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東 永廉 院長の独自取材記事

大和外科・整形外科医院

(横浜市中区/山手駅)

最終更新日:2026/10/13

東永廉院長 大和外科・整形外科医院 main

1970年に「大和外科・整形外科医院」を開院し、半世紀にわたり、中華街で働く人や地域住民の健康を外科・整形外科の立場から支えてきた東志文(とう・しぶん)前院長。その思いを引き継ぎ、2021年に院長に就任したのが、大学病院で診療に携わってきた東永廉(とう・えいれん)院長。専門は脊椎疾患で、同院では骨粗しょう症による圧迫骨折、脊柱管狭窄症など脊椎の病気、変形性膝関節症、頚椎症などによる首の痛み、椎間板ヘルニアなどによる腰の痛み、五十肩など幅広い診療に対応している。地域のかかりつけ整形外科として、高齢者の健康寿命を延ばすための取り組みにも力を入れている永廉院長に、診療にかける想いや同院の歴史や特徴について聞いた。

(取材日2026年9月8日)

中華街で働く人や近隣住民の健康を支えてきた前院長

クリニックの歴史について教えてください。

東永廉院長 大和外科・整形外科医院1

前院長である父は旧満州のハルビン市出身で、祖父は洋服店を経営し、祖母は小学校の教師でした。長男の父に、祖母は「お医者さんになってほしい」とよく話していたそうです。高校卒業後に終戦になり、中国では内戦が起こり、大学もいつ再開されるのかめどがたたない状態でした。一方日本は、終戦翌年には大学教育が再開されたと聞き、日本で医者をめざそうと考えた父は、アルバイトをしながら勉強し、1947年に慶應義塾大学医学部に入ることができました。医学部在学中も、ハルビンから引き揚げてきた友人たちが支援してくれたおかげで、無事に卒業して外科医師になることができたのだと思います。またその頃、もともと香港からの留学生だった母と知り合い、結婚しました。大学卒業後は、大学病院の外科医局員として肺結核の手術などを手がけ、その後、相撲の力士の治療などで知られる赤坂の前田病院に勤務していました。

どうして山手で開業されたのですか。

志文前院長は東京での生活が長かったので、都内で開業するようにと友だちにも薦められたそうですが、「華僑の人たちのために少しでも役立ちたい」と考え、中華街に近いこの山手で開業しました。「医療には国境や思想は関係ない」「患者は誰でも平等であるべき」というのが、父の信念です。開業当時の山手は、地域のクリニックが少ない時代でしたし、日本語の不自由な老齢の華僑の人たちは異国で心細いだろうと思ったのです。ちょうど横浜の市電が廃止になり、桜木町からJR根岸線の山手駅ができた頃で、その時代から比べると横浜もずいぶん発展し、にぎやかになったと思います。

長年、診療に携わってきた前院長の思いを聞かせてください。

東永廉院長 大和外科・整形外科医院2

志文前院長は開業して間もなく、国籍を取得して日本人になりました。日本人はとにかく真面目で、さまざまな職業の人が一生懸命に仕事に取り組み、努力する。しかも他の国にもその技術を広めて貢献するところが素晴らしいと思っています。昔の中国も、歴史的な道徳を大切にして真面目な人が多かったと思います。当時の父は、日本語が難しくてかなり苦戦したそうですが、無事医師になれたようで本当に良かったです(笑)。開業医は、日々の診療で患者さんから多くのことを学んでいくので、開業してからの努力で成長していけたのだと思います。

半世紀以上にわたる歴史を受け継ぎ、地域医療に貢献

院長に就任するまでの経緯を教えてください。

東永廉院長 大和外科・整形外科医院3

父の背中を見て育ち、一番身近な職業であった外科医師になりました。大学病院時代は、大学で准教授まで務めて、2017年にこちらに戻り、2021年に院長に就任しました。専門は脊椎で、大学病院では、主に脊柱管狭窄症、ヘルニア、靭帯骨化症の手術を手がけていました。当院は「町のお医者さん」なので、幅広く診療を行っています。山手は下町的で商店街があり、近所付き合いも盛んな住みやすいところです。高齢者の方も多いですが、本牧通りはバスの便がいいので、集合住宅も多く、若い方も目立ちます。子どもの頃からよく知っている地域の皆さんに、健やかな毎日を過ごしていただけるように私もお役に立ちたいと思っています。

