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佐藤 秀俊 院長の独自取材記事

佐藤内科クリニック

(出雲市/西出雲駅)

最終更新日:2021/10/12

佐藤秀俊院長 佐藤内科クリニック main

のどかで落ち着いた住宅街に溶け込むように立つ「佐藤内科クリニック」。木のフローリングと白い壁の清潔感ある院内で、診療室には患者から贈られた手作りの人形や珍しい花の写真が飾られる、温かみのあふれるクリニックだ。出雲で生まれ育った佐藤秀俊院長は、地元に恩返しをしたいと2011年に同院を開業した。日本循環器学会循環器専門医として、総合病院や大学で培った豊富な知識と経験を地域医療にフルに発揮。心臓や呼吸器疾患、糖尿病をはじめとする生活習慣病を診る専門性を備えつつ、全身をトータルに診るかかりつけ医としての役割も担うことから、市内外から多くの患者が来院している。「ここに来れば安心。もう大丈夫」と言われるクリニックをめざす佐藤院長に、診療にかける思いを聞いた。

(取材日2021年8月2日)

地域のかかりつけと循環器内科の専門性、2つを基軸に

開業のきっかけを教えてください。

佐藤秀俊院長 佐藤内科クリニック1

私の専門は循環器内科で、大学病院や総合病院で長年診療を行ってきました。開業前は島根大学医学部附属病院でカテーテル治療の責任者として携わっており、このまま心臓血管カテーテル治療を主軸にしていこうと思っていました。しかし、2006年にこの地域にあったクリニックが閉院し、古志町の人たちは他の地域のクリニックに通わなければならなくなり、多くの方々から、ぜひこの地で開業してもらえないかという要請を何度も受けまして……。いろいろ悩みましたが、私は出雲で生まれ育ち、島根医科大学を卒業してから20年以上勤務医をしてきたので、やはり医師人生の後半は地元に恩返しをしたいと強く思い、このクリニックを開業しました。一般的な地域医療だけではなくて、かかりつけ医と循環器内科診療の専門性、2つの柱を基軸に、循環器専門の医師として培った経験を存分に生かしたいという気持ちは、2011年の開業時から今も変わっていません。

循環器内科や心臓カテーテルを専門にされた理由は何でしょうか?

島根県は高齢者が多いことから心臓の病気の方も多いと考え、循環器内科を選びました。それに、心臓の対応がきちんとできれば、目の前の患者さんがその場で亡くなってしまうということがないように対処できます。また、心不全など重症の心臓疾患にならないようにきちんと治療できることも循環器内科診療の醍醐味だと思います。心臓カテーテルを専門にしたのも同様で、狭心症や心筋梗塞など心臓で苦しんでいる人の検査から治療、その後のケアにまで関わることが可能で、検査と治療が一体化しているところに大きな魅力を感じたからです。

総合病院や大学での経験をどう今に生かしていますか?

佐藤秀俊院長 佐藤内科クリニック2

以前勤務していた日原共存病院(現・日原診療所)では、医師の数も限られていましたから、担当した患者さんは専門以外の分野も診なくてはならなかったんです。専門以外の糖尿病や喘息、脳梗塞の治療に積極的に携わり研鑽していった経験が、今とても生かされています。高血圧、糖尿病、高脂血症は循環器疾患の危険因子とされていますが、例えば、糖尿病は糖尿病専門の医師でなくても、まず自分がきちんと病状を診て進行を食い止め、心筋梗塞や狭心症といった、動脈硬化が原因の重篤な循環器疾患を起こさないための一次予防が重要です。心臓カテーテル手術で詰まった血管を通したり、狭い血管を広げるような命を救う手術も大事ですが、手術にまで至らないようにすることも大切な医師の仕事。あと高齢になると、1人の患者さんに病気が1つだけということはまずなく、ほとんどの方が複数の病気を持っておられるので、トータルに診ることも主治医の大きな役目です。

密な病診連携と先鋭の検査機器で、患者の命を守る

どのような症状の患者さんが多いのでしょうか?

