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安藤 進 院長の独自取材記事

漢和クリニック

(小田原市/足柄駅)

最終更新日:2026/10/15

安藤進院長 漢和クリニック main

小田急線の足柄駅から徒歩3分の「漢和クリニック」。安藤進院長が、内科・漢方内科の外来診療と訪問診療・往診を行っている。一人ひとりの時間をしっかりと確保した予約制の外来診療では、漢方薬を希望する患者が多く、同院ではさまざまな体の不調から、ストレスや不安感など心の悩みまで、幅広く漢方薬を処方している。訪問診療にも力を入れ、長年この地域の高齢者とその家族を支えてきた。在宅医療の患者には24時間365日の電話対応を行っている。そんな院長の願いは「皆さんが元気で自分らしく生きること」。患者とその家族に寄り添い、地域医療を支える院長に、同院が注力する漢方や訪問診療について話を聞いた。

(取材日2026年9月15日)

体と心、両方にアプローチできる漢方薬を積極的に処方

こちらでは漢方を取り入れているそうですね。

安藤進院長 漢和クリニック1

以前から漢方薬は処方していましたが、さまざまな患者さんのニーズに応えて、より幅広く対応できるようになりました。年齢問わず、ご希望があれば漢方薬を処方しています。処方の対象となる症状も、慢性のアトピー性皮膚炎、慢性副鼻腔炎、頭痛、耳鳴りやめまい、生理不順、更年期障害、不眠、ストレスや不安など多岐にわたり、西洋医学とは別の手法で、それらの不調の改善を試みることができます。たとえば、めまい一つとっても、耳からくるものなのか、気圧の変化によるものなのか、背後に潜む原因はさまざまです。その原因に目を向け、全身的にアプローチすることで、同じ症状を繰り返さないための予防にもつなげています。症状だけを抑えても、根本的な原因が残っていれば再発や長期化につながります。だからこそ、症状とその原因の両方にアプローチすることが大切なのです。

精神的な悩みにも、漢方薬を処方すると伺いました。

日本はストレス社会とも言われています。仕事関係、人間関係などいろいろなところでストレスを感じ、それが体の不調に現れていることも多いのです。たとえば、肩こり、のどの違和感、胃の不快感、頻尿、頭痛、不眠など、不調の現れ方は人によってさまざまです。心身の状態は密接に関わっているため、不調の背景にストレスが影響している可能性を考えることも大切です。お子さんなら受験のストレスや学校へ行くことへの不安、若い方なら五月病や仕事に行きたくないと感じるような心身の不調に対して、漢方薬が役立つ場合があります。漢方薬は「長く飲み続けないと効果が出ないのでは」と思われがちですが、中には気分の落ち込みや不安を感じた際に服用することで、比較的短時間で効果が期待できるものもあるのです。

漢方薬の飲み方についても細かく教えてくださるのですね。

安藤進院長 漢和クリニック2

「不安を感じたときには、漢方薬を飲めばいいんだ」と、漢方薬がお守りのような安心材料になればいいと思っています。漢方薬は空腹時に服用するのが基本ですが、仕事中などで決まったタイミングに飲むのが難しい方には、生活スタイルに合わせた服用の仕方も細かくお伝えしています。また、症状の改善に合わせて、薬の量を徐々に減らしていけることも漢方薬のメリットです。小田原市内には、漢方治療をメインで行っているクリニックは数件しかありません。1人の医師が継続して患者さんを診ることができますので、地域の方に気軽に頼っていただける存在になれたらうれしいですね。

長年の経験を生かした訪問診療で地域医療を支える

在宅医療の現場で感じている変化はありますか。

安藤進院長 漢和クリニック3

私は在宅医療を約20年続けてきましたので、その経験を診療に生かすようにしています。昔は教科書どおりの診療をしていましたが、なかなかうまくいきませんでした。というのも、当時の在宅医療は70代、80代を対象にしていたんですよね。今は人生100年時代で前例のないことも多いため、「どう対応するのがよいのか」を20年かけて少しずつ学んできたような感覚です。中でも大きく変わったのは、水分補給の重要性に対する考え方です。昔は「熱が出たら下げる」というように症状への対応が中心でしたが、最近は免疫力そのものを維持することを重視するようになりました。寝たきりの方に対しても、氷を食べるなど工夫をしながら水分を取っていただいています。水分補給を欠かさないことで、たとえ体調を崩したとしても早い回復につながることが多いのです。

