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井福 正貴 院長の独自取材記事

井福ペインクリニック

(京都市上京区/丸太町駅)

最終更新日:2026/05/19

井福正貴院長 井福ペインクリニック main

京都市営地下鉄烏丸線・丸太町駅から西へ徒歩約2分の丸太町通り沿いに「井福ペインクリニック」がある。院長の井福正貴先生は、順天堂大学医学部附属順天堂病院の麻酔科学ペインクリニック講座の助教、病棟医長、外来医長を務めた経歴の持ち主だ。体のさまざまな痛みに対応し、とりわけエックス線透視下でのブロック注射など、高い専門性が求められる治療に注力し、先進的な治療も導入している。「できるだけ負担の少ない治療で、患者さんの痛みの改善に役立ちたい」と、爽やかな笑顔を見せる。井福院長に、エックス線透視下での神経ブロックの特徴や、同院で提供している先進の治療、クリニックの診療姿勢などについて話を聞いた。

(取材日2026年4月9日)

痛みが少ない治療をめざし、安全性・確実性を追求

注力されている診療を教えてください。

井福正貴院長 井福ペインクリニック1

当院は、全身の痛みの診断と治療を提供するクリニックで、エックス線透視下での神経ブロック治療に注力しています。Cアーム型デジタル透視システムを使って針の動きをライブ映像で確認しながら、痛みの原因になっている神経やその周囲に神経ブロック注射を行います。注射の前に行う麻酔には髪の毛ほどの細さの針を使っており、ブロック注射の針が入っている時間も2、3分程度です。透視時間はわずか数秒程度なので、放射線の被ばくによる健康へのリスクもほとんどありません。治療自体は10分ほどで終わり、その後はストレッチャーで処置室のベッドへ移動していただき、しばらく安静にしていただけば終了です。

先生の診療ポリシーを教えてください。

注射が好きな人はいませんから、できる限り痛みが少ない治療をめざし、安全性・確実性を追求しています。エックス線透視下の神経ブロックのメリットは、関節や骨の隙間の通り道を見ながら適切にブロック注射を行えることです。例えば、腰椎の変形が強い患者さんの場合でも、針が刺せる部位を探して、薬液などの広がりを予想しながら対応できます。また、頸椎や上位胸椎の硬膜外ブロック、激しいぎっくり腰や慢性的な腰痛の原因となる椎間関節や椎間板の炎症に対しても、針先が到達していることを確認しながら治療できるのが強みです。さらに、針先を真っすぐに進めることで、治療時間の短縮や、痛みの軽減にも役立ちます。

新しい治療法を取り入れているそうですね。

井福正貴院長 井福ペインクリニック2

保険適用の硬膜外腔癒着剥離術を取り入れています。脊髄は硬膜と呼ばれる膜で覆われており、硬膜と背骨との間にある空間が硬膜外腔です。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の患者さんは、この部分に炎症が起きやすく、組織が癒着して慢性的な痛みやしびれの原因になります。癒着のせいで神経ブロックの薬液が必要な箇所に届かず、治療の効果も期待できません。そこで、エックス線透視で確認しながら硬膜外腔の癒着をはがすよう図ります。施術は、ラクツカテーテルという神経を傷つけないよう配慮できる特殊なカテーテルを挿入して行います。手術にかかる時間は20分から長くても30分程度です。何より患者さんの負担が小さいことがメリットの治療法で、入院の必要がなく、頸椎からの神経痛や坐骨神経痛の痛みの改善に役立ちます。できる限り痛みが少なく、安全性・確実性の高い治療を追求する、私のポリシーにもかなった治療法でもあります。

必要とする人に専門性の高い治療を提供する

腰椎椎間板ヘルニアの新しい日帰り手術も導入されたと聞きました。

井福正貴院長 井福ペインクリニック3

経皮的髄核蒸散術と呼ばれ、バイポーラカテーテルを椎間板内へ挿入し、神経を圧迫している椎間板ヘルニアの場所へカテーテルの先端からのプラズマ波を照射することでヘルニアを蒸散し神経への圧迫を減圧するための治療法です。保険適用である経皮的髄核摘出術を同時に行うことで健康保険での治療が可能となります。椎間板ヘルニアの手術には、内視鏡を使った方法や酵素注入法もありますが、いずれも入院が必要です。この方法なら日帰り手術で対応でき、痛みが少なく、傷口がほとんど残らないなど、患者さんの負担が小さい治療法です。ただし、入院手術と比較すると、確実性は若干低いので、手術に対する不安が大きい、入院を避けたいといった方にお勧めしています。