診療面にはどのような特徴がありますか。

骨粗しょう症による圧迫骨折、脊柱管狭窄症など脊椎の病気、変形性膝関節症や、頚椎症などによる首の痛み、椎間板ヘルニアなどによる腰の痛み、五十肩、腰痛など幅広い診療を行っています。保存的な治療が中心で、高齢でご自分で爪が切れなくなった方の爪切りなど、日常的なお悩みにも対応しています。マイクロ波やけん引、レーザーなどを活用した保存的な理学療法も行っており、新型コロナウイルスの流行を機に、新しい機器も導入しました。日頃から健康寿命を伸ばすための診療を心がけているのも特徴で、例えば、高齢の方には1、2週に1回、通院をして、リハビリテーションを受けてもらうことで歩行能力の維持をめざしていただければと思っています。また、長年、大学病院で診療してきた経験も生かし、近隣の病院の先生方との連携体制も整えています。

力を入れている治療について教えてください。

東永廉院長 大和外科・整形外科医院4

注力しているのは、まず、骨粗しょう症診療ですね。骨密度検査の受診率が低いことが課題となっていますので、当院では、他の主訴で受診された方にも骨密度検査をお勧めしています。若い方でも10代20代で運動をしていない人は骨密度が低く、骨粗しょう症の可能性があるので注意が必要です。治療では、注射療法なども開発されていますので、骨密度や年齢、生活環境に配慮して、その方に合った続けやすい治療をご提案しています。また、骨粗しょう症による圧迫骨折を起こした方には、義肢装具師と連携した装具療法を行っています。腰痛などに対しても装具療法を行っていますので、お悩みの方はご相談いただきたいですね。

健康寿命の延伸をめざし、高齢者の診療や指導にも注力

先生の診療方針についてお聞かせください。

東永廉院長 大和外科・整形外科医院5

当院は高齢の患者さんが多いので、骨粗しょう症や腰や膝の疾病、骨折などが多く、保存的な治療や、痛みを取るための治療法を中心に、リハビリを受けていただくケースも多くなっています。そのため、診療の際は、大学で私が執筆したテキストなども資料として見せながら、患者さんにわかりやすく説明し、理解していただくことを心がけています。また、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)が注目されているように、日頃の姿勢と運動は大切で、特に足の筋肉を鍛えることが重要だと考えています。ですから、高齢の患者さんにも、寝たきりにならないために毎日歩くことや、姿勢を良くして背骨の安定を保つことの指導を心がけています。

専門の立場から気になることがありますか。

40歳を過ぎると1年に1%ずつ筋力が落ちていくといわれています。将来寝たきりにならないように、元気なうちから、水中ウォーキングや足踏み、散歩などの運動を心がけていただきたいですね。また腰や膝が痛いとき、最初から整体院などを受診すると、エックス線などの検査を行わずに治療や施術に入ってしまいます。まれに重篤な病気の場合もあります。特に、中高年以降は、何らかの疾患が痛みの原因となっていることも少なくないので、まずは、整形外科を受診していただきたいですね。

ところで、院長のプライベートな部分も少し聞かせてください。

東永廉院長 大和外科・整形外科医院6

院長になって、患者さんやスタッフに対して責任がありますから、自分自身の健康にはとても気をつけています。風邪など感染症もしっかり予防していますし、お酒の量も減りました(笑)。私自身の健康寿命を延ばすために、診療の合間に時間を見つけては、スクワットや懸垂、腕立て伏せなどをしています。忙しい毎日ですが、気分転換は3匹の愛犬と過ごす時間ですね。

読者へのメッセージをお願いします。

整形外科は痛みの治療の専門家です。適切な診断に沿って、薬物療法、装具療法、リハビリ、神経ブロック注射、手術等の治療が行える科です。痛みや不具合を感じたら、整形外科で診断に基づいた適切な治療やリハビリを受けていただきたいと思います。多くの疾患は、手術をしない保存的な治療で対処することができますので、もしお困りのことがありましたら、一度お訪ねいただければと思います。高齢の方には、趣味やスポーツ、散歩など何か楽しみを見つけて、積極的に外に出て歩いてほしいなと思います。定期的にリハビリを受けることもお勧めです。気軽に受診していただいて、一緒に健康寿命を延ばすことをめざしましょう。