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大橋 俊郎 理事長、谷 知久 院長の独自取材記事

大橋・谷整形外科

(岐阜市/西岐阜駅)

最終更新日:2021/10/12

大橋俊郎理事長、谷知久院長 大橋・谷整形外科 main

岐阜県庁の南側にある「大橋・谷整形外科」は、人工股関節・膝関節置換術、およびリウマチ治療に特化した有床診療所だ。病院のような立派なたたずまい、設備面でも1.5テスラMRI、マルチスライスCTなどの機器が充実し、クリニックだということを忘れそうになる。2011年に同院を開院したのは、人工関節手術で知られる大橋俊郎理事長と、30年近く理事長に師事してきた谷知久院長。入院から手術、リハビリテーション、退院まで、経験豊富な看護師らスタッフとも息ぴったりに患者の社会復帰を支えている。取材では両先生の出会いや、同院の特徴、診療ポリシーについて語ってもらった。

(取材日2020年3月19日)

人工関節手術とリウマチの2本柱で高い専門性を発揮

お二方は、かなり長いお付き合いだと伺いました。

大橋俊郎理事長、谷知久院長 大橋・谷整形外科1

【大橋理事長】私は1975年に朝日大学歯学部附属村上記念病院に入職し、人工股関節・膝関節の手術に力を注いでいました。そこに谷先生が赴任されたのが1992年。その後、当時、胃腸内科専門病院だった山内ホスピタルに谷先生と一緒に移り整形外科を開設することになったのですが、2011年には「大橋・谷整形外科」を共同開院する運びとなりました。ですからもう30年近い付き合いになります。
【谷院長】村上記念病院の時代から支えてくれている看護師もいるんですよ。あとは人工関節メーカーで勤務した後、当院に入職するために看護師免許を取った人も。各社の中から個人個人の骨の形に合った人工関節の情報を得ることができ、とても助かっています。私自身はもともと麻酔科が専門ですが、人工関節手術に造詣の深い大橋先生とご一緒できるこの貴重な環境で、整形外科とリウマチ治療の専門性を磨きました。

開院のきっかけと、設備面でのこだわりを教えてください。

【大橋理事長】人工関節手術のエキスパートとして岐阜県内にとどまらず、東海地方でも一番をめざそうと思うようになり、そのためには設備投資や人材育成などさまざまな場面で、より自分たちの理想を追求できる環境が必要だと考えたのです。以前からリウマチ治療にも携わっていましたので、これらの専門性を2本柱にしたクリニックをつくろうと。開院にあたり、設備面にもこだわり、クリニックでありながら19床の病床すべてを完全個室に。また、空気清浄度クラス100の無菌室も2室備えました。クラス100は、手術室に用いられる中でも上位の清浄度といわれています。無菌室で手術を行い、術後は個室で過ごしていただくことで、人工関節にとって大敵である感染症から患者さんを守れるように配慮しています。

先生方の描く理想とは、どういったものですか?

大橋俊郎理事長、谷知久院長 大橋・谷整形外科2

【大橋理事長】入院から手術、リハビリ、退院まで、患者さんが安心・安全に社会復帰できるようチーム一丸となってサポートする。それが、私たちのめざすところです。その意思に賛同してくれたスタッフが集まって、今では開院当初の2倍を超える総勢約55人。医師は私の息子を含めて3人体制で、全員が日本リウマチ学会リウマチ専門医の資格を持っていますが、リウマチは谷先生がメインで診療にあたり、日本整形外科学会整形外科専門医でもある私と息子が主に整形外科を担当しています。手術は医師2人と看護師4人のチームを基本とし、谷先生には麻酔医師も兼任して全身麻酔や自己血輸血の管理をお願いしています。その他、手術に使う器械や材料を管理するスタッフも含めて、医師とスタッフが密に連携し、安全に配慮した手術を行っています。

デジタル技術を活用し、医療の精度と安全性向上へ

検査や治療に使う機器も、先進のものを導入しているそうですね。

大橋俊郎理事長、谷知久院長 大橋・谷整形外科3

【大橋理事長】1.5テスラMRI、マルチスライスCT、新型の全身用骨密度測定装置も備えています。2年ほど前には術中ナビゲーションシステムを導入しました。手術中にリアルタイムで立体的に空間把握をすることで、人工関節を入れる正しい方向や深さをアシストしてもらうことができ、より精度の高い手術をめざせます。加えて、以前から活用している術前・術後ナビゲーションでは、患者さん一人ひとりに合った人工関節のタイプ、形、大きさをコンピューターで算出し、手術計画を作成します。それに沿って手術を進めることで、精度と安全性を高めています。
【谷院長】同じく、より安全性を追求するために、術前に患者さんから採血した血液と自己血回収装置を使い、全例自己血のみで手術できることも当院の特徴ですね。

病院との違いはどこにあるのでしょうか?

