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田中 郁子 理事長、玉置 繁憲 院長の独自取材記事

名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック

(名古屋市中村区/名古屋駅)

最終更新日:2024/10/17

田中郁子理事長、玉置繁憲院長 名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック main

名古屋駅より徒歩8分、地下街を抜けてすぐの好立地に「名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック」がある。同院を立ち上げた理事長の田中郁子先生と院長の玉置繁憲先生は、ともに日本リウマチ学会認定のリウマチ専門医。田中先生は骨粗しょう症治療において多くの研鑽を積んだエキスパート、玉置先生は肝臓疾患における高い専門性を有する。同院の特徴は、リウマチ・膠原病の専門的治療ができ、かつ副作用管理をしながら安全に十分配慮した投薬をできること。同院のコンセプトは「専門医、街に出る」。この言葉に込められた想いとは何か。取材を通して、両医師のリウマチ・膠原病治療にかける熱意に触れた。

(取材日2016年6月28日)

発症早期の患者が専門医療を受けられるようにと開院

開院に至った経緯や、クリニック名の由来などお聞かせください。

田中郁子理事長、玉置繁憲院長 名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック1

【玉置先生】リウマチ・膠原病・骨粗しょう症治療薬は非常に進歩し、関節破壊をしっかり管理・治療することで、予防できるようになりました。しかし大きな病院だと、待ち時間・予約・検査に時間がかかるといった理由から、早期の患者さんが気遅れし受診が遅れる要因になることもあります。より早期診断・早期治療開始のために、気軽に受診できるように交通至便な場所での開業を決めました。完全予約制でじっくりお話を伺います。
【田中先生】患者さんはインターネット情報をご自身の症状と照らし合わせ、「もしかしてリウマチでは?」と専門のクリニックを探します。クリニック名は、専門医療を提供していると伝えたい意図がありました。

同院のコンセプトについて教えてください。

【田中先生】リウマチの治療薬は、関節破壊を予防するものですから、早い時期に導入する必要があります。早期に診断治療に至れば、関節破壊が予防でき、今まで通りの生活が送れます。ほとんどの場合、まずは近隣のかかりつけ医に相談します。しかしリウマチではこの少しの痛みがとても重要になります。初期だと気が付かれずに、本当に必要な治療の開始が遅れる可能性もあるのです。現在導入されているリウマチ治療薬に最も適している、早期発症の患者さんに出会うためには、私たちリウマチ・膠原病を専門とする医師が自ら、患者さんが気軽に来院できる病院を作る必要がありました。専門の医師がクリニックを開業することで、誰でも気軽に受診できるようになる。それが、コンセプトである「専門医、街に出る」という意味なんです。

開院にあたり、こだわったポイントなどはありますか? 

田中郁子理事長、玉置繁憲院長 名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック2

【玉置先生】病院に苦手意識を持ってほしくなかったので、院内の雰囲気やスタッフの接遇にはこだわりました。病院の中でもレントゲン室はとりわけ無機質な場所。コンクリートで包まれ、何の飾り気もないところで、患者さんは病気が発見される不安を感じなくてはなりません。そういった不安を少しでも解消できるよう、イメージを払拭しました。当院で扱う疾患は女性の発症率が高いため、メイク直しや身だしなみを整えられるようドレッサーを置き、リビングにいるようなイメージに仕上げました。
【田中先生】病気だからと、人生を諦めてほしくないんです。きちんと疾患活動性をコントロールできれば、結婚・妊娠・出産もでき、社会復帰もできる。常に自分らしく生きてほしいという願いを込めています。

薬の副作用が出やすい部位にも専門知識で対応

来院する患者層を教えてください。

田中郁子理事長、玉置繁憲院長 名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック3

【玉置先生】リウマチ患者の年齢層は、50代後半から60代前半が中心といわれています。しかし、当院の患者さんは発症してから数年以内の、20~30代といった若い層もいて、現役で働いている方や妊娠出産を希望される方もいらっしゃいます。やはり、受診しやすさが早期発見・早期治療につながっているのでしょう。リウマチは高齢者の疾患というイメージが強いですが、実際は30代の発症率が高いんです。近年は発症が若年化傾向にありますが、リウマチ発症率そのものは今も昔も大きな差はありません。情報が増えたことや、治療診断技術の進歩により、リウマチと診断される患者さんが以前より増えているのです。患者さんご本人も、体の痛みをリウマチと思わず受診し、思いもよらず診断されるケースもありますね。

