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浅野 純一郎 院長の独自取材記事

桜ケ丘クリニック

(可児市/根本駅)

最終更新日:2021/10/12

浅野純一郎院長 桜ケ丘クリニック main

桜並木が続く桜ケ丘で開業10年目を迎えた「桜ケ丘クリニック」。介護施設3棟とともに「ケアリゾート」として建ち並ぶ外観は、まさにリゾートホテルのよう。院長を務める浅野純一郎先生は膠原病を専門とする医師で、リウマチを含む膠原病全般の診療が可能だ。高齢化が進む一方、若い世代も多いこの地区で、年代問わず幅広い病気に対応する同院は、プライマリケアの提供を信念としており、「あそこに行けばなんとかしてくれる」と言われる町のクリニックをめざしているそう。温かみのある木材の床や壁に施されたステンドグラス、診察室の机に並んだミニカーが緊張した患者の心をほぐす。親しみやすい人柄で患者の心に寄り添う浅野先生に、地域医療にかける思いを聞いた。

(取材日2020年4月9日)

乳児から高齢者まで幅広い世代の診療に対応

こちらで開業された経緯を教えてください。

浅野純一郎院長 桜ケ丘クリニック1

もともと医師だった父が、15年前にこの場所で介護施設の経営を始めたんです。デイサービス、グループホーム、ショートステイという3つの施設が先に建設しました。その後、「クリニックもつくりたい」という話が出たときに、私に声がかかりました。当時、大学病院で働いていたのですが、経験を積んだらいずれ自分のクリニックを持ちたいと考えていたので、良いタイミングだと思い、2010年に開業に至りました。3つの介護施設と当院からなる「ケアリゾート」として、地域住民の方に利用していただいています。リゾートホテルのような外観には、訪れる方にリラックスしてもらいたいという父の思いが込められています。

医師を志したのは、やはり医師だったお父さまの影響でしょうか?

そうですね。父は内科の開業医で、1階がクリニック、2階が住宅という環境で育ちました。小さな頃から父が働く姿を近くで見ていたので、自然と「自分もいつか医師になるんだ」と思うようになっていました。2人兄弟の長男なので、父の後を継ぐのが当然だと思っていましたし、周囲もそう思っていたようです。ほかの職業に就くことは考えたこともなかったですね。父の背中を見て育った兄弟ともに医師の道に進み、私はこちらで開業し、弟は父のクリニックを継いでいます。

どういった層の患者さんが多いですか?

浅野純一郎院長 桜ケ丘クリニック2

桜ケ丘地区は可児市の中でも高齢化のペースが速いんです。50年ほど前に開発が進んだ地区ですので、その時に移り住んだ方の多くが70代を越えています。当院の患者さんもお年寄りの方が多い傾向にありますが、実はお子さんも多くいらっしゃるんですよ。この辺りは学校が多く、幼稚園、小中学校、少し行くと高校もあるため、幅広い年代のお子さんを診察する機会があります。3世代で通ってくださるファミリーもいますよ。生後数ヵ月から100歳まで、さまざま年代の患者さんに対応しています。

日曜診療・在宅医療・膠原病診療でニーズに応える

リウマチをはじめとした膠原病を専門とされているそうですね。

浅野純一郎院長 桜ケ丘クリニック3

はい。リウマチは膠原病という免疫の病気の中の一つで、リウマチ以外にも、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、リウマチ性多発筋痛症などが膠原病に含まれます。この特殊な膠原病という病気を専門としている医師は少ないと思います。リウマチは整形外科でも診てくれる先生が結構いますが、リウマチ以外の膠原病となると診察できるところは限られてくるでしょう。膠原病を専門に選んだ理由は、誰もがやることじゃないことをやってみようと思ったこと。また、膠原病は全身の疾患なのでさまざまな症状に対応しなければなりません。全身を診られることは一般の内科疾患を診る上でも大きく役立つと思ったためです。以前は県立病院に膠原病の患者さんが集中してしまい、予約が数ヵ月待ちなんてこともあったようですが、今では困っている患者さんを当院でもフォローできているのではないかと思っています。