基本的な治療の進め方を教えてください。

まず診察室でお話を伺い、適していると診断した治療について詳しく説明します。受診されたその日に、患者さんにとってより適切で、効果が期待できる治療を提案・提供することが当院の基本姿勢です。治療法についてはわかりにくい部分もあるため、当院のホームページには、ブロック注射についての説明動画をアップしています。また、インターネット環境が整っていないといった方には、受付でタブレットの貸し出しも行っています。実際に治療を開始するのは、患者さんが治療について理解・同意されてからです。いきなりブロック注射をすることはありませんので、安心いただければと思います。

患者さんはどのような方が多いですか?

井福正貴院長 井福ペインクリニック4

30~40代の若い方から、100歳を超えた高齢者の方まで幅広く受診されます。若い方はぎっくり腰や片頭痛など、急な痛みでのご相談が中心ですね。骨や関節は年齢とともに変形を起こしやすく、腰や首、肩、膝の痛みでお困りの方もたくさん来られます。また、帯状疱疹後の神経痛なども多く診療しています。最近は、当院の新しい治療法のことをホームページで知り、大阪や滋賀から相談に来られる方も増えています。

受診する際は予約が必要ですか?

できる限りスムーズに治療を提供できるよう完全予約制で診察させていただいております。また、予約のキャンセルや変更を希望される場合は、当日の朝9時までのご連絡を強くお願いしています。しかし、神経ブロックをはじめ、当院が注力している治療は時間がかかり、医師が私一人という体制なので、対応できる患者さんの数が限られます。必然的に予約の枠も限定されています。直前のキャンセルや無断キャンセルが発生すると、その時間にはどなたにも治療を行えず、痛みに悩む他の患者さんの受診機会を奪うことにもなりかねません。今年の6月から厚生労働省からの通達により医療機関における予約の直前・無断キャンセルに対しキャンセル料の徴収が可能となりました。当院でも患者さんの治療機会の損失を防ぐために導入をさせていただきますので、誠に恐縮ではございますが、ご理解・ご協力いただきたいと思います。

長引く痛みに対する治療の可能性を広げたい

痛みを抑えるためには継続的な通院が必要ですか?

井福正貴院長 井福ペインクリニック5

1回の注射で痛みの軽減が見込める場合がある一方で、数回にわたる来院が必要な場合もあります。ヘルニアや脊柱管狭窄症、坐骨神経痛は、骨の変形など痛みの原因が改善されなくても、神経の炎症が落ち着くことで痛みが軽減します。神経ブロックは、たき火を水で消すのに似ていて、炎の状態を確認しながら水をかけるように、炎症と痛みの様子を見ながら治療を調節していきます。たき火は様子を見て確認できますが、体の中の炎症は目で見えないため、患者さんには「痛くなったら来てください」とお伝えしています。

ご自身の健康のために心がけていることはありますか?

今年で開院して13年になりますが、病気や不調で休診したことがないのです。当院のような治療を提供しているクリニックは限られており、治療も時間がかかるという状況で、私が病気になっては患者さんに必要な治療を提供できません。患者さんに予約厳守をお願いしているのに、私の都合でキャンセルしたくないので、健康管理にはかなり気を遣っています。飲酒や喫煙はせず、定期的な運動を欠かさず、早寝・早起きの毎日です。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

井福正貴院長 井福ペインクリニック6

エックス線透視下の神経ブロックをはじめ、より専門性の高い治療にさらに注力していきたいと考えています。特に、硬膜外腔癒着剥離術や経皮的髄核蒸散術、経皮的髄核摘出術は、現時点では提供しているクリニックは少ないと思うので、こうした治療を必要とする患者さんにしっかり対応していきたいですね。現在、組織の束縛が比較的少ない開業医の自由な立場を生かして、提供できる日帰り手術を増やすための取り組みを行っています。慢性的な痛みにお悩みの方、手術しか治療法がないと言われた方も、どうぞお気軽にご相談ください。