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原 聡 理事長の独自取材記事

はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック

(神戸市西区/伊川谷駅)

最終更新日:2024/01/25

原聡理事長 はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック main

神戸市営地下鉄西神線伊川谷駅から歩いてすぐの場所にある「はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック」。木のぬくもりを感じる清潔で明るい院内はバリアフリー設計になっており、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者が通いやすいよう配慮されている。理事長の原聡(はらそう)先生は、子どもが怖がらず安心して通えるようなクリニックづくりを提唱。同院で取り組むだけでなく、新規開業する医師からの相談にもボランティアで応じている。患者の安心を不安に変えるための努力だけでなく、スタッフの満足度の向上にも意欲的だ。医師だけでなくスタッフの質の高さの維持にも余念がない。地域医療に傾倒し、居心地の良いクリニックの実現をめざす原理事長に、スタッフの育成方法や診療する上で大事にしていることなど、熱く語ってもらった。

(取材日2023年12月6日)

子どもが安心して通えるようなクリニックをめざして

耳鼻いんこう科の医師をめざしたきっかけについて伺えますでしょうか。

原聡理事長 はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック1

祖父の影響です。当時、淡路島で内科の医師として開業していたのですが、患者さんに寄り添い、地元では「仏の原先生」なんて呼ばれていました。幼少期からずっとその姿を見てきていたので、私も地域に貢献できる医師をめざそうと決意したのです。学生時代にローテーションであちこちの診療科を回ったとき、耳鼻いんこう科の診療にあまり良いイメージを抱けず、なりたいとは思えなかったのが正直な気持ちです。ただ、今は花粉症にかかっている患者さんの人数も多いですし、耳鼻いんこう科領域の病気でクリニックを必要とする方は多いのが現状です。慢性的に耳鼻いんこう科の医師が不足している状態ですので、「誰かがやらなければいけないなら、自分がやろう」と思い、この道に入ることにしました。

このエリアに開業されたきっかけを教えてください。

生まれは淡路島ですが、阪神・淡路大震災まで神戸市東灘区で育ち、震災後に今の神戸市西区に引っ越してきました。このエリアに土地勘があったことと、当時から耳鼻いんこう科のクリニックは何軒かありましたが、自分が継続して通いたいと思えるクリニックをつくりたいと思い、開業しました。開業前には、どの程度の患者数が見込めるかを推計する、いわゆる診療圏調査を行ったのですが、そのデータでは3年経過しても1日20人くらいの患者数だと予測されていました。ただ蓋を開けたら、開業初月から数多くの患者さんが来院され、ありがたいことに今は開業当初の3倍くらいの患者さんが来院されます。これからの時代は患者さんがクリニックを選ぶ時代ですので、いかに通ってもらえるようなクリニックづくりができるかが重要だと思っています。

どういった患者さんが多く来院されますか。

原聡理事長 はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック2

近隣の方が多いですが、2時間以上かけて遠方から来る患者さんもいらっしゃいます。当院は患者さんの7割がお子さんです。お子さんはどういった医療機関でも行きたくないと言うことが多く、お父さんお母さんは苦労されると思うのですが、当院はわりと嫌がらずに来てくれている気がします。お子さんが、鼻詰まりがつらいときに自分から「あのゾウさんのところに行く!」と言ってくれるという話もよく聞きます。医師として病気をしっかりと治すことに努めるのは当然ですが、お子さんはその時々の機嫌にも左右されますし、無理に治療を進めることがないように気をつけています。たとえ同じ病気であっても、一人ひとり症状なども違いますしね。最初は私一人で診療をしていたのですが、より多くの患者さんに対応できるよう、現在は二診制をとっています。

スタッフの満足度を上げ、クリニックの強みを強化

診療のほかに、開業を考える医師の相談にも応じているとお伺いしています。

原聡理事長 はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック3

当院の開業後、さまざまな地域・診療科目の開業をめざす医師たちが見学に来てくれたんです。クリニックの間取りやスタッフへの教育などについてお話ししたところ、みんなすごく喜んでくれて。これで感謝されるのであればと思い、現在は開業を考える医師たちの相談にもボランティアで応じています。毎日のハードワークをこなしながら、開業準備をするのは本当に大変かと思います。私自身も不安を抱えながら慌ただしく開業の日を迎えたことを覚えています。ですので、同じような目線で開業したいという方の力になりたいですし、全国に子どもが怖がらないようなクリニックがもっと増えていけばいいなという思いがあります。

