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寺田 明彦 院長の独自取材記事

てらだアレルギーこどもクリニック

(名古屋市南区/道徳駅)

最終更新日:2019/08/28

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現代において、何らかのアレルギー症状を持つ子どもは年々増加傾向にあるといわれている。名古屋市南区のクリニックモール3階にある「てらだアレルギーこどもクリニック」にも、連日多くの患者がその治療に訪れている。「子どものアレルギーは、決して治らない病気ではありません」。院長の寺田明彦先生は、力強くこう話す。これまでさまざまな地域で多くのぜん息患者、アレルギー患者と関わってきた寺田先生は、自身の信念である「将来を担う子どもたちの健康を守る」ために、喘息やアレルギーの発症を未然に食い止める予防から取り組んでいる。そんな寺田先生に、医療スタンスやこだわり、アレルギーに悩む患者に対する思いなどを語ってもらった。
(取材日2016年10月21日)

医療の現場を目の当たりにしてきた幼少時代

医師になられたきっかけを教えてください。

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母方の祖父が医師だったのですが、そこの家系は代々、かつて尾張の高鷲藩という支藩のかかりつけ医だったそうです。僕は小さいころから、病気をすれば祖父に診てもらっていました。昔の診療所だったので、診察室の隣では祖母が薬を調合していたのですが、薬を包む手伝いを折り紙のようにやらせてもらったりもしましたね。そういう環境だったこともあり、高校生の時には、医者としての道を意識していました。それと同時期に、父方の祖母が胃がんで入院し手術を担当してくださった先生が、摘出した胃を見せてくれたんです。患部がどこで、どんなふうに切除したかをこまかく説明してくれる先生を見て、医者ってやっぱりかっこいいなと思ったんですね。ただ、当時の僕は部活に一生懸命でしたので、そこからは猛勉強の毎日でした。

小児科、アレルギー科を専門に選んだ理由は何ですか?

外科医はむかないと思い、内科か小児科で迷いました。内科は、さらに専門がこまかく分かれるので、体全体を診られるという部分に魅力を感じ、子どもも好きだったので小児科を選択しました。そのときの教授がやさしく、わかりやすく指導してくださったので、その教授に憧れていたのも理由の一つですね。最初に赴任した静岡の病院で3年間小児科医として経験を積みました。当時は喘息の患者さんが多くて、当直のときに発作を起こして救急車で運ばれてくる患者さんも多かったんです。そんな子どもたちを見て、「喘息は、どうしてこんなに苦しいことが起こるんだ?」と思いました。喘息について勉強するうちに、アレルギーの専門的な知識を蓄えたんです。さまざまな地域で勤務し、子どもたちと親御さんに向き合ってきました。

その後開院に至るわけですが、院内のこだわりなどはありますか?

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開院するときのコンセプトは、「お母さんたちに気に入ってもらえるクリニック」でした。シンプルな色遣いで、ほっと落ち着くような。このビル全体が工務店のテナントビルなので、木をうまく取り入れた内装にしてもらいました。あとはデザイナーさんと相談しながら、診察室の中は一部屋ずつ色味を変えて単調にならないようにしたり、待合室にはビリヤードの玉のようなポップな部分も取り入れてもらったりしました。それから、受付カウンターは子どもの目線と同じになるよう低くしているんですよ。お子さんも安心してくれますし、会話も生まれるのでよかったです。設備面のこだわりでいえば、喘息の肺機能検査、呼気NO、肺炎や副鼻腔炎を診断するレントゲン装置は必須と思います。

喘息やアレルギーで苦しむ子どもの力になりたい

患者さんで多い症状を教えてください。

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咳や喘息など呼吸器の症状で悩むお子さんが多いですね。あとはここ数年増えてきたのが、食物アレルギーの患者さんですね。当院では管理栄養士さんに来てもらい日頃の食事の指導もしています。アレルギー疾患の治療は薬物療法、生活指導、抗原回避などさまざまあります。同じアレルゲンでも、症状や重症度もいろいろです。このように、患者さんによって違うことが多いので、ひとくくりにせずに、小児アレルギーの専門知識を持つ看護師を中心に患者に寄り添った指導に力を入れています。

大人のアレルギー性疾患にも対応していますか?

