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新城 孝道 院長の独自取材記事

メディカルプラザ篠崎駅西口

(江戸川区/篠崎駅)

最終更新日:2021/05/17

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都営新宿線・篠崎駅西口を出てすぐ、赤地に白抜きの「メディカルプラザ篠崎駅西口」の文字が目に飛び込んでくる。その下には、「糖尿病・フットケア」の文字。ここは、2階で透析治療、1階で内科・腎臓内科・糖尿病内科の診療を行うクリニックだ。最大の特徴は、新城孝道院長が長年にわたって取り組むフットケアの外来の存在。これは、糖尿病などの疾患によって足に病変が起きるのを防いだり、既に出ている症状を改善したりすることで、壊死や切断を防ごうという目的で設置されたものだ。フレイル、ロコモティブ症候群、サルコペニアなどを予防できるよう、フットケアで足の状態を維持し、運動しやすい状態をつくって健康寿命の延伸をめざす。フットケアの専門家である新城院長に、その意義や手法について詳しく聞いた。
(取材日2021年3月25日)

足の壊疽を見たことをきっかけにフットケアの道へ

まず最初に、こちらのクリニックの機能について教えてください。

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一般内科、腎臓内科、糖尿病内科の診療を行い、2階には透析施設も有しています。糖尿病内科は私と、「篠崎透析クリニック」の三舩瑞夫院長が担当。最近は、健診などで糖尿病、およびその予備軍とされるメタボリック症候群の指摘を受けて通院される方が目立ちます。症状の経過によっては、関連病院である江戸川病院をご紹介し、そちらで手術を受けていただくこともありますね。私も週に1度は江戸川病院で診察をしていますので、患者さんの通いやすさやご希望に応じて通院先を選んでいただくようご案内しています。また、フットケアやリウマチなどを専門とする外来も開設しており、患者さんの状態に合わせてより専門的な治療を受けていただくことが可能。一般内科については、予約状況をご確認の上でご来院ください。

フットケアは、先生のご専門ですね。

はい。昭和大学を卒業した後、東京女子医科大学の総合内科での研修を経て、定年まで同院の糖尿病センターに勤めていたんです。その時、私が初めて担当させていただいたのが、糖尿病で足に影響が出てしまった患者さんでした。とある大学で教授を務めていた方でしたが、既に糖尿病がだいぶ進んでいて、足の壊疽も始まっていたんですね。糖尿病が進むと足の感覚が鈍くなるので、たこやうおのめができても気づきにくくなります。そういった病変に早く気づいてケアを始めないと、神経障害や血流障害が進んで壊死や壊疽に至り、最悪の場合は切断せざるを得なくなってしまうのです。その症例は非常に印象に残り、「こうなる前に、内科的な方法でなんとか改善できないだろうか」と考えるきっかけになりました。

そこが原点なのですね。

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その後も、糖尿病の患者さんで足に病変が出るケースを診ることが多くありました。そうした方は、ほとんどのケースでかなり症状が悪化してしまっていて、外科に行くと切断という診断になってしまう。そこで、フットケアを取り入れようと思ったんです。当時、外国では既に知られていた手法ですが、日本での認知度はまだまだ低かったですね。ここ最近はだいぶ知られるようになり、近隣の施設に入居されている高齢の患者さんが定期的にバスで通院されるようにもなりました。こうした方々には、ネイルケアや角質ケア、外反母趾などのケアを行って動きやすい状態を保ち、運動機能を損なわないようにするとともに、神経障害や腰椎疾患、血流障害の有無などを確認し、重症化する前に改善を図ります。透析を受けている方もそうした症状が見られる場合があるので、やはり早めの発見と治療が重要ですね。

