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稲村 恒明 院長の独自取材記事

陽和クリニック

(横浜市中区/元町・中華街駅)

最終更新日:2025/06/19

稲村恒明院長 陽和クリニック main

元町・中華街駅から徒歩3分、ブルーの外観が目印の「陽和クリニック」。稲村恒明院長は父の代から50年続く歴史ある同院の2代目。総合病院での勤務を経て2007年より院長に就任し、地域のかかりつけ医として頼られる存在になっている。勤務医時代から糖尿病の患者を多く診療してきた経験から「糖尿病の治療は継続することが大切です」と稲村院長。そのために、わかりやすい言葉で丁寧に説明し、患者自身が治療に前向きになれるように努めているという。また地域の活動として健康に関するよろず相談に応じたり健康講座の講師も務めているそうだ。高齢化が進む地域の中で要請があれば往診にも積極的に取り組んでいるという稲村院長に、趣味のカメラの話も交えながら、地域医療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2019年12月12日)

往診の受け入れなど地域のニーズにきめ細かく応えて

こちらはとても歴史のあるクリニックだと伺いました。

稲村恒明院長 陽和クリニック1

父が50年ほど前に当院を開業しました。2階が自宅になっており、私は幼い頃からここで過ごしてきましたので、この地域に育ててもらったという認識でおります。幼少からいつも父の背中を見ていましたから、気がついたら私も自然と医師の道をめざしていましたね。専門は父と同じ内科を選択し、特に勤務医時代から糖尿病の治療を数多く経験してきました。2007年に2代目として院長に就任して以来、当院でも糖尿病をはじめとした生活習慣病の治療に力を入れています。

通院している患者さんの特徴や主訴などについてお聞かせください。

患者さんはこの地域の方が中心ですね。父の代から通っていただいている方々や、引っ越しされても遠方から通っていただいている方もいらっしゃるのはとてもうれしいことですね。地域の特徴としては、何といっても高齢化が進んでいることです。全国的に言えることですが、近年は特にそれが顕著になってきていると感じますね。患者さんの症状としては内科全般ですが、特に生活習慣病に関する治療が中心になります。最近の特徴としては、高齢化が進み、通院が困難になった患者さんに対して往診を行っていることです。常時5人ほどの患者さんを往診しています。施設に入られるなどして人の入れ替わりはありますが、近年は常に5人ほど対応しており、今後はさらに増えていく傾向にありそうですね。

クリニックの診療方針についてお話しいただけますか。

稲村恒明院長 陽和クリニック2

当院があるこの場所というのは、ある意味、病院の谷間なんですよ。つまり、近隣には大きな総合病院が複数あります。ですから当院の役割というのは地域のかかりつけクリニックという立場で、まず患者さんが何か気になることがあったら最初に受診していただく医療機関だと考えています。病診連携で、必要な場合には迅速に専門病院に紹介することを心がけていますし、もちろん安定している患者さんを専門病院から受け入れる、ということもあります。また、往診のことで言いますと、横浜市には「地域ケアプラザ」というところがあり、これまで大きな病院に通院していたけれど高齢で歩けなくなった方など、通院困難な方を当院で往診してほしいという要請もあるんです。そんな場合にもできるだけお応えするようにしています。このようなきめ細かい対応というのは地域にあるクリニックの大切な役割だと考えています。

糖尿病は治療を中断せず通院を続けることが何より重要

普段の診療時に心がけていることはありますか。

稲村恒明院長 陽和クリニック3

わかりやすくお話しすることですね。例えば高齢になるにつれ耳の聞こえも悪くなる場合がありますし、患者さんによって言葉の理解度も異なりますから、患者さん一人ひとりに合わせて、言葉を選んでお話しします。専門用語はなるべく使わずに、例え話なども使ってかみ砕いて説明するように心がけています。特に糖尿病の場合、患者さんご本人の治そうという努力がなければ治療が成り立たない病気ですので、病気のことを正しく理解していただき、患者さん自身が自覚して生活改善に真剣に取り組んでいただくことが何より大切です。そのため、患者さんの生活の様子や背景など、それぞれの状況をしっかり伺い、治療に前向きに応じていただけるように、できるだけの努力はしていますね。

