全国のドクター9,025人の想いを取材
クリニック・病院 161,457件の情報を掲載(2020年2月29日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 神戸市垂水区
  4. 垂水駅
  5. つかもと形成外科・創傷クリニック
  6. 塚本 金作 院長

塚本 金作 院長の独自取材記事

つかもと形成外科・創傷クリニック

(神戸市垂水区/垂水駅)

最終更新日:2019/08/28

165293 %e3%81%a4%e3%81%8b%e3%82%82%e3%81%a8%e5%bd%a2%e6%88%90%e5%a4%96%e7%a7%91 %e5%89%b5%e5%82%b7%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%8b%e3%83%83%e3%82%af

隣接するJR神戸線の垂水駅と山陽電鉄本線の山陽垂水駅、両駅から徒歩約3分の垂水区役所北側、道路向かいに位置するビルの2階に「つかもと形成外科・創傷クリニック」はある。形成外科を一言で表すなら「顔の骨折と体の表面の外科」と話すのは院長の塚本金作先生だ。文字通り“形を成す”ことが目的である形成外科の使命は「機能的かつ見た目を美しく整えること」。塚本院長は子どもの顔のケガと巻き爪治療を2本の柱としている。子どもの外傷治療を専門に診るところは少ないだけに、深夜の緊急外来にも応じ、垂水・明石・須磨と広い範囲で地域医療に貢献してきた。キッズルームでは看板ウサギの“ココ”が子どもたちの気持ちを和ませる。地域住民のため奮闘する塚本院長に、熱意あふれる想いを聞いた。
(取材日2019年4月17日)

子どものケガの治療に力を注ぐ

なぜ医師を志されたのですか?

1

表の世界ではなく裏で顔を変える仕事をしている人を追ったテレビ番組を見たことがきっかけで、人の顔を変える仕事をしてみたいと関心を持ったのです。それが高校を卒業して就職し働いていた20歳の頃でした。そして1年半勉強して、いざ受験の願書を出すというときに阪神・淡路大震災が起こりました。単純に受かりやすそうという理由で神戸大学医学部を受けたら、まぐれで受かってしまいました。私の出身は愛知県西尾市なので、神戸の長田区に下宿し、最初の頃は給水車のお世話になりながら、復興していく神戸の町とともに大学生活を送りました。

医局に入局されていた10年の勤務医経験で今に役立っているのはどんなことですか?

小児形成、お子さんのケガの治療です。現在当院には、ぶつけたり転んだりという顔の外傷で来院される子どもが多く、毎日たくさんの親御さんが連れて来られます。患者さんの半数は幼稚園・小学校のお子さんです。あざや先天性のお悩みで来られる方もおられますが外傷が圧倒的で、朝から晩までずっと縫合しながら格闘しています。動いてしまうと処置が困難であるため、泣かせずに施術しやすい状態に持っていくことが必須なのですが、これが難しい。採血するのと違い、傷を洗って麻酔してきれいに縫わないといけないので大変なのです。いかに恐怖心を抱かせずに、じっとできるように誘導して処置できるか、もちろん秘訣がありますが、それは勤務医時代を通して研究し習得した技で、7年目くらいから子どもの外傷治療が得意だと思えるようになりました。

形成外科での縫合は他科とどう違うのですか?

2

傷をきれいに治すことを目的としていますので、相応の縫い方が必要になります。皮膚の深いところ、つまり表面だけでなく皮下の中も寄せて縫うのです。埋没方法とも言われますが、この手法を緻密に美しく施術できるまでには、長い期間が必要だといわれます。私も今は無意識でできますが若い頃は試行錯誤の連続でした。外傷の箇所や切れ方、その人の皮膚の厚さなど、さまざまな要因が影響し教科書どおりにはいきません。この埋没方法が専門域レベルに達して初めて形成外科の医師として一人前になるのだと思っています。

スタッフと連携をとりながらの診療体制

開業されたきっかけは何でしょう?

