吉川 聡介 院長、柳園 昂太 先生の独自取材記事
耳鼻咽喉科・小児科せんちゅうクリニック
(豊中市/千里中央駅)
最終更新日:2024/07/05

「耳鼻咽喉科・小児科せんちゅうクリニック」は、北大阪急行の千里中央駅から徒歩約1分。大阪モノレールの同駅からも徒歩約5分。駅からクリニックのあるメディカルモールまで、屋根のある通路を利用すれば、雨の日も快適に通院できる。小児科と耳鼻咽喉科の医師が2人体制で診療し、日本小児神経学会小児神経専門医である吉川聡介院長は、近年悩む人が増えている発達障害の相談にも対応。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医であり、耳鼻咽喉科を受け持つ柳園昂太先生は、Bスポット療法のほか、アレルギー疾患の治療を取り入れている。2つの診療科は重なる部分も多く、それぞれが得意分野を生かし、連携して診療に取り組むこともあるという。丁寧な診療に努めているという吉川院長と柳園先生に、診療の特色や注力している治療などについて聞いた。
(取材日2024年3月7日)
2つの診療科の特徴を生かした対応が可能
どのような患者さんが多く来られていますか?

【吉川院長】患者さんのおよそ半分は小さなお子さんで、あとの半分はそのご家族やご高齢の方です。小児科では、風邪などの感染症やワクチン接種、乳児健診のほか、夜尿症の治療や、朝起きられない、学校に行けないといった心身症的な問題を抱えたお子さん、発達障害のご相談が多いですね。地域のクリニックなので、耳鼻咽喉科では難聴、鼻水、咳、花粉症などのアレルギーといった症状を訴える患者さんが中心になります。
患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。
【吉川院長】患者さんに対する共感とホスピタリティーを大切にして、笑顔で接するように心がけています。小さなお子さんは、症状などをうまく伝えることが難しく、保護者の言葉を通して情報を得ることになるため、お子さんだけでなく保護者のお話にもしっかりと耳を傾けるようにしています。目を見てお話しし、お子さんの不調に不安を抱える保護者に対して、安心感を提供できるように努めています。
【柳園先生】治療のために行うさまざまな処置はもちろん、患者さんに対応する際の接遇についても、丁寧な対応を心がけています。医療を提供するのは私たち医師ですが、患者さんの理解があってこそ治療ができると考えており、患者さんと一緒に治療していくという気持ちを大切にしています。
小児科と耳鼻咽喉科を併設しているクリニックは珍しいですね。

【吉川院長】小児科と耳鼻咽喉科は重なる部分もある診療科です。例えば、「鼻水が出る」と小児科を受診されたお子さんが、中耳炎や副鼻腔炎にかかっていることもあり、小児科で診察をした上で、必要と判断した場合は耳鼻咽喉科で診てもらうこともあります。こうした場合も、医師とスタッフが連携し、スムーズな対応が可能です。
【柳園先生】副鼻腔炎で長期にわたるお薬での治療が必要なのか、それとも一時的な治療で良いのか判断する場合なども、患者さんの情報を共有して、双方の専門性を生かした診断ができるのはメリットだと思います。また、耳鼻咽喉科を受診したお子さんに喘息の疑いがある場合、小児科の受診を追加でお願いする場合もあり、当院ならご家族へ負担をおかけすることなく、一度に両方を受診できます。
地域の要望に応えられる診療の提供に努める
注力している診療を教えてください。

【吉川院長】長年、てんかんなど小児の神経疾患を専門としてきたので、その経験を生かして、地域の方のお役に立てればと考えています。近年は、自閉スペクトラム症やADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)など発達障害のご相談が多くなっています。さまざまなメディアを通して発達障害の情報にふれる機会も多く、お子さんのことを心配して受診される保護者も増えています。しかし、こうした相談に対応できる医療機関は不足しているのが現状です。半年待ちという医療機関も少なくありません。こうした状態を改善させるために少しでも貢献したいと考えています。
発達障害の診療ではどのようなことをされるのですか?
【吉川院長】お子さんの特徴やそれに対する保護者の気持ちなどを聴かせていただくことから始めます。「横断歩道などで衝動的に走り出したことはないか」「日常生活でこだわりなどはないか」など、できるだけ具体的な事例を挙げて話を引き出すこともあります。専門的な検査や評価が必要な場合は、臨床心理士や検査技師が在籍する大学病院などに紹介させていただきます。その後当院で結果説明、診断を行い、日常生活に関するアドバイスや薬の処方などを行います。「お子さんは発達障害です」と伝えると、大きなショックを受ける保護者の方も多いので、伝え方には細心の注意を払うことも大切です。
耳鼻咽喉科ではどのような診療に注力していますか?