【大橋理事長】当院は整形外科のみですから、持病のある方は総合病院のほうが受診のメリットがあることもありますが、整形外科としてはハイグレードな治療を提供しているという自負があります。それに、近隣には岐阜ハートセンターや岐阜市民病院があり、いざというときにはスムーズに紹介できるよう日頃から連携関係を築いています。例えば、心臓に持病がある患者さんの術前に気になることがあれば、岐阜ハートセンターに心臓の状態を調べてもらい、問題ないと判断できてから手術に臨むようにしています。
【谷院長】逆に、他院からの紹介も多いですね。特にリウマチは、手術が必要な方の紹介をよく受けています。直接ご相談にいらした患者さんに対しては、生物学的製剤を含めた先端の抗リウマチ療法を実施しながら、寛解をめざしていきます。

リハビリテーションにも力を入れていると伺いました。

大橋俊郎理事長、谷知久院長 大橋・谷整形外科4

【大橋理事長】1階は外来スペース、2階は病棟で、南館2階に入院患者さん専用リハビリ施設を新設しました。2019年には関節可動域測定装置を導入しました。動画を撮影するだけで歩行時の可動域の角度、速度などを自動で計測でき、その情報をもとに術後のリハビリ経過を3次元的に把握できる仕組みです。
【谷院長】リハビリは分析がとても重要です。そこで東海地方でも早くに導入しました。通常はリハビリスタッフがストップウォッチで歩行速度を測り、関節の可動域を角度計で計測するところ、デジタル化によって正確性や効率性がより向上したのではないかと考えています。入院直後、術前、術後、数週間ごと、退院後などと定期的に計測し、経過に応じてリハビリ計画の見直しなどを行います。

開業医として患者との末永い関係を大切に

他にはどんな方が来られますか?

大橋俊郎理事長、谷知久院長 大橋・谷整形外科5

【大橋理事長】肩凝りや腰痛など身近な症状でお悩みの患者さんも多いですね。他には、日本人女性に多い臼蓋形成不全の方が、40~60代で変形性股関節症を発症するケースがよく見られます。骨格には遺伝的なものもあり、私は過去、6人姉妹のうち5人に対して人工股関節手術を行ったことがあるんですよ。ですから、変形性股関節症の患者さんには、お子さんへの定期的な検査を推奨しています。同じく遺伝的要素のある骨粗しょう症も、当院では60代前後の女性の患者さんほぼ全員に骨密度検査を行っています。結果によってはさらに骨代謝マーカーを含めた血液検査を行い、投薬治療など状態に合った治療を行います。また、骨粗しょう症の原因の一つであるビタミンD欠乏を調べる検査もご利用いただけます。

診療において大切にしていることはありますか?

【大橋理事長】手術前はもちろん、術後、そして退院後も患者さんをフォローし、万が一何かあればすぐに対応することです。患者さんが多い大きな病院では、きめ細かにフォローし続けることは難しいでしょう。担当医が変わることも少なくありません。一方、開業医はクリニックがある限り、患者さんとのお付き合いも続きます。実際、当院には30年前に手術をした方が今もおみえになっています。かなり昔に手術をされた方は再手術が必要なことがありますし、痛みを我慢していると手術もできない状態になる場合がありますので、できるだけ早いうちに対応して、大がかりな手術になるのを防ぐことが大切です。定期的に受診していただけるよう密にコミュニケーションを取っていきたいと思います。

最後に、今後の展望をお願いします。

大橋俊郎理事長、谷知久院長 大橋・谷整形外科6

【谷院長】医療は患者さんがメインですから、患者さんに安心して受けていただける医療をめざしていきます。それにより、少しでも良い状態で日々を過ごしていただけたらうれしいです。
【大橋理事長】人工関節も含めて、これからもどんどん医療は進歩していきます。新しいものはしっかりと吟味し、患者さんにとって良いと思える治療方法や設備はしっかり取り入れていきたいと思います。そして一生、立派に使っていただける人工関節を提供して、術後の人生を楽しんでいただきたいですね。

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