全国のドクター9,292人の想いを取材
クリニック・病院 161,124件の情報を掲載(2020年10月21日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 名古屋市中区
  4. 金山駅
  5. かとうせんとよレディスクリニック
  6. 加藤 千豊 院長

加藤 千豊 院長の独自取材記事

かとうせんとよレディスクリニック

(名古屋市中区/金山駅)

最終更新日:2020/04/01

168301

木目調のインテリアに淡いピンクのソファなど、カフェのようにくつろげる雰囲気の「かとうせんとよレディスクリニック」。金山駅北口側の大通りから一本裏道に入ったビルの5Fにあり、院長の名前を冠にしたクリニック名の看板が目印だ。総合病院で長年、手術や臨床を重ねてきた加藤千豊院長は、産婦人科系疾患であれば何でも相談できる頼れる先生。女性特有の疾患と闘う患者や妊娠を希望する女性など、それぞれの立場に立って診療をする姿勢が印象的で、取材中どんな問いかけにも率直に話してくれる様子から、相談しやすいクリニックであることが伝わってくる。経験豊富な加藤院長にこれまでの経歴や開業3年目となるクリニックの診療方針まで、じっくり話を聞いた。
(取材日2016年4月11日)

多忙を極めた勤務医時代の経験を糧に

開業に至るまでの院長の経歴を教えてください。

1

私は地元名古屋の出身で、名古屋大学医学部卒業後、そのまま名古屋大学大学院で研究生活に入りました。大学院時代には婦人科を開業していた父が病気で倒れ、実家の医院を手伝うために休学もしましたが、父を看取ってから復学し、大学院を修了。その後、名古屋第二赤十字病院(八事日赤病院)に5年、岡崎市民病院に10年、中部労災病院に12年勤務しました。父親が開業医だったこともあって、私もいつかは開業をと考えていましたが、忙しかった勤務医時代は充実していて、あっという間に時間が過ぎていきました。そして、3年前に思い切ってクリニックを開業しました。これからは今までの経験を生かし、できる限りたくさんの患者さんの役に立ちたいと考えています。

忙しかった勤務医時代についてお聞かせください。

八事日赤病院は患者数が多く、さまざまな症例の患者さんと出会いました。私も医師として駆け出しの頃で毎日必死でしたが、とても勉強になりました。その後に勤務した岡崎市民病院はさらに忙しかったですね。岡崎市内唯一の高度医療を担う総合病院ですので、あらゆる症例の手術や臨床を経験しました。朝9時から23時まで、ずっとオペ室で手術という日もありました。リスクの高い患者さんや稀な症例もあり、体力的にも精神的にも大変でしたが、岡崎市民病院での10年間は私の基盤になっていると思います。今もクリニックにさまざまな患者さんが来院されますが、ひょっとしたらという可能性も想定して、慎重に診療を行うことができるのも勤務医時代の経験の賜物です。

印象に残っている患者さんはいますか?

2

岡崎市民病院にいたときに、嵌入胎盤(かんにゅうたいばん)といって、胎盤が膀胱の中まで入り込んでしまったために子宮と膀胱の一部を切除する手術を担当したことがあります。患者さんは妊娠26週目に入っていて出血も多く、緊急帝王切開をしたのですが、赤ちゃんを取り出した瞬間に患者さんが心停止状態になりました。そこから1時間、心臓マッサージと輸血を必死に続けたところ回復しましたが、1.5万ccもの大量出血があり、大変な手術でした。無事手術が終わって患者さんを助けることができたときは本当にうれしかったですね。その後、母子ともに元気に退院する姿を見届けることができました。

あらゆる女性特有の悩みに責任を持って寄り添う治療を

クリニックの診療方針を教えてください。

3

クリニックでは設備が限られていますので分娩や手術、体外受精は行っていませんが、妊娠診断、妊婦検診(初期から中期)、不妊症、婦人科がん検診、月経不順、卵巣機能不全、子宮内膜症、更年期障害など、来院される患者さんに合わせてさまざまな診療をしています。産婦人科はもともと女性に特化した診療科ですから、あまり限定的になって専門性を追求するよりも、一人の女性に起こりうる症状に対して責任を持って、自分にできる限りのことをする医師でありたいと思っています。

どんな患者さんが多いですか?

