病気を治すだけではない
「学べる」新しいかかりつけ医とは?
仁愛堂クリニック
(江戸川区/平井駅)
最終更新日:2026/04/08
- 保険診療
- 自由診療
生活習慣病で定期通院していたにもかかわらず、ある日突然、胃がんや大腸がんが見つかるケースは決して珍しくない。「きちんと通っていたのに、なぜ見つからなかったのか」そう感じる人も多いだろう。実はこれは、日本の医療が病気ごとに分かれていることや、保険診療を中心とした仕組みの中で起こりやすい問題だ。「仁愛堂クリニック」の小林俊一院長も、総合病院勤務時代に同様の患者を数多く診てきた。だからこそ同院では、一つの症状だけでなく体全体を診る「全人的な医療」を重視。主訴の治療に加え、無症状の段階での異常や将来のリスクにも目を向け、必要な検査や予防を提案し、患者自身が理解し行動できるよう支援する。病気を治すだけでなく、健康を守るために学ぶ――新しいかかりつけ医の在り方について、話を聞いた。
(取材日2026年3月13日)
目次
日本の新しい医療モデル「健康教育型プライマリケア」とは
- Qなぜ「体全体を診る医療」を実践しているのですか?
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A
▲症状の背景にある生活や価値観まで丁寧にくみ取る診療
私は以前、総合病院の消化器内科で勤務し、進行した胃がんや大腸がんの患者さんを数多く診てきました。本来、胃がんはピロリ菌除去、大腸がんはポリープ切除で、発症リスクを大幅に下げることが望める病気。それにもかかわらず、生活習慣病で定期的に通院していた方にすでに進行した状態でがんが見つかる。そうした現実を目の当たりにしてきました。背景には、現在の医療が「症状のある病気」への対応が中心となり、無症状の段階での予防や検査が後回しになりやすい現状があります。この経験から私は、一つの病気だけでなく体全体を診る医療の必要性を強く感じ、主訴の治療にとどまらず、生活習慣や将来のリスクまで含めて診療を行っています。
- Q体全体にアプローチする検査体制も整えていると伺いました。
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A
▲AI内視鏡をはじめとする先進的な検査機器を導入
重大な病気を見逃さないためには、一つの検査だけでは不十分です。症状がない段階では異常が見過ごされやすい現状を踏まえ、当院では、無症状で進行する異常や将来のリスクまで見逃さないよう診療を行っています。内視鏡検査や超音波検査、心電図検査などを組み合わせ、現在の症状だけでなく、背景にある病気まで多角的に評価します。生活習慣病の方には、動脈硬化の評価や必要に応じたがん検診や予防接種をご提案しています。症状がない段階での検査は保険適用外となる場合もありますが、将来の健康を守り、重症化を防ぐことで治療の負担や医療費の軽減にもつながる重要な選択肢です。
- Q患者さん自身が知識を身につける必要があるのですね。
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A
▲検査結果や病気の仕組みをわかりやすく伝える
多くの病気は、気づいたときにはすでに進行している場合があります。特に、がんや動脈硬化に関連する病気は、自覚症状がないまま進行し、突然発症することも少なくありません。胃がんや大腸がんも、早期に見つかれば内視鏡での治療が可能で、体への負担を抑えられますが、進行すると手術や抗がん剤治療など大きな負担を伴う場合があります。さらに、一度治療を終えた後も、再発のリスクに不安を抱えながら生活していくことになります。同じ病気でも、発見のタイミングで人生は大きく変わります。だからこそ、将来の大きな病気を防ぐためには、症状がない今のうちに正しい知識を持ち、適切な検査や予防を自分で選択し行動することが重要です。
- Q健康教育を行う上で、どのような点に気をつけていますか?
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A
▲生活習慣や家族背景まで含めた総合的な視点で患者と向き合う
最も重視しているのは、患者さんの行動が実際に変わることです。知識をお伝えするだけでは行動につながりにくいため、「このままだと将来どうなるのか」を具体的にイメージできる「未来がわかる資料」をお渡ししています。言葉だけでなく「自分の未来が具体的に見える」ことで、初めて意識が変わり、行動につながります。また、医師だけでなく、看護師や事務など多職種が繰り返し情報をお伝えすることで、自然と患者さんの健康意識が高まる環境を整えています。診察のたびに理解を深め、最終的に患者さん自身が自分や家族の健康について考え行動できることをめざし、チーム全体で「私と家族のかかりつけ医」と思っていただけるよう努めています。
- Q健康の輪を広げるために、どのような取り組みをしていますか?
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A
▲家族ぐるみで安心して通える「かかりつけ医」をめざす
健康は患者さんだけでなく、ご家族も含めて守っていくものだと考えています。そのため当院では、診察時にお伝えした健康知識をご家族とも共有していただくようお声がけしています。ご家族の勧めをきっかけに検査を受け、早期発見につながったケースもあるそうです。身近な家族からの一言が行動につながることは少なくありません。このように家族へと健康意識が広がることで、予防や早期発見の機会も増えていきます。さらに医療機関との連携も進め、将来的には地域全体で支える医療体制の構築をめざしています。健康教育型プライマリケアという新しい医療モデルを地域に広げ、より多くの方の健康を支えていくことが、当院の目標です。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃内視鏡検査/2万2000円、大腸内視鏡検査/2万8600円、胃・大腸内視鏡検査/4万8400円 ※詳細はホームページをご確認ください

