美をめざすだけではない矯正
専門の歯科医院ならではの対応とは
いなもり矯正歯科
(松阪市/伊勢中川駅)
最終更新日:2025/06/04


- 自由診療
矯正というと美しい歯並びが想起させられることが多いが、口内環境、ひいては体の健康を考えたとき、大切になるのは正しい噛み合わせができているかどうかだ。特に子どもは歯が生える土台となる顎の骨の成長が重要で、永久歯が生えそろう前にしっかりと診断することが必要となる。「いなもり矯正歯科」の稲森康二郎院長は「医科が内科、外科、耳鼻科、眼科などに分かれているように、歯科も一般歯科、口腔外科、矯正など専門分野があります。それぞれの専門性に合わせて歯科医院を選んでいただけたら」と控えめに話す。同院には一般歯科からの紹介患者が多く、当初は子どもが多かったものの最近は大人の患者も増えてきたという。中には矯正を受けた人が自分の子どもを連れてくることも。矯正の重要性について、改めて稲森院長に教えてもらった。
(取材日2025年4月23日)
目次
根本的に大事なのは正しい噛み合わせへ導くこと。子どもは永久歯が生えそろう前から成長に合わせた対応を
- Q矯正を行うメリットとは何でしょうか?
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A
▲噛み合わせの大切さを語る院長
矯正というと歯並びを良くするためのものというイメージがありますが、基本的には噛み合わせを正しく整えることが矯正の一番の目的だと思います。歯の1本1本が機能を果たし、噛み合わせも良ければ、きれいな歯並びでしょう。歯並びがきれいだと歯が磨きやすく、虫歯や歯周病の予防につながるといえますね。ただ、歯がでこぼこしてなかったとしても、いわゆる出っ歯や受け口といった不正咬合のままでは良い状態とはいえません。その場合は早期からの対応が必要になります。矯正では、歯並びだけでなくお口全体、さらにはお顔全体のバランスを含めて総合的に診断し、今後の計画を立てていきます。
- Qこちらではどのような矯正に取り組まれていますか?
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A
▲さまざまな治療方法について相談できる
ワイヤーを用いた矯正と、マウスピース型装置を用いた矯正を行っており、それぞれの装置の特性と患者さんの症状によって選択しています。ワイヤー矯正は装置が目立つので、見た目重視の方にとってはデメリットと捉えられるかもしれません。また、歯に装置が着いたままなので歯磨きしにくいということも確かにあります。一方、マウスピース型装置は透明で目立ちにくく、食事と歯磨きのときは外せることがメリットとして強調されやすいですが、逆に外せるために、患者さんによっては装着時間が短くなり処置が成り立たなくなってしまうというデメリットがあります。当院では、ワイヤーによる矯正が適応となる方のほうが多いです。
- Q子どもの矯正を始める適正なタイミングを教えてください。
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A
▲子どもの矯正に関しても早めに相談していくほうが望ましい
お子さんは骨の成長期に矯正することをお勧めします。具体的には7~9歳程度、永久歯が10本ほど生えてきた頃でしょうか。床矯正という、永久歯がきちんと並ぶように土台となる顎の骨を広げていくための方法です。十分成長ができていない骨を本来の成長に誘導していくということですね。装置は取り外しができ、おうちで親御さんにねじを調整していただくこともできます。必要な場合はお口周りや舌の訓練も行っていきます。永久歯が生えそろった時点でワイヤー矯正に進むケースもあります。もし3歳児健診で指摘されたことがあれば早めに受診しましょう。不正咬合の場合は4~5歳から矯正に入ることが望ましいです。
- Q大人の矯正にも対応されているのですね。
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A
▲年齢を問わず相談しながら進めることが可能
はい。大人は骨が硬くて難しいと思われがちですが、歯と歯を支える歯周組織が健康であれば矯正に年齢制限はありません。歯茎が下がっていたり歯周病だったりしても、一般歯科と連携を取りながら矯正を行うことができます。また、神経がなくても矯正は可能です。ただ、あまりにも残っている歯が少ない場合はできないことがあります。当院の大人の患者さんは20~60代までさまざま。昔から歯並びにコンプレックスがあったという方や、子育てがひと段落したという方もおられます。年齢で矯正を諦めないでほしいと思います。
- Q矯正が終わった後も定期通院は必要でしょうか?
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A
▲定期的な通院を行い虫歯などの早期発見が大切
定期通院は続けていただきたいですね。矯正後はリテーナーという保定装置を1年間は必ず、ほぼ24時間装着してほしいです。食事と歯磨きの時だけ外すということになります。特に最初の半年はしっかり装着していただきたいです。1年たったら、その後は様子を見ながら就寝時だけ装着するということも可能です。また、爪を噛むなどの癖がある場合はやめるようにしましょう。虫歯や歯周病の早期発見のためにも、歯科医院へ定期的に通うことは大切です。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型矯正/92万4000円~