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前川 寛充 院長の独自取材記事

前川メディカルクリニック

(横浜市西区/横浜駅)

最終更新日:2021/10/12

前川寛充院長 前川メディカルクリニック main

横浜駅から徒歩5分。「前川メディカルクリニック」は、駅西口の地下街からエレベーターを使用すれば、雨天でも濡れずに辿り着ける便利な場所に位置する。研究や大きな病院での診療を続けていた、院長の前川寛充先生がこちらのクリニックを開院するようになったのは、「患者さんともっと接し、直接、役に立つ役割を担いたいと思うようになった」からなのだそう。風邪などを代表とする一般的な病気を診る点においては町のクリニックができることは大きい、と専門的な病院との違いをよく知るからこそ、その可能性が深く理解できるようなのである。個人医院にだからできることを丁寧に突き詰めてゆく治療方針を聞かせてもらった。

(取材日2017年1月6日)

個人クリニックだからできるのは「複数の病気の管理」

医師になり、専門を決めていったきっかけは何でしたか?

前川寛充院長 前川メディカルクリニック1

高校生の時期には、何か研究の道に進もうと漠然と思っていたんです。具体的に進路を考える段階になり、最終的には「人の役に立つ研究がいいな」と思うようになりました。医学ならダイレクトに人の健康の役に立てる、命を救うことができるだろう、と。その中で循環器という分野を選び、実際に研究にも携わりました。すると、それもいいことではあるのですが、研究というのは進めば進むほど細分化していくので、もう少し主流の、具体的に広く多くの人に役に立てる方向に行きたいなと思ったんです。それで、研究から臨床に、臨床でも専門的な診療から今のような一般に近い診療に、と患者さんの存在が直接的に感じられる場面に移ってきました。

それで、いわゆる普通の人がかかりやすい病気を担うクリニックに診療の場を移してこられたのですね。

はい。ある程度年齢を重ねてくれば、皆さん、抱える病気や不調はひとつではなくなってきますよね。しかし大きな病院では高度な医療やサービスを提供するからこそ、分野が細分化されているため、同時に複数の病気を診ることはしづらいのです。また、数年ごとに異動などがありますがら、ずっと同じ医師が担当することも難しい。そう考えると、個人医院だからこそできることって、たくさんあるんですよね。私の専門は循環器ですから、血管の状態に影響がある生活習慣病への診断も正確にできる意味では、安心して「かかりつけ医」にしていただきたいのです。

院内で扱うことのできる診療の種類を増やしてこられていますね。

前川寛充院長 前川メディカルクリニック2

睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群(脚部の慢性的な不快感が続き睡眠障害などにつながることもある病気)、花粉症(舌下免疫療法を受けられる)などの診療も他の病気と合わせて受けられるのです。また、どの病気にも「医療の進歩にきっちり対応していきたい」と考えています。常に糖尿病の薬など、新しい薬が出ていますので、その都度どんなものかを調べ、今までの薬と変わった内容などを患者さんにお伝えするなど、新しい医療情報に追いつくよう治療を進めているのです。その一方で、後発性の医薬品などを、患者さんの経済的な状況や希望などに合わせて処方することもあります。「最新の薬はここが良くなったが、このぐらい高額。総合的に見れば、前までの薬でも充分にこの程度の効果は見られます」などと詳しく説明をした後に選択していただく。そうすることで、より患者さんの生活に身近な日常的な医療を提供できるのではないかと思っているのです。

生活習慣病に対しては定期的なチェックを続けて予防を

医療機関はそれぞれに得意とする面を伸ばせば良い、と考えておられる姿勢が素晴らしいですね。

前川寛充院長 前川メディカルクリニック3

個人クリニックの良さを生かして、普通の医療をしっかり届けたいんです。大学病院・総合病院などの、専門的な部位に関する高度な治療に集中している病院の問診ではできないような、総合的な体の相談を、どんどんしていただきたいと思います。幸いなことに、多くの患者さんからは「話しやすい」と言っていただけるので、メインで相談しにくる病気についてのことだけでなく、幅広く相談してみてください。体調の変化はもちろんのこと、もらっている薬に対して気になるところ、本当はもっとこうしてほしいと思っているところまで、何でも言っていただけたらうれしいのです。そんな何気ないやりとりの中で見つかる意外な病気もありますからね。