生活習慣病の治療で大切なことはどのようなことでしょうか。

糖尿病などの生活習慣病は長期にわたって治療が必要な病気です。ですから、一番大事なことは治療を中断することなく続けていってほしいということです。勤務医をしていた頃の話ですが、まれに通院されなくなってしまう患者さんがいらっしゃいました。治療内容に納得いかなかったり、面倒くさくなってしまったような場合、残念なことに「通院しない」という選択肢を選ばれてしまうんです。でも、糖尿病は合併症の病気ですから、治療を中断した患者さんがまた次に来られるときには大体、何らかの合併症が悪化していることが多いんですね。それは通院を継続していたらおそらく起きなかった症状で、状況が悪くなってから再開するわけですから、本当にもったいないことです。事情があって当院に来られなくても、どこでもいいですから治療は継続していただきたいですね。

院外での地域活動にも積極的に取り組んでおられるそうですね。

稲村恒明院長 陽和クリニック4

ここには地域ケアプラザがあり、身近な福祉サービスを地域住民に提供しているのですが、私はそこの協力医師となっていますので、そこから往診の相談が来たり、場合によっては区役所からの往診依頼もありますね。地域ケアプラザでは毎月2回、健康に関するよろず相談を受けていますし、春と秋の年2回、市民対象の健康セミナーも行っています。話は大体1時間くらいで、質問コーナーが30分くらいですね。毎回参加者からアンケートを取って、次回のお話のテーマを決めているんですよ。やっていることは小さなことではありますが、地域の皆さんに少しでもお役に立てれば、と思って続けています。こういう社会貢献的なことは父の代からずっと行われてきたことで、私はそれをすぐ横で見てきましたので地域のクリニックの役割として大切なことだと考えています。

今後も地域のかかりつけ医として貢献していきたい

院内にすてきな写真が飾られていますが先生が撮影されたものなんですか。

稲村恒明院長 陽和クリニック5

はい、そうです。院内にあるものはすべて私が撮ったものです。今年の夏に富士山に登って御来光を撮ったものもありますね。診察室から手前のものは、基本的に入れ替えていますが、奥側のは、あれ以上のものはもう撮れないという作品なので常設です。父もカメラが好きでしたので、子どもの頃から私もよく撮っていました。一次中断していましたが、最近ではどこへ行くのにも必ずカメラは持って出かけますね。写真撮影はいい気分転換になりますし、展示してある写真の話で患者さんと盛り上がることもあり、コミュニケーションツールとしても役に立っていますね。

今後の展望をお聞かせください。

私が父から引き継いでからかなりたちましたが、今のスタイルはこれからもあまり変わらないでしょうね。ただ、今後ますます高齢化が進むでしょうから、現在5人ほどの患者さんを往診していますが、あと5年後には10人くらいになっているかもしれません。また、現在私は火曜日と木曜日はそれぞれ別の病院の外来に行っています。ですから開業医でありながら、常勤ではないけれど病院の医師でもあるわけです。クリニックと病院と、両方で患者さんを診ているということは、おそらくいろいろなものの見方ができるようになっているのではないか、普通のドクターよりもちょっとだけ幅広い考え方ができているのではないか、そんなふうに考えているんです。その視点も持ちつつ、これからも地域のかかりつけ医として、役割を果たしていきたいと思います。それで少しでも地域の皆さんのお役に立てれば本当にうれしいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

稲村恒明院長 陽和クリニック6

今はインターネットに医療情報があふれていますが、必ずしも正しい情報だとは限りません。誤った情報で不利益を被らないように十分気をつけていただきたいです。そのために私も地域の皆さんに向けて医療講座の講師を務めたり、広報に掲載したり、正しい医療情報の発信に努めていきたいですね。また、何か気になることがありましたら、当院に気軽にご相談いただけたらと思います。

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