を自覚してから受診すると、かなり進んでいることが多く、欠けてしまった視野は取り戻すことができません。日本人の失明原因の1位の病気でもあるので、早期に見つけて治療を開始することが必要です。高齢者がなる病気と思われがちですが、若い方の発症も多く、働き盛りの年齢で発症される方が一定の割合でおられます。特に、強い近視の方や片頭痛に悩まされている方、血縁者に緑内障の方がおられる場合はリスクが高く、注意が必要です。20代で検査を受けたほうが良い方もおられますが、40歳を超えたら一度は検査を受けることをお勧めします。
- Q他にも気をつけたい症状はありますか?
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A
目に何らかの不調を抱えていて、それが続いている場合は、一度検査を受けてください。例えば、目薬を使っても、日常生活に注意しても、なかなか改善しない症状の一つが眼瞼(がんけん)けいれんと呼ばれるまぶたの震えです。目の疲れなどでまぶたが震えることは誰にでもありますが、眼瞼けいれんの場合は目の開閉に関わる筋肉が過度に働くことが原因で、放置すると目を開けられなくなります。眼球自体に問題がないので、特に治療を受けていない方もおられますが、目薬や注射で症状の抑制を図ることが可能です。目がしょぼしょぼする、光がまぶしいなど、ドライアイのような症状を感じておられる場合は、一度ご相談いただければと思います。
- Qドライアイは市販の目薬で対応している人も多いですね。
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A
市販の目薬で症状の抑制が図れているのなら問題ないと思います。しかし、ドライアイが原因で視力が低下して、通販でより度の強いコンタクトレンズを購入している方もおられます。こうした段階まで進む前に、ぜひ眼科を受診していただきたいですね。その方に合った目薬を使用することで、視力の安定も望めます。飛蚊症についても、症状は多彩ですが、常時見える場合や急に増えた場合は、網膜の病気の可能性があるので要注意です。大きな変化がないように思われる大人の視力も、老眼が始まる40代、白内障のリスクが高くなり始める60代を目安に変化します。何らかの変化に気づいたら受診しましょう。
- Qどれくらいの頻度で検診を受ければ良いのですか?
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A
特に気になる症状がなく、ご家族に目の疾患や糖尿病網膜症の方がいない場合は、年に1度を目安にしていただければと思います。検診では、近視や遠視、乱視を判断するために目の屈折度数を測定して、視力検査を行います。眼鏡やコンタクトレンズを使用されている場合は、適した度数かどうかも確認します。さらに緑内障の診断のために眼圧の検査を行い、眼底写真や網膜の断層写真も比較的高い頻度で撮影するのが当院の特徴です。視野検査についても、基本的に予約制ですが、急いで検査をする必要がある場合は、その日のうちに対応するようにしています。こうした検査をもとに患者さんの目の状態を診断し、必要な治療やアドバイスを提供します。