複数の病気にまたがることが多い生活習慣病の相談にもよさそうですね。

生活習慣病は、深刻になる前に予防していけたらいいですよね。脳梗塞や心筋梗塞など重篤な病気につながりかねない動脈硬化にしても、進行してからは状態を元に戻すことが難しいのです。早期の予防こそが重要なのですね。動脈硬化の場合には、血管の内側にコレステロールの固まりがくっついて血の通る道が狭くなり、血管自体もコレステロールの沈着により固くなっていきます。局所的に血管が狭くなっている箇所だけを広げるような治療、またはその箇所のみバイパスを通して血液の流れを良くするといった治療もできます。とはいえ、動脈は全身にあり、体全体で動脈硬化が引き起こされたら、元の状態に戻すことは難しくなります。だからこそ、重篤な状況になる前に血圧やコレステロールなどの状況に注意し、予防しておくことがかなり重要なのです。こまめに健康診断など検査に出かけ、体の状態をチェックしておくことも必要でしょう。

質問すれば正しい知識を優しく伝えてくださるのも、院長の魅力ですね。

前川寛充院長 前川メディカルクリニック4

私が行っているのは、生活習慣病を含めて体全体を健康にしていくための診療ですからね。さきほど言った動脈硬化など生活習慣病を防ぐための重要なアプローチである禁煙治療も行っています。悪化する前から血圧やコレステロールの管理をするべきなのが生活習慣病であるからこそ、日常的な健康にまつわる相談の合間に、訊ねられたら正しい知識を伝えることも、町のクリニックの役割だと思って大事にしています。近年では、各種のメディアに「高血圧などは多少は放っておいても平気」などという不確実な情報が出ることもあります。医師からすれば「そうした風説で不利益を被るのは患者さん自身だ」と感じます。巷に出回る情報の真偽を医師の視点で確認するためにも、ぜひ来院していただきたいです。

医学の進歩をうまく利用して健康を維持してほしい

禁煙治療の話題も出ました。肺がんなどのみならず、煙草については注意する必要があるのですよね。

前川寛充院長 前川メディカルクリニック5

動脈硬化を抑えることに関しても、日本社会の全体として最も効率的に状況を改善できるとされている方法が、まずは禁煙なのですよね。現状では、吸っていたら動脈硬化になるとわかっても、なかなかやめにくい方も多くいらっしゃいます。動脈硬化と喫煙はかなり深い関係性があり、肺がんだけではないということを、もっと広く知っていただきたいし、禁煙専門の外来などもうまく活用していただきたいと感じています。これは生活習慣病全体のことですが、「生活習慣病」という単語からのイメージで、つい、ご本人さえ努力すれば状況が良くなるとも思われがちですが、かなり努力してもなかなか状況が好転しない場合も出てくるものです。そんな際にこそ医師に相談し、医学の進歩を使わないのはもったいないのではないでしょうか。副作用が少なくなった前よりも良い薬も、どんどん出ていますからね。

お忙しいとは思いますが、息抜きでされていることは何でしょうか?

家族と一緒に過ごす時間を大事にすることですね。連休が取れた時などは、ごく近くまでしか行けないとしても泊まりで出かけてみています。3年ほど前からトイプードルを飼っているのですが、すごくかわいいんです。なでているだけで時間が過ぎていくというのも息抜きかもしれません(笑)。

最後に、今後の展望をお聞かせいただけますでしょうか?

前川寛充院長 前川メディカルクリニック6

当院でまとめて診られる病気の数が増えれば、患者さんにとって利便性が高まるので、そのことは続けていきたく思います。ずいぶん先になるかもしれませんが、消化器系の例えば内視鏡を用いた治療なども、ゆくゆくは当院で実践できたらいいですね。現時点でも、近くの消化器内科の先生の予約を当院から取るなど、患者さんにとって多角的な診療を受けやすい環境は作っているのですが。医師をしていて、今、私が最も嬉しいなと思う患者さんの声が「ここに来て良かった」と言っていただけることです。患者さんの満足を少しでも増やしていけるよう、今後も着実に安心できる地域医療に専念してまいります。

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