訪問診療を選ぶ上で、患者さんに意識してほしいことは何ですか。

何かあった時には、とにかく早く連絡してほしいと思っています。たとえば、転倒してしまったとき、数日放置すると痛みの長期化、重症化のリスクがあります。早めに対応すれば、その痛みにも軽いうちに対処することができます。薬の適切な投与の時期を逃してしまうと、症状を完全に取り除くことができずに後々の生活に影響を及ぼしてしまうケースもあります。何かあったときに相談するという行動を起こすことは、患者さんやその周りに方々にしかできないことです。せっかく在宅医療の医者にかかっているのです、何かあったときは我慢せず、すぐに頼ってほしいですね。

在宅医療だからこそできる治療について教えてください。

安藤進院長 漢和クリニック4

在宅医療では、病気だけを見るのではなく、その方がどう生きたいのかを大切にしながら治療を進めていきます。たとえば、人工透析が必要となり、食事にも制限がある腎不全の患者さんの中には、「最期まで好きなものを食べたい」「家族と自宅で過ごしたい」と望む方がいます。在宅医療の場合は、その意思を尊重して治療の方針を決めるのです。そうした環境によって、患者さんに新たな可能性が生まれることもあります。実際、世の中には、重症の心不全や腎不全、がんの末期で余命2ヵ月と告げられてからも、半年、1年と生活を続けられた方はいらっしゃいます。これは決して単なる偶然ではないのです。患者さんの思いに寄り添いながら必要な医療を続け、その方が望む人生を最期まで支えていく。それが在宅医療だからこそできることだと考えています。

長年、在宅医療を続けてこられた先生の原動力は何でしょうか。

患者さんの生きる力を支え、その先にある可能性と向き合い続けることです。患者さんの中には、幼い頃から持病を抱えながらも、治療と服薬を続け、100歳を超えて生きられた方もいらっしゃいました。もちろん、それだけ長い間薬を服用するとなると、副作用を心配される方もいるでしょう。しかし必要な治療と服薬を継続し病気とうまく付き合っていくことで、長く生きられる可能性は広がっているのです。診療を通じて得た経験から「人が生きるために必要なものは何か」「今の時代に必要な医療は何か」を考え続けられることに私は医学の深みを感じていますね。

元気に自分らしく生きていくためのサポートがしたい

地域医療への想いをお聞かせください。

安藤進院長 漢和クリニック5

当初はがん医療に携わってきましたが、実際の現場を見ているとがんで亡くなる方より生活習慣病や老衰で亡くなる方のほうが圧倒的に多かったのです。この20年間、多くの患者さんを看取ってきましたが、最期をどう過ごしたいか、その思いは一人ひとり異なります。それぞれの希望にできる限り応え、その方に合った形で支えることが在宅医療の役割だと思っています。24時間365日の往診対応を続けているのも、いつでも患者さんの力になりたいからなのです。

診療の際に心がけていることはありますか?

外来は予約制にして、患者さん一人ひとりの時間をしっかり取り、患者さんの話に耳を傾けることを大切にしています。薬の処方と並行して、患者さん一人ひとりに合わせた食事などの生活改善も指導することで、より良い治療結果につなげていきたいですね。訪問診療でも同じく、話を聞くことを大事にしています。特に在宅医療は、ご家庭で行う医療ですから、ご本人とご家族が納得できる治療であることが一番大切なのです。一人ひとりニーズも症状も違いますので、まずは何を望んでいるのかをしっかりお聞きして、その思いをできるだけ叶えてあげたいと思っています。

最後に地域の方へのメッセージをお願いします。

安藤進院長 漢和クリニック6

皆さんが元気に、その人らしく毎日を過ごせるようお手伝いしていきたいですね。それが私の一番の願いです。今は悩みやストレスを抱えていても、精神科を受診するのはハードルが高いと感じる方も多いと思います。当院では、一人ひとりに合わせたアドバイスを行いながら、漢方薬も活用して心から元気になれるようサポートしています。患者さんだけでなく、ご家族にも頼っていただきたいですね。もし当院で対応が難しい場合でも、適した医療機関をご紹介しますので、まずは気軽にご相談ください。