先生方はそれぞれ別分野でも専門をお持ちでいらっしゃいますが、その強みを教えてください。

【田中先生】玉置先生は、もともとがんを免疫で治療する“腫瘍免疫”という新しい分野を手がけ、「切り取らない治療」をやっておられました。加えて、肝臓も専門とされています。リウマチ治療薬の生物学的製剤は、高い効果が得られる反面、肝臓に副作用が起こりやすいのです。一方で私は、ステロイド服用の副作用で起こる骨粗しょう症の研究をしてきました。薬は、上手に使えばとても良い武器になります。同じリウマチ・膠原病を専門としながら、肝臓・骨とそれぞれ別のサブスペシャリティを持つ医師であること。これが最大の強みですね。困った時にはお互い頼りになりますし、毎日がカンファレンス状態で治療についても話し合います。患者さんにとっては、一度の受診で専門分野の異なる2人の医師にかかれるようなものです。

田中先生と玉置先生はどのように出会われたのですか?

田中郁子理事長、玉置繁憲院長 名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック4

【田中先生】幅広く講演会を行っていることは、以前からお互いに認識していました。開業前、玉置先生は国立三重中央病院でリウマチ科医長をされ、科を率いていた方。私は大学で後進の指導にあたりながら、骨代謝に関するガイドラインを作成する仕事をしていました。そして共同研究を行うにあたり、玉置先生の病院へ私が非常勤医師として出向くように。アメリカで発表した論文も高く評価されています。開業後も2人とも研究を続けることができ、学会活動も続けています。サイエンスする心を忘れないこと、専門の医師として情報を発信し続けることで、リウマチ治療をリードし続けたいと考えています。

骨粗しょう症は予防と健診が重要

膠原病はどのような疾患ですか?

田中郁子理事長、玉置繁憲院長 名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック5

【玉置先生】膠原病とは、自己免疫疾患の総称です。リウマチも膠原病の一つ。本来、免疫はウイルスや細菌など外部から侵入するものを攻撃し、炎症を鎮める働きを持つものです。しかし、自己免疫疾患の場合、自分の免疫が自分自身を攻撃して体内に炎症を起こしてしまいます。つまり、自分で自分を痛めつけているようなものなのです。そして、自分の体が存在する限り、攻撃し続けることが特徴です。膠原病は、脳神経・肺・肝臓・皮膚など、体中の至るところに炎症が起きます。全身に炎症が出て、薬による副作用も懸念される。われわれは、患者さんに最も良い治療を提供し続けるために、今あるサブスペシャリティも含め、さらに成長していかなくてはいけないと感じています。

専門の医師であると同時に、医師を指導する立場にもあると伺いました。

【田中先生】医師会・講演会・学会を通じて教育活動を行っています。学問として研究だけに没頭しているだけでは、本当の患者さんの悩みはわかりません。臨床現場にいることで真の意味でのクリニカルクエスチョン(臨床的疑問)がわかり、それにますます答えを見出していきます。私たち自身、日々の診療を通じて、患者さんが求めることや薬の効果と限界を知り、情報発信するために活動しています。

数多くの講演会を手がける理由をお聞かせください。

【田中先生】私たちの講演会を聞いた医師の先生方からご評価いただき、数多くの講演依頼を受けるようになりました。疾患の啓発活動の一環として、少しでも先生方の日常診療のお役に立てれば幸せです。骨粗しょう症はすべての女性がかかる可能性があり、自覚症状がないまま進行します。そのため、ある程度の年齢になったら健診を受けることが大切です。リウマチ・膠原病治療の第一線に立つ医師として広く呼びかけ続け、患者さんの意識向上につなげていきたいと思っています。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

田中郁子理事長、玉置繁憲院長 名古屋膠原病リウマチ痛風クリニック6

【田中先生】リウマチ・膠原病は、30代から閉経期の女性が中心です。早期診断・早期治療開始できるかどうかが疾患の予後を決めます。また、骨粗しょう症はすべての女性がかかる可能性のある身近な病気です。骨粗しょう症予防には、成長期の骨の増やし方・妊娠授乳期の過ごし方が重要になります。骨粗しょう症は骨の老化現象ですから、老化を防げばいいのです。そのため、年齢に関係なく、骨のケアが大切になってきます。当院では、来春から骨に特化した検診を開始する予定です。少しでも気になるところがあれば、怖がらずに受診してくださいね。

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