黒川 富貴子 院長の独自取材記事
くろかわクリニック
(調布市/布田駅)
最終更新日:2026/07/01
布田駅から徒歩1分もかからず到着する駅前のロータリーに面するビルに「くろかわクリニック」はある。一歩クリニックに入ると受付スタッフが穏やかな笑顔で迎え、温かい空気感にほっとするクリニックだ。黒川富貴子院長もいつも明るく笑顔を絶やさない先生。風邪やおなかの症状などの一般内科診療をはじめ、循環器疾患を専門とする院長は、高血圧症や脂質異常症、動脈硬化といった生活習慣病、胸の痛みや動悸といった胸部症状の相談まで広く対応している。「どこにかかったらいいのかわからない」という患者に対し、「医療の窓口」の役割も担う院長に、同院の診療のこと、地域医療にかける思いなどについて話を聞かせてもらった。
(取材日2026年3月26日)
温かな対応で地域との信頼を築く地元密着のクリニック
まずはクリニックの近況についてお聞かせください。

2013年の開業から新型コロナウイルス感染症の流行期を経て、現在多くの患者さんに来ていただいています。患者さんの9割以上は、近隣に暮らす方たちです。高齢化が進んでいるエリアではありますが、調布駅近辺は若いファミリー層も多いことから、若い方が風邪やインフルエンザなどの感染症、おなかの症状で受診されることも多いですね。私の専門が循環器ということもあり、高血圧症や脂質異常症、動脈硬化といった生活習慣病の方もよくおみえになります。睡眠時無呼吸症候群の方やその相談に来る方も増えています。20代、30代の女性は「婦人科系で気になることがあるのでいったん内科で診てもらって、必要とあれば病院を紹介してほしい」と受診されることも。私が女性の医師ですので、同性ならではの安心感があるのかもしれません。性別年代問わず多くの方が来てくださる中で、医療の質を落とさないように常に意識しています。
院内の温かな雰囲気も印象的です。
それはスタッフたちのおかげだと思います。限られた人数しかいませんので、診療開始から毎日フル回転で診療を支えてくれています。患者さんが再受診してくださるのも、スタッフの丁寧な対応があってこそ。本当に恵まれていると思います。長年勤務しているスタッフもいて、患者さんから「いつも同じ顔で安心する」と言っていただけることもあるんです。ただ現在、お待たせしてしまう時間が長いことは心苦しく思っています。当日の順番予約を取得する予約システムを導入していますが、順番が近づいたというアナウンスがあっても、患者さんの主訴によってはお待たせしてしまうことも。患者さん一人ひとりに向き合って診療をしているため、長くなってしまうことをご理解いただきたいです。また、予約が取れないと診療を受けられないわけではありません。待ち時間はかかってしまいますが、予約なしでも診療いたします。
頸動脈エコーなど検査機器も充実していますね。

脳梗塞や心筋梗塞のリスクを評価できる頸動脈エコーは、症状をお聞きして疑わしい場合や、LDLコレステロールがある程度の数値に達している方には受けていただいています。心エコーもありますので、心不全や弁膜症などが疑われる場合の診断に役立てています。もちろん心電計もありますし、問診で心房細動などの不整脈が疑われた患者さんには、24時間心電図を記録するホルター心電図検査をいたします。また、糖尿病の患者さんに対しては、迅速に血糖値とヘモグロビンA1cが測定できる機械を用いて治療につなげています。同時に肥満症の治療が必要な場合は、専門の医療機関と連携して肥満症治療をお願いすることも。幸いにもこの地域は大きな病院が多く、当院も複数の病院と連携しています。糖尿病の治療以外にも、緊急を要する心筋梗塞や不整脈の場合は、その場で病院へ連絡して受け入れを要請すれば引き受けていただけるので心強いです。
循環器疾患や生活習慣病などの診療も幅広く対応
胸の症状で循環器の先生にかかるメリットはどんなところでしょうか。

