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黒川 富貴子 院長の独自取材記事

くろかわクリニック

(調布市/布田駅)

最終更新日:2021/10/12

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布田駅前の「くろかわクリニック」は、すっかり地域に溶け込んだ存在だ。院長の黒川富貴子先生は、患者に健康でいてほしいと思うからこそ、耳が痛いと思われるような言葉でも繰り返し伝える。その一方で、患者からの訴えに対して真摯に耳を傾け、話し終えるまでは口を挟まない。診察室でもいつも明るく、朗らかな笑顔を絶やさない。だからこそ、「先生の顔を見ると安心する」と慕う患者が多いのだろう。そんな黒川院長に、クリニックの診療の特色や、専門である循環器の疾患についてたっぷりと話を聞いた。

(取材日2019年10月17日)

風邪から循環器の疾患まで幅広く対応

どのような症状で来院する人が多いのでしょうか。

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私の専門が循環器だということもあり、高血圧や高コレステロール、動脈硬化疾患といった生活習慣病の方は多いですね。純粋に循環器の領域とされる心房細動などの不整脈や狭心症、弁膜症といった病気だけで言えば、全体の3割を切るかもしれません。患者さんの9割が調布市内にお住まいの方であるような地域のクリニックですので、風邪や腹痛など、定期的な通院が必要ではない疾患の方も大勢いらっしゃいます。患者さんの男女比で言うと、6割は中学生以上の女性です。「婦人科系で気になることがあるのでいったん内科で診てもらって、必要とあれば病院を紹介してほしい」と来院される20代、30代の方も多いですよ。私が女性の医師だということで、同性ならではの安心感があるのかもしれません。

動脈硬化疾患や不整脈が疑われる場合、どんな検査をするのですか?

LDLコレステロールがある程度の数値に達している方には、頸動脈エコーを受けていただきます。というのも、頸動脈に動脈硬化が強い場合は、心臓の冠動脈にも動脈硬化が強いことが多いんです。また、心房細動も脳梗塞の原因になりますね。いずれも早期に発見すれば脳梗塞を未然に防げますので、疑わしい方には頸動脈エコーをお勧めしています。問診で心房細動等の不整脈が疑われた患者さんには、24時間心電図を記録するホルター心電図検査をさせていただきます。幸いにもこの地域は大きな病院が多く、当院も複数の病院と連携しています。緊急を要する心筋梗塞や不整脈の場合は、その場で病院へ連絡して受け入れを要請すれば引き受けていただけるので、心強いです。

漢方も処方しているそうですね。

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はい。冷えや不眠を訴える方や、更年期障害や生理痛など婦人科系の症状でお悩みの方には、まず漢方を処方しています。講習会へ積極的に参加して学んでいますので、近年は使用率がますます高まってきました。生活習慣病などの内科の疾患に処方する漢方もあるんですよ。患者さんの中には、薬に対して懐疑的で、薬を処方しても服用してくださらないけれど、体に害が少ないイメージがある漢方なら飲んでくださる方もいらっしゃいます。薬とは不思議なもので、患者さんが半信半疑で服用した場合には思うように力を発揮できない場合もあるんです。だからこそ、医師による丁寧な説明が欠かせません。

治療は患者自身の「治そう」という意志から始まる

禁煙治療について教えてください。

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禁煙治療は、風邪などの病気とは異なり、患者さん自身の意思がとても大切です。そのために、まずは保険適用かどうかの判断も兼ねてアンケートに記入していただきます。その回答を踏まえて禁煙の必要性を説明し、患者さんの「頑張りたい」という気持ちを確認した上で12週間の治療を始めます。当院では基本的に内服薬を用いた治療を行っています。患者さんの中にはタバコをやめても、ストレスや付き合いなどから再び吸ってしまう方もいらっしゃって、そういう場合は、なぜ禁煙に失敗したのかを患者さんと話し合って、ご自身で答えを出していただきます。禁煙できないのはニコチン依存症という病気です。しっかりと治療をしていく必要があります。

