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石田 清隆 院長の独自取材記事

広島ステーションクリニック

(広島市東区/広島駅)

最終更新日:2021/10/12

石田清隆院長 広島ステーションクリニック main

広島駅新幹線口から徒歩2分の場所にある「広島ステーションクリニック」は、一般的な内科診療のほか、がんの早期発見、栄養指導や運動療法を重視した生活習慣病治療に力を入れるクリニックだ。院長の石田清隆先生は、肝細胞がんの治療・研究に長年従事し、2010年に同院を開業。「画像診断に関してはプライドを持って取り組んでいる」と自信を見せる。来年還暦を迎えるとは信じられないほど若々しく活動的な石田先生に、クリニックの取り組みを聞いた。

(取材日2020年9月3日)

肝臓のスペシャリストとして先進の治療、研究に没頭

建物が駅と直結していて、好アクセスですね。

石田清隆院長 広島ステーションクリニック1

立地の良さ、そして地下に大型の駐車場を備えていることが、この場所を選んだ決め手です。患者さんにストレスなく通っていただきたいですからね。でも開業した10年前は、これから開発が始まるという時期だったので、駅直通の高架通路がなかったんですよ。ですから当時は当院の場所がわからなくて、途中で帰ってしまった患者さんがたくさんいましたね。今ではこのエリアは「エキキタ」と呼ばれてホテルもたくさん建ち並び、とてもにぎやかになりました。新幹線口からすぐなので県外からの患者さんも多く、高知県や島根県、福岡県のほかに大阪府から来る方もいます。

先生はなぜ医師を志したのでしょうか?

石田清隆院長 広島ステーションクリニック2

母が出産後に体が弱くなってしまって、よく病院のお世話になっていたんです。母が体のことで苦労している姿を見ていましたし、母の勧めもあって医師をめざしました。愛媛大学医学部に入学し、卒業後はそのまま同大学病院の医局に入り、大学病院や地域の中核病院に勤務しました。肝細胞がんを専門に、血管造影やラジオ波を用いた治療、化学療法など、さまざまな治療や研究に携わりましたね。大学病院では肝がんチームの責任者を務めましたが、恩師の先生がこの分野でよく知られている方だったので、負けてはいられないと必死で勉強したこともいい思い出です。愛媛には20年ほどいて、広島には2008年に帰り、広島市立広島市民病院に2年勤務した後、開業しました。

肝臓は「沈黙の臓器」といわれますが、先生はそのスペシャリストなのですね。

肝臓の病気は症状が体に現れた時にはもう手遅れということが多く、これが「沈黙の臓器」といわれるゆえんです。長年肝細胞がんに携わってきた身として、画像診断による早期発見にプライドを持って取り組んでいます。肝細胞がんは、大きさが2cmを超えてしまうと急激に増殖のスピードが上がります。15mmまでは緩やかに成長するので、それまでに見つけることが重要です。当院は大学病院に導入されているような機器を備え、経験豊富な検査技師が在籍しています。私自身は日本超音波医学会超音波専門医の資格を有し、大学病院などで数多くの腹部エコー検査を行って診断を下してきました。この経験を生かして開業後もエコー検査を積極的に行い、小さな異変も見逃さないよう目を光らせています。

培ってきた画像診断技術を駆使し病気の早期発見に注力

どのような機器を導入していますか?

石田清隆院長 広島ステーションクリニック3

長年、たくさんのエコー検査を行ってきたので「もっと診たい」という気持ちもあって、腹部だけでなく、頸動脈、甲状腺も診ることができる先進の超音波診断装置を導入しています。広島市民病院から検査の紹介も多いのですよ。CTも導入し、肺がんの早期発見に役立てています。肺がんはエックス線だけで見つけることは難しいので、「大きな病院で診てもらっているから」とか「人間ドックをしたから」と安心をせず、CT検査が重要だと知っておいてほしいです。2年に1回はCTを撮ることをお勧めしますよ。また診察をして、CTの必要があると感じたら当日中に検査をするようにしています。一般的に、CTのような検査は予約をして後日に検査する、というケースが多いと思いますが、痛みや不調のある患者さんを何日も待たせられません。リアルタイムで検査することを重視しています。