患者さんから伺った症状や、聴診で確認した心音などからちょっとおかしいなというときに経験に基づいた診断ができるところだと思います。例えば、心電図には現れないけど、疑わしい所見があったため、心エコーを当ててみたら弁膜症が見つかることも考えられます。心電図で問題がないからと、様子を見るだけにしないのは循環器を専門とする医師の強みだと思います。患者さんの訴えと検査結果が乖離しているときは特に注意して診ています。
患者さんが増えているという睡眠時無呼吸症候群の治療について教えてください。
睡眠時無呼吸症候群は放置するととても怖い病気です。人間の動脈血の酸素飽和度は通常は97%以上なのですが、93%くらいに低下するとかなり苦しく感じます。睡眠時無呼吸症候群を発症している方では、これがなんと睡眠中に80%台に落ちることもあるんです。この疾患を放置すると、高血圧症や心臓病、脳血管障害などを招きかねません。いびき、日中の眠気、起床時の頭痛、だるさ、頻尿などの症状がある方は、早めの受診をお勧めします。治療では、問診後に検査機器をお渡しして、ご自宅で睡眠時の状態を計測していただきます。重症の方については、CPAP(シーパップ)という機械を使用して、寝ている間の呼吸を補助します。
栄養指導も行っているとお聞きしました。

月に2回、管理栄養士の先生による栄養指導の時間を設けています。主に糖尿病、高血圧症、脂質異常症などを指摘された生活習慣病の方や、体脂肪が減らずに悩んでいる方などへお勧めしています。例えば、高血圧症を患っているけれども、炊事はご家族にお任せしている患者さんの場合、食事を作られる方が直接管理栄養士から話を聞けるシステムです。実際の食事内容を、細かなところまで相談できますよ。
こちらでは漢方薬も処方されているそうですね。
はい。冷えや不眠を訴える方や、更年期障害や生理痛など婦人科系の症状でお悩みの方には、まず漢方薬を処方しています。生活習慣病などの内科の疾患に処方する漢方薬もあるんですよ。西洋薬に忌避感を持つ患者さんにも、ご希望に応じて漢方薬を処方しています。
患者の笑顔をモチベーションに。地域医療に貢献
診療の際、大切にしていることを教えてください。

患者さんの訴えをよく聞くことです。そこから考えられる疾患をできるだけ早く見極めて、当院でできることは迅速に対応し、当院で難しければすぐに適した医療機関におつなぎしています。どの診療科を受診したらいいのわからない方も多いくいらっしゃいますので、地域での医療の振り分け係も担っていきたいですね。今はメンタル面の不調を抱えている方も目立ちますが、心療内科を受診するのはハードルが高いと思われていて、いったん内科に来る方もいます。当院で漢方薬をお出しすることもできますし、「専門の先生にお話を聞いてもらったほうがいいですよ」と背中を押すこともいたします。また、この辺りはお一人暮らしの高齢者も多く、60代でもある日突然動けなくなってしまう方もいるのです。すべての方を気にかけるのは難しいのですが、できる限り地域の包括支援センターなどと連携して、フォローをしていきたいと考えています。
地域医療に貢献する原動力は?
患者さんからの言葉ですね。元気がなかったご高齢の方が、通院するうちに笑顔を見せてくれて、「ここに来るとほっとするんだよね」と言ってくださると、クリニックを続けてきて良かったなと思うんです。ほかの世代の方からも、「先生と話せて良かった」「スタッフ皆さん良い方たちですね」と言ってもらえると本当にうれしいですね。それが原動力になっているのだと思います。またそうした期待に応えられるように、私はいつも同じ雰囲気で診療するように心がけています。イライラしたり元気がなかったりすると患者さんが逆に心配してしまいますから、「いつも同じ状態で診療をする」のは勤務医だった頃から変わらない私の信念です。
地域の方へのメッセージをお願いします。

当院はわかりやすい場所にありますし、医療の窓口として幅広い相談に乗っています。「このくらいの症状で受診してもいいのかな」「昨日も行ったけどまた行ってもいいのかな」と思う時でも気軽に受診してください。私たちは健康を守るのが仕事です。ご自身の健康状態に不安があるのならば、遠慮なく来ていただきたいです。当院でできることは限られていますが、地域の医療機関と連携を取っていますので、安心して頼ってください。

