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井出 学 院長の独自取材記事

井出整形外科クリニック

(横浜市西区/西横浜駅)

最終更新日:2025/09/04

井出学院長 井出整形外科クリニック main

相鉄本線・西横浜駅から徒歩7分、大谷公園の目の前にある「井出整形外科クリニック」。井出学院長は父が開院した同院を引き継ぎ、母である井出陽子先生とともに、整形外科、内科、リハビリテーション科を専門に地域密着型の医療を展開。承継を機にリハビリテーション室を拡張して、理学療法士による運動器リハビリテーションにも注力している。前院長が築き上げてきた身近なクリニックとしての良さと、脊椎外科を専門として携わってきた学院長の知識と経験を合わせて、多様なニーズに応える診療に取り組む。爽やかな笑顔と穏やかな語り口が印象的な学院長に、今後の展望や診療方針を聞いた。

(取材日2025年7月7日)

継承した医院をより受診しやすく、診療の幅も広げて

御院について教えてください。

井出学院長 井出整形外科クリニック1

当院は1985年に父の井出博前院長が開院したクリニックで、父が整形外科を、母が内科を担当してきました。僕は2020年から横浜市立大学附属市民総合医療センターの脊椎専門の外来などと兼務しながら当院でも診療を行い、2023年からは常勤医として診療に携わっていました。父から医院を引き継ぐのに伴い、建物をリニューアルして老朽化した部分を新しくしたり、リハビリテーション室を拡張したりと取り組んできた矢先に父が急逝し、現在は僕が院長としてクリニックの運営にあたっています。2024年から理学療法士が加わり、運動器リハビリテーションを行っています。

どのようなリニューアルを行ったのですか。

クリニック自体が古くなっていたことから、内装を大幅に刷新して順番予約制を導入しました。待合スペースは少し狭くし、その分リハビリテーション室を広げたのです。予約はご自宅などからウェブ経由、もしくは来院により取ることができ、初診・再診ともにご利用可能です。順番が来たらメールやメッセージアプリで通知が来るので、ご自宅などでゆっくりお待ちいただけます。院内での滞在時間をできる限り短くしたいと考えており自動精算機も近く導入予定です。

検査機器やリハビリテーション用の機器も導入されたと聞きました。

井出学院長 井出整形外科クリニック2

骨粗しょう症の予防・治療に力を入れたいと考えて、骨粗しょう症の診断に推奨されているDXA法による骨密度測定を行うための骨密度測定装置も導入しました。エックス線機器についても、検査にかかる時間を大きく短縮し、より精密な画像を得ることができるよう刷新しました。また、温熱治療器やけん引器、電気治療器、ウォーターベッドなど、痛みを和らげ可動域を広げるための物理療法に使う機器、足の血行を改善するためのエアマッサージ器も導入しました。

どのような患者さんが多く来られますか。

従来からの地域の患者さんに加えて、比較的若い女性で肩凝りや関節痛を訴えて来られる方も増えている印象です。ホームページを見て来たとおっしゃる方もいますね。こうした痛みの根底には女性ホルモンの減少が見られることも多いので、注射治療を含む痛みへの治療やストレッチなどのリハビリテーションに加え、サプリメントのご提案も行っています。最近は、中高年世代の健康志向の高まりもあり、スポーツ障害の患者さんも増えてきています。

痛みへの注射治療やリハビリ、骨粗しょう症予防に注力

力を入れているのは、どのような治療ですか。

井出学院長 井出整形外科クリニック3

特に超音波検査機器を用いて検査・診断しながら行う、神経ブロック注射やハイドロリリースなど、注射治療に力を入れています。神経ブロック注射は、痛みなどの症状が出ている部分に局所麻酔薬や炎症を抑えるためのステロイド剤を注入する方法です。ハイドロリリースは、痛みの緩和のためにエコーガイド下で注射を行います。近年、超音波機器の精度が飛躍的に向上し、ピンポイントで原因部位に注射する治療が望めるようになりました。また、60代からの女性に特に多い骨粗しょう症の予防にも注力しています。

