天沼 崇 院長の独自取材記事
志津ココロ歯科・矯正歯科
(佐倉市/志津駅)
最終更新日:2025/10/10
志津駅からバスに揺られて7分ほど。志津図書館前停留所で降りると、オレンジ色の看板が目に入る。「志津ココロ歯科・矯正歯科」は開業以来、地域のかかりつけ医として幅広い年代の歯の悩みに向き合い続けてきた。補綴や矯正の分野で研鑽を積んできた天沼崇院長のほか、インプラント治療や補綴治療、歯周病治療を専門とする歯科医師が在籍。歯科用CT・マイクロスコープなど先進の機器を取りそろえ、オーストリア咬合学に基づいた診療を提供している。より良い診療のために心を尽くし、デジタル化にも力を入れる天沼院長に話を聞いた。
(取材日2025年8月27日)
地域に根差し、患者とともに歩むクリニック
なぜこの場所での開業を選ばれたのですか?

開業を選んだのは、患者さん一人ひとりに向き合い、小児から成人まで長く診られるクリニックをつくりたいと思ったからです。 神奈川歯科大学卒業後、同大学院で矯正歯科の研究・臨床に携わり、大学病院や埼玉県内のクリニックでも研鑽を積んできました。多くの患者さんと接する中で、大学病院では歯科医師が長く診ることは少なく、患者さんも継続的に通うケースは限られていました。埼玉県のクリニックも人の入れ替わりが多い地域にあり、「地域に根差し、患者さんとともに歩むクリニックをつくりたい」と考えるようになりました。佐倉市には以前からなじみがあり、この地域には古くからの住宅も新しいマンションもあって幅広い年代の方が暮らしています。これからもこの場所で、地域の皆さんに信頼されるクリニックをめざしていきたいと思います。
院名に込めた思いをお聞かせください。
当院のビジョンは「心を込めた診療」、ミッションは「口腔衛生を通じて地域に貢献すること」。この思いを「ココロ」という院名に込めました。患者さんは不安を抱えて来院されるため、言葉遣いや動作にも気を配り、安心感を持っていただけるよう努めています。スピーディーな治療やしっかりと時間をかけて行う治療、保険診療や自由診療。患者さんが治療に求めるものは人それぞれです。当院ではメリットやデメリットも含めて複数の治療法を提案し、患者さんが選んだ治療に全力を尽くします。「患者さんを第一に考える姿勢」はスタッフ全員が共有しており、歯科医院が苦手な方にも安心して通っていただけるよう、小さなことにも心を込めて対応しています。不安なく過ごせる場所でありたい――それが私たちの願いです。
明るく居心地の良い院内ですね。

内装は副院長である妻とデザイナーさんにお任せしたのですが、安らげる雰囲気をめざしました。木目やアースカラーを随所に取り入れ、受付から診療室につながる自動ドアにはロゴモチーフの「太陽」に動物が入り込んでいるようなデザインにしてくれました。受付から目の届く場所にキッズスペースがあり、おむつ交換台やお子さん用の洗面台、パウダールームもご用意しています。カウンセリングルームで落ち着いて説明を受けられるほか、診察室は半個室なので人目を心配せずに治療を受けられるのではないでしょうか。院内はバリアフリー設計で、ベビーカーや車いすでもご来院いただけます。実際に患者さんの年齢層は小さなお子さんから90代まで幅広く、特に40代前後の女性患者さんが多い印象です。お子さんをきっかけにご家族が通院を始めるケースも多く、家族で歯の健康を守るための拠点として親しんでいただけていると感じています。
オーストリア咬合学に基づいた、歯を残す歯科治療
診療スタイルに変化があったと伺いました。