こちらのクリニックならではの強みがあれば教えてください。

私はスタッフ教育をいかにするか、スタッフの満足度をどれだけ上げられるかが、他院との大きな違いであり、それを実践できていることが強みであると感じています。私は日頃から誰に向けて仕事をしているかと聞かれたら「スタッフに向けてです」と答えています。目の前の患者さんをしっかり診るのは医療機関として当たり前のことであり、意識を向けなくてはいけないのはスタッフが気持ち良く能力を発揮するための環境づくり。スタッフをいかに大切にして、その気持ちを満たしていくかが私の仕事だと思っています。医師1人だけで奮闘するよりも、スタッフ全員で患者さんの満足度を上げていくほうが、「また通いたい」と思ってもらえるクリニックに近づくはずです。しかし、そういった意識を持っているところは意外と少ないかもしれません。

具体的にどのような工夫をされているのですか。

原聡理事長 はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック4

まず、全員が余裕を持って働けるよう、最低限必要と思われるスタッフよりも1~2人ほど多くスタッフを配置しています。これはスタッフたちの余裕をなくさないためで、患者さんへの優しい対応へもつながると思います。また、女性が多い環境ですので、当日体調が悪かったり、育児の都合だったりで、急遽欠勤しなければならない日もあるはず。そんなときもスタッフを多く配置していれば、気兼ねなく休めます。これは医師も同じで、私が一人で診療していた頃よりも、3人の医師がいる今は診療も充実しています。院長も勤務医の先生も私の考えに共感し、最大限の能力を発揮してくれていますよ。難しいことではなく、まずはスタッフにとって居心地が良いと感じるクリニックをつくり、自然とその空気が患者さんにも伝わり、結果的に患者さんにも通ってもらえるようになるのが理想だと思います。

患者の不安を安心へ。地域医療に貢献する

診療する上で大事にされていることを教えてください。

原聡理事長 はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック5

治療一つとってもいろいろな選択肢がある中、どう選べばいいかわからない患者さんも多いと思います。短い診療時間の中で、「私の子どもであればどう治療するか、妻であればどうするか」を考え、できるだけわかりやすく患者さんに伝えるようにしています。そうすることで、患者さんも安心していただけるのではないかと思っています。あとは、たとえ0歳のお子さんでも、話しかけ続けるようにしています。例えば、「今から耳を触るよ、お鼻を吸うよ」という具合に、これから何をするかを言葉にすることで、お子さんはもちろん、お母さんお父さんの不安も軽減されるのではないかと思っています。

今後の展望についてお伺いできますか。

今よりももっと地域医療に貢献していきたいです。繰り返しになりますが、病院を怖いと思うお子さんが減り、安心して通えるような耳鼻いんこう科が増えていけばいいなと思っています。それを成し遂げるためにも、同じ気持ちを持つ仲間の医師を全国に増やしていけたらいいですね。もちろん無理に輪を広げるというわけではなく、これまでと変わらず、同じ気持ちを持ち、開業したいという方をサポートできたらと思います。クリニックは場所ありきではなく、人ありきです。クリニックとスタッフが一心同体になって、患者さんとの信頼関係を築けるようこれからも努めていきます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

原聡理事長 はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック6

医療機関を選ぶとき、医師だけでなく、受付の方の表情や看護師の対応など、クリニック全体の空気感を見て選ぶのが良いかなと思います。混雑していて患者さんの数が多いところだと、「満足に診てもらえないのでは」と思う方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。総合的に見て、誠意のある対応をしてくれるところをかかりつけ医にしてみてください。当院ではスタッフ全員で患者さんの病気に対する不安な気持ちを安心へと変えるために全力を尽くしています。一般的な耳鼻いんこう科診療に加え、補聴器専門の外来や頸部脈エコー検査、耳鳴り再訓練法にも対応していますので、何か困り事がありましたらぜひ当院までお気軽にお越しください。

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