3

新たに形成外科を立ち上げてほしいとの要請で赴いた三菱神戸病院での3年間、会社の中の病院ということもあって子どもさんを診る機会が皆無に等しかったのです。そこで垂水・明石・須磨北部の人口約70万人という地域に開業して、得意な治療でお役に立てればと考えるようになりました。親御さんにとっても、子どもの外傷は傷跡が残る心配があるだけに、外科・整形外科・皮膚科と足を運んでも専門へ行くよう促されることも多いです。この場合の専門とは形成外科なのですが、ご存知ない方が多く、他科をいくつか回られて、ようやく当院にたどり着かれるケースがほとんどです。そして、形成外科の中でも子どもの外傷に特化したクリニックは少ないといえるのではないでしょうか。

だから先生は深夜の緊急呼び出しにも応じられるのですね。

自宅はここから近くですし、垂水の子どものケガは全部診たいと思っていますから、ホームページに記載の緊急用電話番号にかけていただければ喜んでクリニックに駆けつけます。夜中にベッドから落ちて顔をケガされることもたまにありますからね。私にとって縫うことは息を吸うくらい自然なので、子どもの機嫌を取るほうに経験と技を駆使して臨んでいます。子どもさんが泣くことなく機嫌の良い状態で縫合できた時が私自身一番うれしく満足できます。それがやりがいなのです。嫌がって泣いている場合、大きな子どもだと力が強いですから押さえつけるのは無理ですし、かといって2cmほどを縫うのに全身麻酔をかけるわけにいきません。だけど傷によっては縫ってあげないと後で傷跡が目立っては大変です。長年専門として技量を培ってきただけに今では麻酔を打つときも、時間をかけずにできます。たいていの子どもは麻酔されたことに気づいていないですね(笑)。

スタッフの方も対応が大変なのでは?

4

それも専門の科へと送ることになる理由の一つです。人手もいりますし、よっぽど慣れていないとできないと思いますから。ただ当院は子どもの外傷治療に特化している分、看護師もベテランですよ。対応数が多いため経験値もありますし、中には2011年の開業当初から勤務してくれている看護師もおります。件数が多いので受付スタッフも慣れるのが早いです。看護師が他に手を取られているときは、受付兼診療補助として準備を素早く整えてくれます。毎月1回は全体ミーティングを行って意見を交わし、最近では業務報告ノートでの共有も始めています。

守備範囲が広い、形成外科の認知度を高めたい

形成外科について、もう少し教えてください。

5

整形外科は首から下を見ますが、鼻が折れたり、頬骨が折れたり、目の周囲の骨が折れるなど顔の骨折は形成外科の担当です。そうした顔へのアプローチに際し、大事な機能が密集したデリケートな箇所への施術は、専門的な対応が必要となります。総合病院で行うような手術で言いますと、がん切除後の乳房再建や、舌を取ったあとに舌をつくるための再建手術。また、頭の何分の1かが失われた場合に埋め合わせていくのも形成外科の仕事です。

毎日手術の合間に外来診療に当たられると伺いました。

形成外科は守備範囲が広いのですが、当院で一番多い手術は皮膚腫瘍切除で、2018年4月から2019年3月統計では年間1830件でした。その次に多いのは子どもの顔のケガで551件です。あと、巻き爪の手術も得意としており、多くの件数を行っていますが、正しい爪の切り方をアドバイスしたりワイヤーで広げたりとケアに努めることで、手術に至らずに済むケースもかなりあります。また、小児形成ではあざや先天奇形にも対応しています。病院時代は唇裂や口蓋裂、特に多疾患となる耳の奇形では、穴が開いていたり裂けていたりと耳の形状にない症例に対して耳を形成することもありました。開業後は機能には問題なく耳がとがっているなど、あくまでも外表の変形のみ、また、耳垂裂や耳瘻孔などの30分ほどで終了できる範囲に限っております。また眼瞼下垂の施術、熱傷、わきが治療、糖尿病のフットケアなども診させていただいています。

今後の展望を聞かせてください。

6

形成外科は職人色が強く、その職人技はすぐには習得できません。日本の形成外科ができてまだ歴史も浅いので、他科のような例えば胃の切除にあたっての施術方法はある程度これ、といった決まりも、まだほとんどないのです。それだけに発展のサイクルが早く激しい分野でもあり、次々に新たな施術法が学会などでも発表されます。ただ縫合するのとは違い、皮膚を美しく整えるための専門の科ですから、多くは1回の施術で目的を果たすことをめざしますが、複雑なケースの場合、後からひきつれないように傷跡を固定したりケアしたりと、必要に応じた微修正を行き届かせることにも取り組んでいます。ですが、決して美容に限ったことではない形成外科の役割をもっと知っていただき、身近なことでも頼っていただければと思っています。

Access