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寺田 明彦 院長の独自取材記事

てらだアレルギーこどもクリニック

(名古屋市南区/道徳駅)

最終更新日:2023/09/08

寺田明彦院長 てらだアレルギーこどもクリニック main

現代において、何らかのアレルギー症状を持つ子どもは増加傾向にある。名古屋市南区のクリニックモールにある「てらだアレルギーこどもクリニック」には、連日多くの患者が訪れている。「子どものアレルギーは、決して治らない病気ではないと思っています」と院長の寺田明彦先生は、力強く話す。これまでさまざまな地域で多くの患者と関わり、アレルギー疾患の診療に熱心に取り組んできた寺田先生は、自身の信念である「将来を担う子どもたちの健康を守る」ために、アレルギーの発症を未然に食い止めたいとの思いで、小児アレルギー専門クリニックを開業し予防から取り組んでいるという。そんな寺田先生に、心がけていること、アレルギーに悩む患者に対する思いなどを語ってもらった。

(取材日2023年7月27日)

医療の現場が身近だった幼少時代

医師になられたきっかけを教えてください。

寺田明彦院長 てらだアレルギーこどもクリニック1

母方の祖父が、学校医をはじめ地域で40年以上働く開業医でした。僕は幼い頃から、病気の時は祖父に診てもらっていました。診察室の隣では、祖母が薬を調合していました。僕は祖母のそばで、折り紙のように薬を包むまねごとをして遊んでいましたね。そういう環境だったこともあり、高校生の時には、医師としての道を意識していました。またちょうどその頃、父方の祖母が病気で入院し、手術をしてくださった先生が、病気について細かく教えてくださいました。その先生の姿に、医師ってやっぱりかっこいいなと思ったんですね。当時の僕は部活に一生懸命でしたので、そこからは猛勉強の毎日を送りました。

小児科、アレルギー科を専門に選んだ理由は何ですか?

外科は自分に向かないと思い、内科か小児科で迷いました。内科はさらに専門が細かく分かれますが、小児科は子どもの全身を診られるという部分に魅力を感じ、子どもが好きだったので小児科にしました。最初に赴任した静岡の総合病院では、3年間小児科の医師として経験を積みました。当時は喘息の患者さんが多くて、夜間当直の時に発作を起こして救急車で運ばれてくる患者さんが多かったんです。子どもたちを診て、「喘息の発作は、どうしてこんなに苦しそうなんだろう?」と思いました。喘息について勉強するうちに、他のアレルギー疾患について専門的な知識を培うことができたのです。その後も地域病院やアレルギー専門病院で勤務しながら学び、多くの子どもたちと保護者に向き合ってきました。

印象的だった患者さんとのエピソードをお聞かせください。

寺田明彦院長 てらだアレルギーこどもクリニック2

養護学校と寮が併設されている診療所で勤務していた頃です。多くの子ども達が、親元を離れて生活していました。一人の中学生の喘息患者さんと出会いました。喘息と付き合いながら頑張って養護学校から地元の中学校へ戻り、高校へも無事合格して自宅から通うことになったのです。それと同じ時期に僕も診療所を離れることになりました。ところが、高校への通学途中で大きな発作を起こして入院し、亡くなられたとご家族から連絡をいただいたのです。自分が診ていた子どもが、初めて喘息で亡くなったことで、なぜ救えなかったのだろうかと悔しかったです。僕はいつでも子どもの命を一番大事に思っていますから、子ども達が喘息で苦しまないようにしたいと強く決意しました。その後の僕の医師としての原点です。

喘息や食物アレルギー、花粉症で悩む人の力になりたい

院内でこだわったのはどんなところですか?

寺田明彦院長 てらだアレルギーこどもクリニック3

2010年に開院した時のコンセプトは、親子に気に入ってもらえるクリニックでした。シンプルな色合いで、ほっと落ち着くような雰囲気を意識しています。このビル全体が工務店のテナントビルということもあり、木をうまく取り入れた内装にしてもらいました。また、診察室は一部屋ずつ色みを変えて単調にならないようにしたり、待合室にはビリヤードのボールのようなポップなデザインを取り入れたりしてもらいました。それから、受付カウンターは子どもの目線と同じ高さになるよう低くしているんですよ。お子さんが安心してくれますし、会話も生まれるので良かったと思います。設備面でこだわったのは検査機器です。喘息の肺機能検査、呼気NO検査、肺炎や副鼻腔炎を診断するためのエックス線装置は必須だと思い、導入しました。