【柳園先生】お子さんの受診が多いので、一般の耳鼻咽喉科に加えて小児の耳鼻咽喉科に力を入れており、とりわけ舌下免疫療法など、アレルギーの治療に積極的に取り組んでいます。近年はアレルギーに対する関心が高まり、お子さんのアレルギー検査をしてほしいと受診される保護者も多く、適したタイミングで採血などの検査を行い、必要な治療を提供するように心がけています。ただし、舌下免疫療法は3〜5年の治療期間が必要で、保護者の協力も欠かせません。当院では、耳鼻科用CTも導入しており、副鼻腔炎や鼻詰まりなどに対して、高精度な診断の提供が可能です。
「Bスポット療法」とはどのような治療ですか?
【柳園先生】喉の違和感、後鼻漏などの慢性的な症状があり、上咽頭炎が起きている時に行う治療で、提供している耳鼻咽喉科は一部です。鼻の奥、鼻と喉の間の上咽頭と呼ばれる部分に薬を塗り、症状の改善をめざします。舌下免疫療法と異なり、花粉の飛散時期でも治療が可能で、週に1〜2回、10~20回ほどの処置を行った上で、上咽頭の状態や症状の変化を確認します。その後は、週1回程度の処置を続けたり、漢方薬などの内服治療に切り替えたり、再び症状が現れた際にBスポット治療を再開するということも可能です。ある程度の痛みを伴うため、提供できる年齢は必然的に限られます。
どんなことでも気軽に相談できるクリニックをめざす
院内の飾りつけがかわいいですね。

【吉川院長】診察の待ち時間などに退屈しないようにと、スタッフが作ってくれるんです。季節やイベントごとに作り変えていて、患者さんにも喜ばれていますよ。お子さんからの質問に私が答える「吉川先生に聞いてみよう!」のコーナーは、お子さんと交流の場を持ちたいと始めたもので、「注射はどうして痛いの?」など素朴な疑問に真剣に悩まされたり、くすりと笑わされたりしています。
今後の展望を教えてください。
【吉川院長】これからも、小児科と耳鼻咽喉科が併設されたクリニックの強みを生かしていきたいですね。例えば、小児科では聴診器などを使って診察を行いますが、吸入などの処置を行えるのは耳鼻咽喉科ならではです。耳鼻咽喉科を受診するお子さんはとても多いので、高い専門性を必要としない処置のために来院したお子さんに対しては、鼻腔吸引の機械を導入するなどして小児科でも対応できるようにしたいと考えています。
【柳園先生】耳鼻咽喉科を受診したお子さんが、嫌がって暴れてしまうことや処方した薬をうまく服用できないことがあり、こうした場合の対応はやはり小児科の先生が得意ですね。実際に当院に勤務し、吉川院長はもちろんスタッフさんもお子さんの対応に慣れていて、とてもありがたいと感じています。患者さんにきちんと対応し、積極的にその声を取り入れながら、今後もアップデートしていきたいと思います。
読者にメッセージをお願いします。

【吉川院長】耳鼻咽喉科の医師として、物腰のやわらかい柳園先生が加わり、より一層、患者さんに優しい診療を提供できると思います。待合室では、スタッフお手製の季節ごとのイベントを用意して、保護者にも楽しんでいただけるように工夫しています。親子のコミュニケーションのヒントが見つかるイベントもあるので、ぜひ一緒にご参加ください。これからも、さまざまなお悩みに誠心誠意対応し、地域の皆さんに信頼していただける楽しいクリニックをめざしていきます。
【柳園先生】医師もスタッフも優しく、とてもアットホームな雰囲気のクリニックです。どうぞ気軽にお越しください。