検査体制が充実しているのですね。

石田清隆院長 広島ステーションクリニック4

そうですね。例えばおなかが痛いという人のエコー検査画像を診るとき、痛みのある部分だけではなく、脾臓、腎臓とその血流、膵臓、胃、下腹部、肝臓……と隅々まで見て、死角がないように体位も変えて撮影します。患者さんには絵を描いて所見用紙をお渡ししているほか、検査結果は独自に開発した専用のアプリで画像やコメントを見ることができます。また検査は保険診療の範囲内です。「どうしてそこまで」と思われるかもしれませんが、単純に好きで、プライドを持って診療をしているのです。先進の機器と経験豊富なスタッフがそろい、覚悟と自信を持って、われわれは検査を行っています。

生活習慣病の治療にも力を入れているそうですね。

当院の生活習慣病の治療は栄養指導と運動療法が中心で、お薬にはあまり頼らない方針です。糖尿病の薬はたくさん種類がありますが、では合併症が減っているかというと、そういうわけではありません。大事なのは、いかに糖質を抑えるか。よく、「糖質制限=カロリー制限」と勘違いされますが、お米や小麦など糖質の多い食材を控えて、肉や魚、卵、大豆などのたんぱく質や、ビタミンをしっかり摂取するように指導しています。蒸留酒であれば、少しの飲酒は構いません。患者さんには糖質表をお見せしながら説明し、栄養指導では管理栄養士が初回30分、2回目以降は20分と、しっかり時間をとって指導し、オンライン指導にも対応しています。

適切な食事と運動が健康をつくる

先生も食生活や運動には気をつけているのですか?

石田清隆院長 広島ステーションクリニック5

栄養と運動は健康の基本ですからね。でも私も昔から気をつけていたわけではなくて、開業して4年ほどはまったく運動をしていなかったのですよ。でもそのうちに背中や腰が痛くなって長時間座っていられなくなり、体調も悪くなってしまいました。その時にパーソナルトレーナーと出会い、運動を重視するようになりました。開業してから栄養学も勉強するようになって、健康のためには栄養解析をして適切な食事をとることが非常に大切であると知りました。医学部では栄養学を勉強しませんが、体は食べ物でつくられているわけですから、学ぶ価値があると思いますね。患者さんも、栄養面で問題を抱えて体に不調が表れている人が多く、食事のアドバイスをさせていただいています。

患者さんの健康のために食事や運動の提案をされているのですね。

石田清隆院長 広島ステーションクリニック6

そうですね。特に女性の場合は鉄不足からくる体の不調を訴える人は多いです。女性は毎月の生理で大量の鉄を一度に失います。朝起きにくい、冷え性、疲れやすい、爪が割れている、肌がカサカサしているといった体の不調は鉄が欠乏している可能性が高いのですが、これらの不調を年齢のせいにしている人は多いです。まず薬に頼るのではなくて、適切な食事や、必要に応じてサプリメントの力も借りることで、体調の改善をめざせる人はかなり多いですよ。栄養のバランスが崩れるとなぜ不調を起こすのか、体のメカニズムを説明して、アドバイスを行っています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

私たちの体は食べ物でできています。健康のためには適切な栄養をとり、運動をすることが大切です。患者さんには糖質を控えめにし、赤身のお肉を食べて、適切な運動をすることをお勧めしていますが、年齢を理由に諦めている人は多いです。ですが高齢者になればなるほど、お肉を食べてたんぱく質をとり、運動をすることが大切です。消化液はたんぱく質でできていますから、たんぱく質が不足すると、もっとお肉が食べられなくなるという悪循環にもつながりかねません。当院としても、今後は具体的に料理を紹介するホームページを立ち上げたり、半調理したものをデリバリーやテイクアウトできるサービスができないかと考えています。栄養学を医師の間にも啓発して、栄養面とひもづけて診ることのできる医師が増えてくれればと思っています。

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