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下村 裕章 院長の独自取材記事

しもむら内科クリニック

(高槻市/高槻市駅)

最終更新日:2022/06/24

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「しもむら内科クリニック」はJR京都線高槻駅からも阪急京都本線高槻市駅からもバスで10分以内。藤の里停留所のすぐ前にある。院長の下村裕章先生が2012年に開院した。下村院長は母校の大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)の大学病院にて総合内科医長を務めたベテラン医師で日本内科学会総合内科専門医。同クリニックには生活習慣病の患者が多く通院しており、投薬や生活習慣の改善指導で病気のコントロールをめざしている。また、下村院長は日本東洋医学会漢方専門医の資格も持ち、西洋医学的には病名がつかない不調に悩む患者に、漢方と西洋医学の両方の良さを取り入れた治療を行う。絵を描くのが好きで、穏やかな雰囲気の下村院長に「母親を診るつもりで」という診療方針や、また漢方と西洋医学のハイブリッド治療のメリットについて聞いた。

(取材日2022年3月25日)

西洋医学と漢方のハイブリッド治療で幅広い症状に対応

2022年で開院10周年ですね。おめでとうございます。10年間を振り返られて、いかがですか。

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ありがとうございます。10年間、早かったなと感じます。毎日のクリニックでの診察に加えて、母校の大阪医科薬科大学病院でも週1回、総合診療科の外来で診察をしてきました。また、地域医療研修として研修医や学生を受け入れて指導をしたり、医療関係者を対象にした漢方セミナーの講師として日本全国に出向いたりもしてきましたね。私自身が医師としてアップデートするための勉強も続けるなど、忙しく過ごしているうちに気がついたら10年がたっていました。開院当初は地域の高齢の患者さんが多かったのですが、最近は若い患者さんも増えてきた印象です。若い方は自分に合う治療をインターネットで検索して、当院を選んでいただいているのではないかと思います。このエリアには医療機関が多いので、選んだ上で来ていただけるのはありがたいことですね。

現在はどんな主訴が多いですか。

中高年から高齢の方の高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が多いです。そうした患者さんにはレントゲン、心電図や採血などの検査を院内で行い、受診当日に結果をお知らせできるようにしています。また、めまいや痛み、しびれなどの不定愁訴を訴える方も来院されますね。そうした方々は漢方治療を希望されることも多いので、時間をかけて問診を行い、漢方的な体質や病能を示す「証」を判断し、それに従って治療方針を決める「随証治療」で漢方薬を処方します。不定愁訴以外でも、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー性疾患も漢方薬で改善をめざせるケースがあるので、ぜひ相談してほしいです。

先生が漢方を取り入れられた経緯をお聞かせください。

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若い頃は、漢方薬は「エセ医学」のようであまり期待できないと考えていました。しかし、自分が慢性じんましんになり、ステロイドを含む西洋医学の薬を飲んでもまったく良くならないと感じたときがあり、試しに漢方薬を飲んでみたことがあったんです。それが漢方薬の有用性に気づくきっかけになりました。それ以降、「様子をみましょう」となっていた、西洋医学では手詰まりになっていた患者さんたちを助けてあげたいとの思いから一念発起し、独学で漢方について勉強したのです。患者さんと漢方治療に取り組む過程で、私自身もハッピーな気持ちになれると思いました。漢方の勉強・治療が面白くて仕方がなくなり、気がついたら漢方セミナー講師として全国を飛び回ることになっていましたね。現在は日本東洋医学会の代議員も務めています。

母親を診療するつもりで患者に接する

生活習慣病の患者さんが多いそうですが、どのように向き合っておいでですか。

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服薬していただくケースが多いのですが、第一に必要なのは食事と運動の習慣を改善することです。ただ、患者さんにとってライフスタイルを急に変えるのは難しく、生活習慣病による動脈硬化で痛みを感じるわけでもないので、問題を放置しがちです。しかしそれでは良くないので、自分の将来を安泰に保証するために治療をしないといけないということを写真や図表を提示しながら説明します。時には、調理の仕方や調味料の使い方など、食事療法に役立つ情報提供もしているんですよ。治療方針に納得して、服薬や生活改善を続けていただくことで、病状のコントロールを良好に行えればと考えています。患者さんの中には、インターネットや雑誌が発信する情報をうのみにして治療を敬遠される方もいらっしゃいます。その場合は、なぜ食事療法や薬物治療が必要であるのかを、できる限りの時間を使って納得していただけるように説明しています。

