肩や腰の痛み軽減・術後の回復を図る
運動器リハビリテーション
井出整形外科クリニック
(横浜市西区/西横浜駅)
最終更新日:2025/09/04


- 保険診療
長きにわたって地域に密着し、整形外科、リハビリテーション科、内科を掲げ医療を提供してきた「井出整形外科クリニック」。2023年に院長に就任した井出学先生は、総合病院で脊椎外科を専門に医療に携わってきた。その知識や経験を生かし、同院では新たな診療方針を打ち出している。その一環として、2024年4月より理学療法士を常駐させ、患者としっかりとコミュニケーションを取りながら行う運動器リハビリテーションをスタート。ニーズが高いことから、2025年4月からは理学療法士を女性1人を含む計3人に増員し、提供体制を拡充した。井出院長による診療と、理学療法士によるリハビリテーション。この両輪がそろうことで、どのような医療が提供され、また患者はどんなメリットを得ることができるのか。井出院長に尋ねた。
(取材日2025年7月7日)
目次
痛みや不具合の原因に根本からアプローチ、理学療法士と連携し実践するリハビリテーション
- Qこちらではどのような治療を行っているのですか?
-
A
▲多角的な視点から診療と治療に挑む
まずは痛みの原因の特定に努めます。肩凝りや腰痛でも、重篤な病気が原因の可能性もあり、そうした病気の有無は、最初の診察で絶対に見逃してはいけないところです。重篤な病気がないことが確認できたら、次に痛みが発生する原因を探ります。といっても、背骨関係の痛みは画像では特定できないことのほうが多いものです。そこで、筋膜へ薬液を注射して痛みの改善を図るハイドロリリースを採用し、超音波検査をしながらその様子を確認する「診断的治療」を行うこともあります。そうして原因を特定したら、注射などで痛みの軽減を図りつつ、併せて理学療法士による運動器リハビリテーションを行います。
- Qこちらのリハビリテーションはどのような特徴がありますか?
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A
▲井出院長と理学療法士が密に連携を図る
診察室とリハビリテーション室が隣接しているので、医師と理学療法士の連携がよく取れることですね。痛みの原因となる可能性のある部位や、実際に打った注射の位置などを理学療法士に伝えて、一方で理学療法士からは、より有用なリハビリテーションのフィードバックを受けます。例えば多くの人が悩む肩凝りですが、必ずしも肩に原因があるとは限らず、骨盤の動きの悪さや扁平足が原因ということも。当院では理学療法士と連携して、そうした土台から修正していくことをめざしています。症状を根本から見据えて改善していきたいのです。理学療法士が3人に増えてカンファレンスで多様な意見交換ができ、診療の質がより深まっていると感じます。
- Q理学療法士によるリハビリテーションを始めたのはなぜですか?
-
A
▲患者や地域のニーズに合わせてクリニックを進化させる
きっかけは、術前術後と診療に一貫して対応できる体制をつくりたかったからです。大きな病院ではどうしても入院患者さん中心で、外来のリハビリテーションに場所や人員を割けないことが多く、ならば当院で術後のリハビリテーションを提供したいと考えたのです。手術の情報を共有してもらうことで、術前・術後の診療に一貫して携わることもできますし、当院に通院されていない方にもお役に立てると考えました。実際に始めてみると、術後以外の運動器リハビリテーションのニーズもとても高いことがわかりました。
- Qそれは、どのような症状や疾患の場合ですか?
-
A
▲幅広い症状に理学療法士がリハビリで対応
例えば、手術にまで至らない運動器障害の場合、当て木やギプスを用いた治療になるケースが多く、それらを外した時に患部が固まっていて、不都合が生じる可能性もあります。そうした急性期のケガの際にもお役に立てます。また、慢性期の肩凝り、腰痛の原因にもなる仙腸関節障害、足底筋膜炎やアキレス腱周囲炎といったスポーツ障害なども多いですね。手術までは必要ないけれど、日常生活を送る上ではつらくて障害になり、ストレスもたまってしまうような痛みを持つ患者さんにも通っていただきたいと思っています。当院では、義肢装具士とも連携して、装具療法と運動器リハビリテーション、注射治療を組み合わせた対応も行っています。
- Qリハビリテーションに関する展望をお聞かせください。
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A
▲互いを信頼しながら新たな医院体制を築く
今後の展望としては、現場で使えるような小型の超音波検査機器など、検査結果などが目に見える効率的な機器を導入して、患者さんのモチベーションとともに、理学療法士のやりがいも高めていきたいと考えています。理学療法士を3人に増員しましたが、すでに運動器リハビリテーションの予約が取りにくくなってきている面もあるので、さらなる増員も視野に入れています。よりきめ細かに、かつ迅速に痛みを根本から取り去るため、診察とリハビリテーションの両面から対応していきたいですね。そして、患者さん自身がセルフストレッチをマスターして、ホームエクササイズを欠かさず続けられるような指導にも力を入れたいと思っています。