骨粗しょう症について詳しく教えてください。

長く勤務してきた総合病院では脊椎外科を専門に、圧迫骨折、つまり骨粗しょう症が土台にあって背骨を骨折された方の治療を多く手がけてきました。骨折して病院に運ばれてきた方を調べてみると骨粗しょう症だったというケースはとても多く、事前にわかっていれば対策ができたのではないかと思う方を数多く診てきたのです。また自覚のないままひそかに骨折している、いわゆる「いつの間にか骨折」の根底にも骨粗しょう症があります。痛みを感じつつもぎっくり腰などと勘違いしてやり過ごしていたら、実は骨折だったというケースです。いずれにしても、骨折は一度起こると次の骨折のリスクが上がってしまい、生活の質が低下したり、寝たきりになったりしてしまうこともあります。そこで、当院では専用機器による検査や採血、骨折の有無などで骨粗しょう症を早期に発見し、内服薬や注射で治療することで骨折の発生を少なくするために予防的医学に注力しています。

リハビリテーションについても教えてください。

井出学院長 井出整形外科クリニック4

理学療法士による運動器リハビリテーションを始めたところ、とてもニーズが高かったので、2025年4月に理学療法士を3人に増員しました。リハビリテーションが必要な方に提供できるようになったのはもちろん、カンファレンスにも理学療法士が加わり多様な意見交換ができるようになり、診療の質が深まったと感じます。症状としては肩や腕の痛みを伴う頸肩腕症候群や、腰痛の原因にもなる仙腸関節障害、スポーツ障害にも多い足底筋膜炎・アキレス腱周囲炎などが多いですね。義肢装具士とも連携して、装具療法と運動器リハビリテーション、注射治療を組み合わせて対応できるのも当院の強みだと思います。

新しい医療も導入し、痛みに寄り添う診療で地域貢献を

クリニックを引き継ごうと思われた理由を教えてください。

井出学院長 井出整形外科クリニック5

もともと小学生の頃、公園でけがをした子にその場で処置をする父の姿に憧れて医師を志し、勤務医時代は整形外科の病気の中でも手術が必要な方をメインに診療してきました。しかし、手術は必ずしも万能ではなく、手術をせずに改善が見込めるのであればそれに越したことはないという考えが年々強くなっていました。手術までは必要がない、あるいは手術を希望されない患者さんや持病などで手術が受けられず、痛みとお付き合いせざるを得ない状況の地域の患者さんに貢献したいという思いで、クリニックを引き継ぐことに決めました。父は「信念を持て」とよく言っていました。利益に走るのではなく、信念を持って医療に従事しなさいということだと思います。母が続けている内科診療も、長くお付き合いのある患者さんとの丁寧な対話による母ならではの診療だと思っています。父の信念と、母の地域への思いは私も大切に守り続けたいと思っています。

先生ご自身は、診療の際、何を大切にされていますか。

医学的に放置できない病気を見逃さないことが基本だと考え診療を行っています。そのために丁寧な問診と身体診察に加えて、詳細な画像検査を行うよう心がけています。リハビリテーションにあたっても検査などで機能障害を引き起こしている原因を明らかにしてから行うことを重視しています。また、患者さんに余計な不安を抱かせたくないので、根拠ある説明を心がけています。痛みの原因が見つからない場合も「原因となる病気はないので心配はないですが、一緒にその痛みを何とかしていきましょう」という姿勢で患者さんに向き合っています。患者さんの痛みに寄り添うクリニックでありたいと考えていますので、痛みがあっても諦めている方、もう治らないと思い込んでいらっしゃる方に、医療の手を差し伸べていきたいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

井出学院長 井出整形外科クリニック6

最近では、遠方からの患者さんや、近隣の方が家族ぐるみで来てくださることも増えてきました。引き継いだ当初は地域に頼りにされてきたクリニックを守るという気持ちが強かったのですが、患者さんのニーズに応えてより診療の幅を広げて、新しい医療も積極的に取り入れていきたいという気持ちも強くなってきました。地域に根差したクリニックとして貢献したいという思いは変わりませんが、軽い症状から専門的な場合まで、とりあえず当院に相談すれば大丈夫、適切な医療につながると安心していただけるような存在をめざしたいと思っています。慢性的な肩凝りを仕方ないと諦めているような方、何ヵ月も痛みに悩まされている方、いろいろ対処しても良くならないという方は相談していただきたいですし、逆に痛みで受診したことがないという方にも気軽にご相談いただきたいと思います。

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