クリニックの特徴を教えてください。

大きな特徴というと、日曜の午前診療です。会社勤めで平日にクリニックに行くのが難しい患者さんは多いのに、日曜にやっているクリニックはなかなかありませんよね。「救急科外来に行くのはハードルが高いけど、町のクリニックであれば行きやすい」という患者さんも多いと思うんです。開業医の仕事は地域医療に貢献すること。だったら一番需要があるときに開けていたほうが役に立ちますよね。もともと膠原病が専門ではありますが、現在は一般的な小児科、内科を広く診療しています。日曜は隣の市町村から来られる方もいらっしゃいますよ。

在宅医療にも力を入れていると伺っています。

浅野純一郎院長 桜ケ丘クリニック4

はい。最近は介護施設が増えたこともあり、父が診療していた時代と比べると件数は多くないのですが、確実にニーズはあると感じています。当院の患者さんで「足腰が弱くなって通院が大変になってしまった」という方の診療から、重度の障害や寝たきりで通院が困難な方の診療、末期がんの患者さんのターミナルケアなど、さまざまなケースに対応しています。介護施設への訪問診療も行っていて、今日もこれから隣の施設で診療する予定です。「医師が来てくれる」ということが、患者さんやご家族にとっての安心につながると思うので、これからも積極的に取り組んでいきたいですね。

どんな症状も診療。地域住民に寄り添う開業医

診療方針をお聞かせください。

浅野純一郎院長 桜ケ丘クリニック5

どんな症状の患者さんに対しても、まずは自分できちんと診ることを大切にしています。いわゆるプライマリケアですね。時には手を切ってしまった患者さんの縫合をすることもあります。外科を紹介することもできますが、時間がかかってしまいますからね。目の前で困っている患者さんに対して、できる限りのことをしようというのが私のポリシーであり、開業医のあるべき姿だと思っています。この姿勢は父から学んだものです。あまり専門に偏らず、何でも診療できる医師でありたいので、「先生に相談していいのかわからないけど、とりあえず来ました」と言われるとうれしいものですよ。やりがいを感じる瞬間です。

診療の際、心がけていることはありますか?

話をよく聞くことですね。特に気をつけているのは、きちんと患者さんの顔を見て話すという点。電子カルテのモニターに視線を向けたままの医師の横顔と会話をして、不安になった経験はありませんか? しっかり目を合わせて、じっくりと話を聞くことで、不安を取り除けるように心がけています。また、患者さんに目を向けることは、様子を観察することにもなります。大きな病院のように検査してすぐに結果を出すことはできませんが、いつも見ている開業医だからこそ「今日は顔色が悪いな」と気づくことができたり、病気の背景を探ったりすることが可能です。「去年の今頃も同じ症状で来ているな」とか「先週来たお子さんからうつったのかな」というようなことですね。自分をよく見て知ってくれていると安心につながると思います。昔ながらの町医者のようなイメージかもしれませんが、これからも大切にしていきたい部分です。

最後に、今後の展望をお願いします。

浅野純一郎院長 桜ケ丘クリニック6

小学3年生の息子と小学1年生の娘がいるのですが、家族が増えてから特に強く思うのが、自分の健康は自分のためだけではないということ。私が健康でいることが、家族のためであり、患者さんのためでもあると気づいてから、ジム通いを始めました。私自身がトレーニングや食事管理をすることで、患者さんへの健康指導にも役立っています。当院はダイエットや心の悩みにも対応していますので、困ったことは何でも気軽に相談していただきたいです。できる限りのことはしますし、もし対応できない場合でも責任を持って近隣の病院を紹介します。「あそこに行けばなんとかしてくれる」と思ってもらえるような、地域の皆さんに安心を与えられる場所であり続けたいですね。

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