佐藤秀俊院長 佐藤内科クリニック3

当院は、循環器内科のほかに呼吸器内科、糖尿病内科も診療しているので、健康診断で血圧やコレステロールが高い人、心電図で異常が見つかった人、糖尿病の疑いと診断されたという方が多く来院されます。糖尿病は健診で異常を指摘され、当院に来てくださる方が多いですね。そういった患者さんが来られると、必要な検査した上で、生活習慣の改善をはじめ、その患者さんが今すべきことは何なのかをご提案するようにしています。あと、循環器の症状で「胸が苦しい」と受診される方もいます。その場合は「どんな時にどのように苦しいか」を注視し、循環器内科の医師としての専門知識とスキルを総動員します。狭心症が疑わしい、不整脈があるなど、疾患を疑い、必要な検査をして診断をつけて、当院で治療可能であれば当院で治療を行っていきますし、大きな病院の精密検査・治療が必要であれば連携をとって紹介をします。

検査設備がとても充実していますね。

エコー、エックス線撮影装置、睡眠時無呼吸症候群の診断機器、禁煙治療用の一酸化炭素計測機、緊急血液検査、心電図、血圧計など必要な機器を導入し、検査全般が当院で完結できるよう設備を整えています。その中でもホルター心電図は24時間記録でき、不整脈の検査に有用です。また、24時間の自動血圧計は、普段どおりの生活をしながら血圧の状態を知ることができます。例えば、初めて来院したクリニックで緊張する中、血圧を1、2回測って高血圧症だと診断をして高血圧の薬を出すことは適切ではないと思いますからね。

スタッフについても教えてください。

佐藤秀俊院長 佐藤内科クリニック4

看護師は3人いて、そのうちの2人は大学で一緒に仕事をしていて、私が開業する時と開院直後から当院で働いてくれていて、もう1人は大学でのつながりで来てくれました。みんな知識も技術も高い、とても頼れる存在です。事務のスタッフもとても穏やかで、患者さんとの会話がいつも弾んでいるようです。体調が優れない患者さんには「大丈夫ですか」と声をかけて、丁寧な配慮を怠りません。受付で、熱っぽい人や気分の悪い人がいたら奥の部屋に入ってもらい、私に報告して早めに診察するなど、患者さん一人ひとりに対してこまやかな対応を心がけています。診療は受付の時から始まっていますから、スタッフ同士が連携しながら、チームで患者さんをサポートすることが大切です。一人ひとり患者さんと良い関係を築きつつ、医療従事者としてプロフェッショナルに徹する、そんなクリニックでありたいと思っています。

地域の患者に、安心と信頼を届けたい

診療のモットーは何でしょうか?

佐藤秀俊院長 佐藤内科クリニック5

敷居が高いと患者さんも話しにくいし、来院しにくいと思います。話しやすい雰囲気づくりを心がけているので、患者さんからもいろいろなことを話してくださいます。そんな時は、患者さんの生活背景を把握するために仕事や家庭の環境についても細かく聞き、疾患の判断材料や治療のアドバイスにも役立てていますね。ここに来ていただいた以上は「責任を持ってあなたの健康を守ります」という気持ちで励んでいます。とにかくここに来れば安心、当院に任せてもらえれば大丈夫というモットーを掲げていますし、そんなクリニックであり続けたいと思って日々精進しています。

今後の展望についてもお聞かせください。

開業以来、「当院に関わってくださった患者さんが必ず良い状態になるように」という思いで診療してきました。医学は日進月歩なので10年前と同じ治療だけ続けていてもいけません。どんどん勉強して進歩し、さらに高い技術と知識で患者さんの信用を積み重ねていきたいです。開業しても、そこがゴールではありません。自分の知らないことを吸収していかないと取り残されてしまいますからね。2021年の11月で開業10年を迎えます。10年ひとくくり、これからの数十年も頑張っていこうと考えています。

読者へのメッセージをお願いします。

佐藤秀俊院長 佐藤内科クリニック6

「病気でなければクリニックを利用してはいけない」ではなく、少しでも心配があれば、気軽にご相談してほしいです。何よりも大切なのは早期のうちに病気を見つけること。例えば、循環器疾患では詰まったり狭くなったりした血管を広げる治療ももちろん重要なんですが、そうならないようにしていくことも大切だと思っています。動いただけで息切れ・胸の痛みがあるけどしばらく安静にしていると落ち着くという方、心臓病の可能性も考えられるので、年齢のせいだと考えないでください。夜中に何回も目が覚める、大きないびきをかく、日中眠くなるといった場合は睡眠時無呼吸症候群かもしれず、放っておくと血圧が高くなったり、不整脈が出てきたり、いろんな病気を引き起こしてしまいます。このように自覚症状を感じたり、健診で異常が見つかったりした場合は、自己判断で放置せず、必ず受診してくださいね。

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