喫煙のリスクはやはり大きいのでしょうか。

はい。喫煙期間が長ければ長いほど、体に悪影響を及ぼします。いろいろな種類のがんのリスクが高くなるほか、糖尿病やメタボリック症候群、不妊症の原因にもなります。また、受動喫煙のリスク、特に子どもへの影響は計り知れません。一度肺気腫になってしまうと、いくら禁煙をしても元の状態に戻すことはできず、悪化させないようにすることしかできません。しかし、不整脈や高血圧など循環器系の疾患に関しては、喫煙をやめることで改善に向かうケースも多いんですよ。女性の方なら、美容への影響も心配ですよね。「30年後の影響を考えると、今やめるに越したことはありませんよ」とお話ししています。

患者さんとのコミュニケーションがとても重要なんですね。

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そうですね。医師にとって最も大切なことは「患者さんが健康体でいられるように、どれだけ説得できるか」だと思っています。薬を使用するにしても、最終的には患者さん自身の「治そう」という気持ちがなければ、治療はできません。どのような病気であっても、ご自身に病気について知っていただき、こちらからの提案に納得していただいた上で治療に入ることが大前提です。特に禁煙治療は、始めた以上は、脱落しないようにしなければいけません。患者さんには「途中で吸ってしまってもいいから、最後の12週目まで来てくださいね」とお話しします。家族に勧められても禁煙治療を始められない方もいらっしゃる中で、行動したこと自体がすごいこと。禁煙しようと思って初めて当院へ足を運んだ時の気持ちを忘れないでほしいんです。

柔和で優しくて温かいクリニックでありたい

睡眠時無呼吸症候群の治療にも力を入れていますね。

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はい。睡眠時無呼吸症候群は放置するととても怖い病気なんです。人間の動脈血の酸素飽和度は通常は97%以上なのですが、93%くらいに低下するとかなり苦しく感じます。睡眠時無呼吸症候群を発症している方では、これがなんと睡眠中に80%台に落ちることもあるんです。この疾患を放置すると、高血圧や心臓病、脳血管障害などを招きかねません。いびき、日中の眠気、起床時の頭痛、だるさ、頻尿などの症状がある方は、早めに受診していただくことをお勧めします。治療では、問診後に検査機器をお渡しして、ご自宅で睡眠時の状態を計測していただきます。体位や呼吸の状態、いびきなどを計測し、睡眠時無呼吸症候群かどうかの判定を行います。重症の方については、CPAP(シーパップ)という機械を使用して、寝ている間の呼吸を補助します。

患者と接する際に心がけていることはありますか?

当院の最終的な目標は病気を治すことですが、そこへたどりつくまでに患者さんが治療をやめてしまってはまずいですよね。患者さんが受け入れやすいような、足を運びやすいような、柔和で優しくて、温かい感じの雰囲気をつくれるように心がけています。もちろん、受付をはじめとするスタッフの協力があってこそですが。患者さんには高齢で一人暮らしの方も多いので、当院へ来て、スタッフと二言三言、会話するだけで気持ちが癒やされたり、中には健診で高血圧を指摘されているのに、クリニックで計測すると正常な値になっている方もいらっしゃるんですよ(笑)。「ここに来て先生の顔を見ると、安心するんだよね」とおっしゃって。そのような言葉をいただくと、医師をしていて良かったなと思います。

読者へメッセージをお願いします。

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私の能力の限り、しっかり診させていただこうとの想いで、毎日診察に臨んでいます。疑問を感じることがあれば、些細なことでも聞いてくださいね。「こんなことを聞いていいのかな」「行ったばかりなのに、また行っていいのかな」と遠慮される方もいらっしゃいますが、なんでも気軽に相談していただければいいなと思います。そのほうが早く対処できて、重症化しないで済みますから。そして、診療にあたってもしもご満足いただけないことがあったときは、ご意見・ご要望をおっしゃってください。できる範囲でお応えしていきたいと思っています。

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