患者さんで多い症状を教えてください。

長引く咳やぜーぜーする呼吸器症状で悩むお子さんが多いですね。また鼻水、くしゃみ、鼻詰まり、目がかゆいなど花粉症の症状も多いです。さらに、ここ数年増えている食物アレルギーの症状である、じんましん、嘔吐などが多いです。アレルギーの原因物質(アレルゲン)が同じであっても、患者さんによって症状や重症度はさまざまです。診断したあとは、薬物療法、生活指導、アレルゲン回避などを適切に行っていくことを大切に思っています。また、食物アレルギーの患者さんに対して管理栄養士さんが、食事の指導をしています。アレルギーとしてひとくくりにせず、専門知識を持つ医療者がチームを組んで、患者さんに寄り添った診療を心がけています。

特に、注力している治療はありますか?

寺田明彦院長 てらだアレルギーこどもクリニック4

スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の患者さんに対して、アレルゲン舌下免疫療法に注力しています。舌下免疫療法は、根本的な体質改善が期待できる治療法だと考えています。アレルギー反応を弱めるために、スギやダニのアレルゲンを含んだ薬を舌の下にしばらく置いてから飲み込むことを継続していただきます。3年から5年間継続することが必要ですが、約7割の患者さんで症状が改善します。子どものうちに体質改善しておけば、受験や就職などのライフイベントでアレルギー症状に苦しまず、不安な気持ちを少しでも軽くできるメリットが多いと思います。これまでの治療は症状を軽くする対症療法でしたが、今は病気の治ゆを目指す舌下免疫療法が第一選択肢になると思いますよ。5歳以上であれば始められるので、是非ご相談いただきたいです。

自己判断せずに、根気良く受診して治療の継続を

スタッフの方にご指導されていることはありますか?

寺田明彦院長 てらだアレルギーこどもクリニック5

毎朝、朝礼で「私たちは将来を担う子どもたちの健康を守り、心身ともに健やかな成長を育む医療を提供します」という理念と基本方針をみんなで輪になって唱和しています。加えて、大切なのは「気づく」ことだとも話しています。患者さんは、こちらから尋ねないと、ご自分ではうまく症状を伝えられない場合もありますから、僕をはじめスタッフ全員、患者さんや保護者の方が話しやすい雰囲気づくりを心がけています。また、先ほどふれたように、小児アレルギーについての専門の知識が豊富な看護師もおりますし、スタッフの専門性を高めることにも尽力しています。もし、私にうまく話せなかったり、話しそびれたりした場合は、スタッフにも安心してご相談いただけると思います。

移行期のお子さんを支えることにも尽力されていますね。

アレルギーの治療は一般的に長期にわたることが多く、小児科から成人の医療へと橋渡しが必要なケースもあります。患者さんが青年になって親から離れていく時、自分の病気や治療を理解し、自分自身で納得しながら治療を進めていくことが大切です。ですから、その心構えを伝えることや実際の医療機関の紹介に力を入れています。まずは自分の症状を、親ではなく自分で説明できるようになり、さらに治療に対する理解と選択もできれば、主体的に治療に取り組めますよね。でも実際はなかなか難しいので、もし大きくなっても当院に通いたければ、「顔を見せてもらっていいよ」と伝えています。うまく次のステップへ移れるように、患者さんに伴走したいと思っています。

アレルギーや喘息で悩むお子さんを持つご家族に、メッセージをお願いします。

寺田明彦院長 てらだアレルギーこどもクリニック6

アレルギー体質は、遺伝として受け継がれることが多いですが、同じ遺伝子を持った人がみんなアレルギーになるわけではなく、病気になるスイッチが入るかどうかだと考えています。また、現在の研究では、アレルギーを起こす原因物質が皮膚や鼻の粘膜から体の中に入ってきて、アレルギーになるという考え方もあります。例えば乳児期に湿疹があると、皮膚から卵、牛乳、小麦、ナッツ類のアレルゲンが体に中に侵入して食物アレルギーを発症するメカニズムです。症状が続くようであれば、患者さん・保護者が決して自己判断せずに、受診していただきたいです。ステロイドの塗り薬や吸入薬も適切に使えば怖い薬ではありませんし、患者さんに一番合った方法で治療をしていきたいですね。子どものアレルギー疾患は、決して治らない病気ではないと思っています。ぜひご相談いただけたらと思います。

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