医療関係者向けの漢方セミナーにも携わっておられるそうですね。

漢方に関心のある医師や薬剤師向けの講演を行っています。以前は全国に出向いていましたが、今はコロナ禍のため、多人数で集まってお話しする機会は減りました。しかし、オンラインでのセミナーなら、平日などの私の休診日でなくても講演を引き受けられますし、地方の先生方も参加できるようになり、メリットを実感していますね。できるだけ同じ講演をしないために、毎回スライドを工夫するのは大変ですが、やりがいを感じています。患者さんが漢方治療を望んでいても、専門の医師にかかれなくて、仕方がなく市販の漢方薬を服用するケースは少なくないでしょう。そんな患者さんのために、漢方薬を熟知した医師が診察して、症状や体質に合う薬を処方できる場所が増えるように、今後も啓発や教育活動を続けていきます。

患者さんに接する際に心がけていることを教えてください。

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研修医時代の恩師の言葉、「If this patient is your mother?」を座右の銘にしています。この患者さんがもしあなたのお母さんだったらどう治療していくべきなのか、という問いかけであり、若い頃からずっと大事にしてきた重い言葉です。恩師は残念ながら、志半ばで亡くなってしまいました。生前に「弟子はな、師匠を乗り越えないといけないんや」と言われ、弟子として認めてくれているのだと思い感無量になった経験があり、その感激を今も糧にしています。そして、「この患者さんに最も有益な治療はなんだろう」と考えながら、お話をよく聞き、相談に乗り、時にはお願いをしたり、指導したりしながら毎日診療にあたっています。これからも「身内だったらどう治療するのか」と自分に問いかけ続けて、すべての患者さんに実りのある表情で帰っていただけるように努めていこうと思います。

あふれる医療情報に流されず、まずは相談してほしい

明るく居心地の良いクリニックですね。先生のアイディアが反映されているのですか。

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元気を引き出せる色として、クリニックのテーマカラーをオレンジにしました。看板やホームページもオレンジを基調としています。また、患者さんの心が落ち着きゆっくりと過ごせるようにと思って、観葉植物をたくさん置いたり、待合室を広めにしたりしました。車いすでも来院できるように、玄関までのアプローチやトイレはバリアフリーになっています。自分自身も絵を描くことがあるのですが絵画鑑賞も大好きなので、お気に入りの画家の代表作を診察室や待合室に掲げてあるんですよ。

先生が描いた絵も飾られていますね。

子どもの頃は図工や美術の授業が大好きで、小学3年~4年生の時は油彩を習っていました。ずっと続けたかったのですが、高校生の時に選択科目で美術を選べず……。それ以後、旅行先で簡単にスケッチする程度で、絵は描いていなかったのです。しかし、5年くらい前に地域の医師会に美術部ができたので、参加することにしました。中学生以来40年ぶりに描いた絵は、診察室に飾ってあります。受診した際に、ぜひ見ていただいて感想をいただけるとうれしいです。それ以外にも有名な絵画を模写したものが飾ってあるので、探してみてください。

患者さんや読者へのメッセージをいただけますか。

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今は健康や医療に関するさまざまな情報に、簡単にアクセスできる時代です。そのため、誤った情報、体質や症状に合わない情報をうのみにしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。その結果、症状が重くなったり治らなくなったりするのが心配です。気になる症状があるときは、まず当院にご相談ください。一人ひとりの患者さんにとって適切な治療を提案できるように、また、日々進歩する医療に置いていかれないように、研鑽を積んで自分自身を常にアップデートし続けていこうと思います。地域密着型のクリニックとして、患者さんの役に立てたらうれしいですね。

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