以前はチームで診療を行っていましたが、現在は私自身がすべての患者さんを直接診るスタイルへとシフトしています。人員の変化も一因ですが、何より「院長である自分が責任を持って診ることが患者さんの安心につながる」と考えるようになったからです。私は当院の理念に「地域で一番愛されるクリニック」を掲げ、患者さんを安心と幸せへ導くことを使命としています。診療スタイルの変化によって、より一人ひとりの患者さんと向き合い、自ら理念を実践することができるようになったと感じています。今後も一貫して、地域の方々にとって安心できる存在であり続けたいと考えています。
オーストリア咬合学に基づいた歯科治療をされているそうですね。
私が診療の根幹に据えているのが、「オーストリア咬合学」です。これは補綴学に属する学問で、歯や顎、骨のバランスだけでなく、全身との調和を考えながら噛み合わせの再構築をめざすものです。母校の佐藤貞雄先生から噛み合わせを正しくつくる重要性を学び、診療に取り入れてきました。当院では「できるだけ歯を抜かない」ことを基本方針とし、歯列矯正においても噛み合わせの改善を図りながら行います。小児期には理想的な口腔環境を育てることから始め、年齢を問わず虫歯や歯周病の予防、精密根管治療による歯の保存を重視しています。やむを得ず歯を失った場合には、インプラント治療などで口腔機能を補い、全体のバランスを崩さないよう配慮します。単に痛みを取るだけでなく、長期的に安定した噛み合わせの維持を図ることがオーストリア咬合学に基づいた治療の目的であり、患者さんの健康と笑顔を守ることにつながると考えています。
注力している治療について教えてください。

今力を入れているのは、精密根管治療です。虫歯が進行して神経を取った歯はもろくなり、適切に処置をしなければ再感染を招き、抜歯へ至ることも少なくありません。インプラントは失った歯を補うために有用な手段ですが、ご自身の歯に勝るものはなく、できる限り歯を長く残すのが理想です。精密根管治療は自分の歯を残すための最後の手段であり、その先に「自分の歯で噛める」未来があると考えています。削る・抜くといった対症的な処置だけでなく、根本から歯を守るための一手として、この治療に注力することで咬合支持を維持することが私の使命です。歯を残したい患者さんの思いに応えることで、「地域で一番愛されるクリニック」のビジョンを実現したいと思っています。
テクノロジーを活用しながら、心を込めた診療を
衛生面への取り組みについてもお聞かせください。

当院には、衛生管理を専門とするクリーンキーパーと呼ばれるスタッフがいるんです。クラスBのものを含めた複数の洗浄・滅菌器を使って常に清潔な治療器具の用意に努め、空気清浄システムや浄水器を使用することで空気も水も衛生を保っています。また、年に1度検査をして、治療に使用する水に菌がいないか分析もしています。クリーンキーパーの活躍のおかげで私たちは治療に専念できますし、歯科衛生士は安全性に配慮したクリーニングを提供でき、受付スタッフは清潔な環境で患者さんをお迎えできています。
今後の展望についてお聞かせください。
かねてより「デジタルデンティストリー」の考えに基づき、診療のデジタル化によってより精密な治療を提供しています。患者さん自身が歯の状態を3Dで確認できることで、予防の大切さに気づけるよう体制を整えました。歯科治療を「怖い」「痛い」から「理解して取り組めるもの」へと変えられるよう、進めてきたんです。今後取り組んでいきたいのは、デジタル技術を生かした咬合再構築ですね。CTとスキャナーの精度が高くなったことで、25マイクロメートル単位の治療が可能になり、かぶせ物のズレもより小さくなりました。オーストリア咬合学とデジタル技術を融合させ、一人ひとりに適した治療を提供していきたいです。
休日はどのようにお過ごしですか?

最近は意識的に休みを取って、12歳の娘と10歳の息子と過ごす時間を大切にしています。先日は息子と渓流釣りに出かけ、自然の中で心身をリフレッシュしました。また、定期的なフィットネスで体を整えることも意識しています。家族との時間と自己管理の両方を意識することが、日々の診療の活力につながっていると感じています。
読者へのメッセージをお願いします。
歯科は痛くなってから行く場所と思われがちですが、虫歯や歯周病は感染症であり、「削れば治る」という単純なものではありません。自覚症状が薄いので感染に気づかない方も多いのですが、できるだけ早めに対策することが大切です。歯の健康は全身の健康につながりますので、長く健康的に過ごすためにも日頃からケアしていきましょう。お口の健康に取り組みたい患者さんに、怒るようなことはありません。安心して何でもご相談ください。もちろん、小さな不安でも構いません。心を込めた診療で地域の皆さんの歯の健康を守れるよう、スタッフ一丸となって取り組んでまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/49万5000円~、歯列矯正/88万円~、精密根管治療/前歯3万3000円、奥歯7万7000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

