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水野 千鶴 院長の独自取材記事

久保クリニック

(横浜市西区/横浜駅)

最終更新日:2021/10/12

水野千鶴院長 久保クリニック main

デパートやファッションビルが立ち並んだエリアを少し離れると、一帯にオフィス街が広がる横浜駅西口。その一角にあり、30年近く近隣の患者の健康を守り続けているのが「久保クリニック」だ。幅広い治療内容と最新の検査設備を備え、各科のエキスパートが診療にあたる、高いレベルの治療を受けられるクリニックと評判だ。多くの人に惜しまれながら逝去された久保前院長の遺志を継いで新院長に就任したのは、以前からこのクリニックで乳腺外来を担当していた水野千鶴先生。「私の専門が消化器科と乳腺です。女性が胸周りやお尻の悩みを話しづらいというときは、同じ女性として気軽に相談してほしいですね」と優しい口調で語ってくれた。多くの患者に信頼される「久保クリニック」を作り上げた久保前院長について、クリニックの治療内容、水野院長のプライベートなことまでもじっくりお伺いした。

(取材日2013年12月18日)

久保前院長の遺志を継ぎ、患者の健康を守り続ける

前院長である久保先生が亡くなられたとのこと、お悔やみ申し上げます。

水野千鶴院長 久保クリニック1

当クリニックで乳腺外来を担当させていただいていた私は、以前から久保前院長に「俺の次に、この久保クリニックをお前やらないか?」と言われていたのですが、2013年5月17日に久保前院長が肺がんであることがわかり、翌日にはスタッフと共に私も呼び出されて、久保前院長が病気であることと当クリニックの院長を私にすることを伝えられました。病気発覚の翌日のご判断、自分のことでも大変なのに、このクリニックと患者さんのことを心配して下さいました。当時、私は掖済会病院の外科に勤務していましたし、もちろんすぐには難しかったのですが、久保前院長の遺志を継ぐためにスタッフと協力しあい、また周囲の先生の理解もあって、全力で対応しました。その後、久保前院長は、11月13日に永眠いたしましたが、クリニックの一角に久保前院長の写真やお花を置いてあり、多くの患者さんが手を合わせてくださって、久保前院長との思い出話をしてくださいます。私たち医師仲間やスタッフ、多くの患者さんが久保前院長の死を惜しんでいます。豪快によく笑ってよくおしゃべりして、人情に厚い、とても楽しい方でしたから……。残念でなりません。

久保前院長と水野院長との出会いはどのようなものだったのでしょうか?

久保前院長も私も横浜市立大学医学部出身でして、常勤・非常勤と勤務形態は違いますが、横浜市大の大学病院で同時期に勤務していたことがありました。久保前院長は呼吸器外科、私は消化器・乳腺外科なので科は違うのですが、たまたまお話する機会があったときに「お前おもしろいな。俺のクリニックで一緒にやらない?」とお声がけくださいまして、当クリニックで乳腺外来を担当させていただくことになりました。あとでわかったのですが2人ともバスケットボール部でしたし、患者さんの病気を見つけて早めに治療することで患者の社会復帰に尽力したいという治療に対する志も同じで、すっかり意気投合してしまいました。先ほど申し上げたように以前から久保前院長の引退後は私が院長に就任するというお話をいただいていましたが、まさかこんなに早く、こんな形で実現してしまうとは思っていませんでした。新院長として、久保前院長の患者さんを大切にする思いや治療に対する姿勢を引き継ぎ、「久保クリニック」を守っていきたいと気が引き締まります。

水野先生が医師を志したきっかけは何だったのでしょうか?

水野千鶴院長 久保クリニック2

私の父が急性灰白髄炎、俗に「小児まひ」と呼ばれる病気の影響で少し足が不自由なのですが、熱があるからと診療所に行って「風邪でしょう」と言われて解熱したら足が動かなかったという体験談を聞きました。あとから調べたら、この診断は仕方がないことだとわかったのですが、私は「的確な診断ができる地域の医師がいないなんて」と医療に漠然とした不満を感じたことを覚えています。高校生のときに今でも大親友である友達に出会いましたが、彼女のお父さまが大学病院の教授で彼女も医師志望だったことにも刺激を受け、医師への道を考えるようになりました。元々理系の科に進学希望でしたし、的確な診断をして患者が安心できる治療を行える医師になろうと思い、横浜市立大学医学部に進学しました。

最新の検査設備と経験豊富な専門性の高い医師が行う幅広い治療内容が自慢

先生が外科医をご専門とした理由は何でしょうか?