病変に対する早期の正しいケアで、運動機能の保持を

フットケアは、先ほどおっしゃったような病変のケアを行うのですか。

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そうですね。糖尿病の治療では、よく食事療法や運動療法が大切だという話をされますが、先ほど挙げた、たこやうおのめなどの病変が出ていたり、血流障害が進んでいたりすると歩きたくても思うように歩けず、次第に物理的に歩くのが困難になってしまいます。そこで、当院では巻き爪などのネイルケアをはじめ角質、たこ、うおのめなどのスキンケアを行い、血流を促進して、しっかりと自分の足で歩き続けられるようサポートしていきます。足に合わない靴や歩き方の癖も足の病変を誘発し、運動の妨げになることがあるので、立位姿勢やバランス、歩き方、体のゆがみをチェックして改善を図る運動指導、靴のチェックから靴の調整、靴型装具の作製なども合わせて対応しているんですよ。

装具の作製や靴の調整も先生が手がけておられるのですか?

はい、院内の一角で私自身が行っています。普段履き慣れた靴で来ていただいて、その擦れ具合や減り具合、さらには歩き方などを見せていただくと、靴をどのように調整すれば良いのかすぐにわかりますから、加工してお返しするわけですね。大きな変形が見られる場合は、問診のあとでじっくり状況を確認し、採寸・型採りを経て靴型装具を作製します。

姿勢や歩き方は、どのようにチェックするのでしょう。

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待合室から診療室へ進む通路に、白いテープを貼り、壁に大きな姿見を設置しています。新しい患者さんがいらしたら、まずは「白い線に沿って、鏡に向かって歩いてみてください」とお伝えし、その様子をじっくりチェックした後、立った状態で体のバランスを確認すると、歩き方の癖や靴との相性、体の歪み、またそれによって痛みの出ている部分などが把握できるんですよ。目をつぶって歩いていただいたり、クリニックの外の駐車場を使って長い距離を歩いていただいたりすることもありますね。皆さん、普段の生活で歩き方を意識することは少ないと思いますが、実際にはいろいろな癖があるものなんですよ。座っている時の姿勢からわかることもありますね。

フットケアと運動指導で、健康寿命の延伸につなげる

具体的な運動の指導もなさっているのですね。

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全身の状態を把握したら、ゆがみを取るのに有用なストレッチなどを試すほか、具体的な運動のアドバイスもしています。壁や階段を使う方法や、自転車にまたがる動きで股関節の柔軟性の向上を図る方法、お相撲さんが試合前に取る蹲踞(そんきょ)のポーズなど、家にあるものや道具なしで簡単にできる方法が中心なので、誰でも簡単に生活に取り入れられ、かつ継続しやすいと思いますよ。

CKD(慢性腎臓病)の予防にもフットケアが重要と伺いました。

CKDは透析が必要になることも多いのですが、通院は患者さんにとって大きな負担です。できればそうなる前に防ぐことが望ましく、そのためには運動が大切になってくるので、運動しやすい状態を保つ方法の一つとしてフットケアは重要ですね。また、歴史的には日本人が靴を履くようになったのは最近のことですから、実は靴に関する正しい知識はあまり広まっておらず、糖尿病以外でも靴が原因でトラブルが起きることがよくあるんですよ。特に立ち仕事の方によく見られますね。靴のしわの寄り方などをヒントにして、より合った靴の選び方をアドバイスすることで、健康寿命の延伸につながればと思っています。

今後の展望についてお聞かせください。

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これまで以上に運動指導に力を入れて、フレイル、ロコモ症候群、サルコペニア、さらには認知症の予防につなげていきたいですね。運動をして筋力を保ち、転倒による骨折を防ぐことができれば、寝たきりになるリスクも軽減できるでしょう。他の疾患を抱えている方も、運動できる状態を保つことで症状悪化の防止につながると考えられますから、足の状態に不安がある方はお気軽にご相談ください。患者さんが前向きに治療に取り組めるよう、生活リズムや経済状況などを踏まえた指導を行っています。継続的に良い検査結果が出るように、生涯元気で歩き続けられるように、一緒に頑張っていきましょう。

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