勤務医時代の患者さんが訪ねてくることもあり、がんの手術を担当したケースなど20年来の付き合いになる方もいます。最近は、不妊症や月経不順に悩む患者さんが増えていますね。昔と比べて月経が早くくるようになったことや妊娠回数が減ったこと、女性の社会進出が進んだことなど、さまざまな要因で、女性の体への負担は増えています。年齢とともに妊娠のハードルは上がりますし、月経不順や子宮内膜症が不妊の原因となることもあります。少子化といいますが、子どもを産みたくない女性が増えているわけではなく、妊娠を望んでいてもかなわないことが多いんです。ですから、婦人科検診をちゃんと受ける必要性や、ワクチンでがんを予防すること、そして妊娠するのは簡単ではないことなど、来院された患者さんにはいろいろとお話しをします。

相談しやすい雰囲気を作っているんですね。

当院に足を運んでくれた方には何かを得て帰ってほしいと思っているんです。患者さんがメモ書きを持ってきていて、質問コーナーが始まることもあるんですよ。これを聞こう、あれを聞こうと準備して来られているようです。また、不妊治療では旦那さんと二人で来られる方もいますが、男性は聞きづらいですからね。なかなか口を開かないことが多いので、なるべくこちらか問いかけるようにしています。

不妊治療には、夫婦そろって行った方がいいですか?

4

一人で来ていただいても大丈夫ですよ。旦那さんが来院しづらい気持ちは分かりますので、一人で来ていただいても二人で治療に取り組めるようにきちんと説明します。妊婦検診でしたら、超音波などで赤ちゃんの成長がわかりますので、ぜひ一緒にお越しいただけるといいですね。

「まあ、いいか」精神で、社会貢献に意義を見出す

なぜ医師を志したのですか?

5

うちは祖父も父も医師だったんです。幼い頃から父が働く姿を見て、大変な仕事だということは理解していましたので、学生時代には他の職業に就くことを考えた時期もありました。思春期特有の親への反抗心だったのかもしれません。それでも最終的には医学部へ進学しました。そして、婦人科の開業医だった父の強い希望もあって、専攻では産婦人科を選びました。今30年以上やってきて、あらためて医師という仕事の大変さを感じています。

大変だと感じるのはどんなことですか?

人の命を預かるわけですから、その重みと責任を自覚して、社会貢献することに意義を感じて仕事をしなければいけないですね。うちの父は、開業医でしたがお金に無頓着で、「まあ、いいか」が口癖の人でした。昔は貧しくて医療費が払えないという患者さんもいましたが、そんなときも父は、人助けになるなら「まあ、いいか」と(笑)。私もその精神を引き継いでいると思いますし、私の息子や娘も医療に携わる道を志していますので、この精神を伝えていかなければいけないですね。また、開業医は年齢の割にハードな仕事ですので、これからは自分自身の健康維持にもちゃんと心がけないといけないと思っています。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

6

ちゃんと婦人科検診を受けたり、少しでも気になることがあれば早めに受診をしてほしいですね。日本では子宮頸がん患者が増えていて、特に若年層の患者数の増加は明らかです。愛知県は医師会の取り組みのおかげか、子宮頸がんの検診率が全国的に見て高いのですが、それでも海外とは比べものになりません。子宮頸がんの検査はとても簡単なものですし、早期発見につながる可能性が高いんです。子宮頸がんワクチンも画期的なものなのでもっと浸透するといいですね。また、月経不順であっても病院に行かないという女性は多いと思いますが、不妊を防ぐためにも病院にかかり治療をしてほしいと思います。子どもを産みたいと考えるなら無理なダイエット、とくに健康食品やサプリメントに頼る食生活もお勧めできません。婦人科系疾患は稀ではないことを意識して、検査や診察に気軽に訪れてほしいと思います。

Access