水野千鶴院長 久保クリニック3

もともとは子どもが好きだったので、小児科を専門にできるといいなと漠然と考えていました。研修中に小児科で心臓の手術に携わる機会がありましたが、そのときに「外科手術ってすごいな」と思ったんです。ヘリコプターで息も絶え絶えで運ばれてきた小さな子供たちが手術を経て、すごく元気になって笑顔で帰っていった光景を何度もみるうちに、外科に興味を持ち始めました。小児科医も内科医も、私は消化器疾患や外科処方について勉強していなければ、正確な診断ができないのではないかと考えるようになり、消化器外科を研修し、そのまま外科医になりました。外科のスピーディーに的確な判断が求められる要素は私の性格に合っていたのだと思います。

こちらのクリニックの治療内容について教えてください。

外科、内科、消化器・乳腺外科、呼吸器科、循環器科、皮膚科を標榜しています。私の専門が消化器・乳腺外科ですので乳腺外来も受け付けていますし、他にも専門外来として心臓専門外来や皮膚科を受け付けています。さまざまな大学病院と風通しのいい、密な関係ができていますので、医療連携もすみやかに行えます。癌疼痛コントロールも得意ですので癌末期患者さんの在宅医療にも力を入れています。神奈川県にお住まいの乳がんの患者さんで、抗がん剤投与が必要でないけれどホルモン剤の投与が必要といった方には継続して当クリニックに通っていただき治療を受けていただける「がん地域連携クリ二カルパス」にも対応しています。

検査機材が充実しているんですね。

水野千鶴院長 久保クリニック4

デジタルレントゲンシステム、上部内視鏡、24時間の心電図を連続記録して不整脈を診断するホルター心電図解析装置、全身の動脈硬化の程度や動脈狭窄の診断をする動脈硬化検査装置、喘息の診断に使用するスパイロメーター、指先をセンサーにはさんで動脈血の酸素飽和度を計測するバルスオキシメーターなど、呼吸器や消化器、循環器の検査に使用する機材が揃っています。乳がんの早期発見のための検査であるマンモグラフィー用モニターは、私が乳腺外来を始めるときに導入してもらった高画質のものですし、超音波診断装置は最新のものを導入しましたので、乳腺内の腫瘤の硬さを測定することで乳がん診断に役立っています。

女性同士だから話せる悩みを気軽に相談してほしい

診療の際に心がけていることがあったら、教えてください。

水野千鶴院長 久保クリニック5

患者さんを診療するときに、「この患者さんが私の父だったら」「この患者さんが大切な親友だったら」と自分の周りの大切な人たちだと思って接するようにしています。また、クリニックに来院いただいたら元気になってもらって帰っていただきたいと思っています。特に初めての病気の治療はまさに未知の世界ですから、「怖い」と思ってしまうのは当然です。ですから、きちんと症状と治療内容を説明して不安を取り去り、病気におびえるよりも治療をがんばって行こう!と思ってもらえるようにお話をさせていただきます。一人で病気に立ち向かうのではなく、私たちクリニックのスタッフも患者さんと一緒に元気に治療に取り組んでいきますから、明るく治療に取り組んでいってもらえるようにお話するように心がけています。

先生のご趣味を教えてください。

ゴルフが好きで医師仲間とプレイするのが楽しみの一つです。気分転換にもなりますし、体を動かすのも気持ち良いのですが、なかなかうまくならないんですよね(笑)。あとはピアノを弾くのが好きですので、時々横浜市内にあるジャズバーでもピアノを弾かせていただいています。たまたま行きつけのバーでマスターとお話していたら「弾いてみる?」と言われたのがきっかけなのですが、音楽は「音楽療法」が存在するように、心を解きほぐしてくれます。外科の治療に取り入れることは難しいかもしれませんが、音楽で表現したり心ゆだねてリラックスしたりできるのは楽しいですね。

読者にメッセージをお願いします。

水野千鶴院長 久保クリニック6

女性として脂がのっている時期は30〜40代だと思うのですが、この時期に一番多い大きな病気が乳がんなんです。女性の患者さんにとって胸はデリケートな場所ですから、お話しにくい症状もありますよね。私は女性外科医ですので同じ女性同士としてお話してもらいやすいと思いますので、お気軽にご相談くださるとうれしいですね。また、専門が消化器外科なので、例えば出産後に痔になってしまいなかなか良くならないなどのお尻周りの症状や胃腸のお悩みについてもお話していただきやすいのではないかと思います。スタッフも全員女性で話しやすい人ばかりなので、お気軽に何でもご相談くださいね。

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