早い段階から歯科医院に慣れて
定期的に通院することが大事
たじま歯科クリニック
(高槻市/高槻駅)
最終更新日:2025/03/11


- 保険診療
子どもを持つ人なら誰もが、わが子の歯が健康に育ってほしいと願う。とはいえ、成長段階の歯の健康を守るために、具体的にどうすればいいのか、何を避けるべきなのか、わからないことも多い。インターネットなどでたくさんの情報が手に入ることで、どれを信じていいのか迷うこともあるだろう。そんな時は、歯と口腔内の専門家である、歯科医師に聞くのが正解だ。「虫歯などのトラブルを予防するためには、いつから歯科医院に通うべきなのか? 日常生活ではどのようなことに気をつければいいのか?」など、子育て中の人が知りたいポイントについて、予防歯科に積極的に取り組む「たじま歯科クリニック」の田島直人院長に詳しく聞いた。
(取材日2022年9月26日)
目次
子どもが受診しやすくリラックスできる雰囲気。定期的な検査と早めの処置で育ち盛りの歯を守る
- Q子どもをいつから歯科医院に通わせるか悩んでいます。
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A
▲子どもが怖がらず通えるよう、診療時の環境にも配慮している
1歳半〜2歳くらいになって歯が生えてきたら、そろそろ受診のタイミングだと思います。通院の一番の目標は、虫歯をつくらないことです。虫歯になる前に歯医者さんに慣れてもらうためにも早めの通院開始が良いですね。フッ素の塗布や磨き残しのチェック、歯磨きのアドバイスなどを通して、虫歯になりにくいお口の環境を整えるためのアプローチができます。また、虫歯ができてしまった場合も、早い時点で対応できるので治療が大がかりになりません。お子さんのお口の健康を守るために、不安を感じながら対処していくのは本当に大変だと思います。不安や疑問に感じることがあるなら、ご自身で対処するよりも歯科医院を積極的に利用してください。
- Q虫歯などがあると歯並びにも影響するのでしょうか?
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A
▲子育て経験のあるスタッフが多く、積極的に子どもと話すそう
虫歯が直接歯並びの乱れにつながるケースはあまりありません。しかし、虫歯などで歯が抜けたままにすると、スペースができ歯が動いてしまうことで、歯並びに影響する可能性があります。自然な生え替わりで一時的でない限り、歯がない状態が続いている場合は要注意です。また、虫歯を放置すると下から生えてくる永久歯の生える方向に影響をもたらすことがあります。大切なのは、お口の中を健康な状態に保って虫歯をつくらないこと。また、抜けてしまいそうな歯がある場合も、歯科医師が診れば、どれくらい歯を持たせ、どの時点で抜いたほうがいいのか判断できます。歯並びが気になる場合も、早めにご相談いただければ悪化する前の対処が可能です。
- Q子どもの歯磨きのポイントを教えてください。
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A
▲子どもが待ち時間に退屈しないようキッズスペースも完備
口の中に歯ブラシを入れることに慣れてもらうため、早い場合は1歳半頃からシリコン製のおもちゃの歯ブラシなどを使っても良いでしょう。その段階が過ぎると、指にガーゼなどを巻いて磨いてあげます。大人と同様に、食事ごとに磨いてあげるのが理想です。当院では、歯科衛生士がブラッシング指導を行っており、歯磨きの際のお子さんの姿勢や虫歯ができやすい場所などについてもレクチャーします。その後は、大人が仕上げ磨きをしてあげる段階になります。小学校の前半は大人の歯に生え替わる時期で、同時に虫歯ができやすい時期でもあるので、早くても9歳まで、できれば小学校を卒業する頃までは仕上げ磨きをしていただきたいですね。
- Q小学校高学年から中高生の虫歯が増えているそうですね。
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A
▲定期受診で子どもの虫歯予防に努める
この時期は塾に通い始めたり、友達同士で食事をすることが増えるなど、保護者による食事の管理が難しくなる時期です。また、クラブ活動の際に飲むことも増えるスポーツ飲料の中には、想像以上に多くの糖分を含んでいるものがあるので、虫歯のリスクが高くなります。他にも、お口の健康に影響する習慣や癖はありますが、あまり厳しくするとお子さんに負担がかかってしまいます。習慣や癖による悪影響を早期発見し、適切な対処をするためにも、定期的な受診をお勧めします。お子さんの定期健診は3ヵ月~4ヵ月に1度、1回30分~45分程度ですので、時間的な負担も少ないかと思いますよ。
- Q歯医者さんが苦手な子どもなので通院に不安があります。
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A
▲虫歯をつくらないよう、定期的に受診してほしいと語る院長
当院の場合、緊張をほぐすためにスタッフが積極的にお話しするよう心がけており、子育て経験者も多いので、お子さんとのコミュニケーションは得意だと思います。4歳くらいまでのお子さんなら、診療ユニットではなく低めの椅子や歯科衛生士の膝の上で診ることもあります。また、初回からいきなり治療することはほぼありません。歯科医院が苦手で治療を受けられないお子さんは多く、無理矢理に治療を行うと、歯科医院や診療に対する恐怖感が植えつけられて、さまざまなケアもできなくなりますからね。治療を行う場合は、麻酔注射など見た目に怖いものは目にふれないようにして、できるだけ痛みを感じさせないように配慮しています。