専門が小児科なので、初めての方は、20歳未満を対象に診察しています。小児専門のアレルギー科としてしっかりケアをして、大人まで病気を持ち越さないように、子どものうちに食い止めるという医療スタンスで行っています。大人の人でもお子さんの診察のついでにご相談いただくこともあります。その場合は精一杯お答えさせていただきますが、基本的にはアレルギー科を標榜している内科・皮膚科・耳鼻科の先生へご紹介させていただきます。患者さんの中には、今までずっと診てきた子が成人になっている場合もありますけどね(笑)。

印象的だった患者さんとのエピソードをお聞かせください。

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かつて、虚弱児童を受け入れていた養護施設の診療所で勤務医をしていたことがありました。学校と寮が併設され、60~70人ほどの児童が親元を離れて生活してました。そこで、小学校の間は喘息の長期入院をして中学校入学と同時に退園した男の子が通院していました。肺機能が低く喘息の症状も毎日ありました。本人の頑張りもあって、中学3年間をなんとか過ごすことができ、高校へも無事合格して自宅から通うことになりました。それと同時に新しい小児科の医師が赴任されたので、僕が行くことはなくなったのですが……。一年ほどして、彼のお父さんから僕へ電話がありました。通学途中に大きな発作があり、救急車で運ばれた病院で脳死状態となってしまわれました。喘息で亡くなった子どもを初めて経験しました。悲しかったし、悔しかったです。僕はいつでも子どもの命を一番大事に思っていますし、これが僕の医師としての原点でもあります。

自己判断せず、根気よく治療を

スタッフの方にご指導されていることはありますか?

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毎朝、朝礼で理念と基本方針を皆で輪になって唱和しています。理念を「私たちは将来を担う子どもたちの健康を守り、心身ともに健やかな成長をはぐくむ医療を提供します」とし、基本方針1「子どもの権利を尊重します」、2「子どもと保護者の皆様と私たちの信頼関係を大切にします」、3「アレルギー疾患を中心に子どもの病気の診断・治療・予防に積極的に取り組みます」、4「最新の医学情報を学び、安心・安全・納得がゆく医療を提供します」これら4つを基本方針としています。加えて大切なのは「気づく」ことだとも話しています。患者さんは、こちらから尋ねないとご自分ではうまく症状を伝えられない場合もありますから、僕をはじめスタッフ全員、患者さんや保護者の方が話しやすい雰囲気づくりを心がけています。

今、力を入れて取り組んでいることは何ですか?

数年前から積極的に取り組んでいるのは、「受動喫煙の防止」についてです。喘息の患者は、家族で喫煙者がいるとなかなか症状がよくなりません。有害物質を強制的に吸わされているのと同じです。保護者に対して啓発活動を行うことも大切ですが、あえて小中学校で喫煙防止教室を行っています。タバコとはどういうものか、どんなものが含まれていて、人体にどんな害があるか。そういったことを子どもたちに向けて話すことで、喫煙をしないようにできればと考えています。また、話を聞いた子どもを通して保護者の方に対しても、受動喫煙は良くない意識を持つきっかけになってくれればと思っています。

アレルギーや喘息で悩むお子さんを持つご家族に、メッセージをお願いします。

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アレルギー体質は、遺伝子として受け継がれてしまうことがほとんどです。その遺伝子を持った人がみんなアレルギーになるわけではなく、スイッチが入るかどうかです。現在の研究では、アレルギーを起こす成分が皮膚から入ってきて、アレルギーになるという考え方もあります。決して自己判断せずに、治りにくい症状があれば受診していただきたいです。ステロイドも正しく使えば怖い薬ではありませんし、患者さんに一番合った方法で治療をしていきたいですね。子どものアレルギーは治らない病気ではないと、僕は考えています。

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