城徳 昭宏 院長の独自取材記事
城徳歯科医院
(豊中市/豊中駅)
最終更新日:2026/05/11
豊中駅から徒歩5分。真っ白な外観が目を引く「城徳歯科医院」。ウッディーな内装にグリーンが配された院内の診療ユニットは全室個室で、プライバシーに配慮された落ち着いた空間が広がる。院長の城徳昭宏先生は、岡山大学卒業後にペンシルベニア大学で根管治療を学び、2010年に開業。マイクロスコープやCTなど質の高い機器をそろえながらも、「予防によっていい状態をキープし、治療機器の出番がないという状況をつくれるのが一番」と穏やかに語る。その言葉どおり、歯科衛生士によるクリーニングには1時間かけるなど、同院の診療を求めて受診する人の期待に応えるため、こだわりの歯科医療やサービスを提供している。信頼を重ね、海外や遠方から通い続ける患者もいるという同院の診療哲学について詳しく聞いた。
(取材日2026年4月13日)
すべての選択肢を示し、納得の上で始まる治療
まずは、開業に至るまでの経緯をお聞かせください。

岡山大学を卒業後、複数の歯科医院で勤務しました。その間にペンシルベニア大学へ留学し、根管治療、いわゆる“歯の根っこ”の治療を専門的に学びました。その中で、勤務先の院長が「きちんと治療していれば患者さんは来てくださる。丁寧な治療を求める人は全国どこにでもいるから場所にこだわる必要はない」とおっしゃっていて、その言葉がずっと自分の中にありました。そのため開業するにあたっては、ずっと診療を行ってきた関西圏であれば、場所にはこだわりませんでしたね。ご縁があった豊中の地で、私の診療を求めて来てくださる方の期待に応えられるよう尽力しています。
クリニックづくりでこだわった点を教えてください。
診療ユニットはすべて個室ですが、以前勤務していたクリニックもそうだったことが大きいです。医療の場というのは個人情報を扱う場でもあり、「どんな治療を望みますか」という話も含めて、プライベートなやりとりも多いものです。すぐ隣に別の患者さんがいる空間では話しにくいこともあるでしょうから、少しでも本音を伝えやすい場所にしたいと考えました。内装のウッディーな雰囲気やグリーンの配置はデザイナーの方に、プライバシーが守られつつ和める空間を、というふうにお願いしたんです。設備面では、根管治療の際に有用なマイクロスコープやCT、光学スキャナーなどを時代に合わせて導入しています。やはり、より良い医療に必要なものは、きちんと備えておきたいという思いがありますね。
初めて来院された方には、どのように診療を進めていくのですか?

初診の方にいきなり治療を始めることはほぼありません。痛みがある場合の応急処置は別ですが、基本的にはエックス線写真を撮影するなどして、まず今のお口の状況をしっかりお伝えするところから始めます。そして治療の選択肢をご説明した上で、ご本人が納得されてから治療に入る流れです。その場で決める必要はなく、いったんご自宅に持ち帰って考えていただいて大丈夫。ほかの歯科医院にセカンドオピニオンを求めていただいても構いません。歯科医師と患者さんの関係はどうしても対等になりにくい面があります。私が良かれと思って進めたことがご本人の望みではなかった、ということは避けたいんです。だからこそ疑問に思うことがあれば何でも聞いてほしいと、いつもお伝えしています。
一人ひとりの生活や価値観に寄り添い「食」を支える
治療計画は、どのように考えていくのですか?

以前勤務していた歯科医院では、地元企業の社員さんが多く来院されていました。お仕事もお子さんの世話も忙しくて自分の歯は後回しという方が、リタイア後に時間ができて「今度は自分のために治療したい」と来られていたのですね。同じ方でも、人生のタイミングによってできること、できないことは変わります。だからこそ保険診療・自由診療を問わずすべての選択肢をお伝えした上で、その方の価値観や生活状況に合ったものを選んでいただくことを大切にしています。海外にお住まいの方が帰国のたびに通ってくださることもありますが、滞在期間内に終えられない治療は無理に勧めません。次の帰国まで持たせる応急処置にとどめるなど、一人ひとりの事情に応じた現実的な計画を一緒に組み立てていきます。
診療の中で、特に力を入れていることを教えてください。
私の考えでは、悪くならないように予防することが一番の治療です。そもそも最初から虫歯の人はいませんから、健康な状態をいかに長く保てるかが大切だと思っています。そのためにも、当院では歯科衛生士によるクリーニングに1時間のアポイントを標準で確保し、お一人お一人、丁寧にケアしています。極端な言い方をすれば、メンテナンスの上手な歯科衛生士がいれば歯科医師の出番は少なくて済むのです。それくらい予防の力は大きいと感じています。また、通院されていた経営者の方から従業員の歯の健康について相談を受けたことをきっかけに、産業歯科の分野も学ぶようになりました。地域で暮らす方も会社に行けば労働者です。一般歯科とは別の枠組みではありますが、人の健康を守るというアプローチは変わらないと考えています。
訪問歯科診療など院外で地域医療を支える取り組みにも尽力されているとか。

訪問歯科診療では、ご自身で通院するのが難しい方を中心に診ています。全身疾患を抱え、通常の歯科医院ではリスクが高い方にこそ、できるだけ負担の少ない丁寧な対応が求められると考えています。また私は、豊中市における医療と介護の多職種連携を進めるためのICT(情報通信技術)の導入にも携わりました。看護師や理学療法士、言語聴覚士の方々など、日々患者さんのそばにいる専門職が観察した情報を共有していただくことで、診察室では見えなかった困り事がわかることがあります。食べることは人間の体をつくる基本です。リハビリで体を動かしても、きちんと栄養を取り休息しなければ回復にはつながらないでしょう。「食べる」を支えることが、歯科医師にできる大きな役割だと思っています。
「望む診療が受けられた」と感じてもらえるように
こちらのクリニックの方針について、患者さんの反応はいかがでしょう。

当院の歯科衛生士のクリーニングは1時間ほどかけて丁寧に行いますが、中には「前の歯医者さんは5分10分で終わった」と比較される方もいらっしゃいます。短時間で済ませることを重視される方には、当院の方針は合わないかもしれません。お話を伺ってそう感じたら、私から他院の受診をお勧めすることもあります。自分だけが正しいとは思っていませんし、人の価値観はそれぞれです。大事なのは、患者さんが望むことと、私が「こうすればこの方のためになる」と考えていることがうまく重なっているかどうか。そこが合っていないと、お互いにとって良い結果にはなりにくいものですからね。来院された方が「思っていたとおりの診療が受けられた」と感じてくださることが、私にとっては一番ありがたいことです。
クリニックの診療に、院外活動にと本当に忙しくお過ごしなのですね。
もともと体を動かすのが好きなのですが、ここ数年はスポーツを楽しむ時間も取れないほど、院外での活動もあり非常に忙しくさせていただいています。ですが、患者さんから「先生、ちゃんと寝てる?」と聞かれることもありまして……。患者さんにご心配をおかけするわけにはいきませんし、目の前の患者さんにしっかり向き合うためにも、やはり健康でいなければと改めて実感しています。日々の外来と訪問歯科診療の両面で、地域に暮らす方々の健康を地道に支えていくこと。私自身が健康で、そうした取り組みを積み重ねていき、地域医療に貢献し続けていきたいと思っています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

歯医者さんは痛くなってから行く場所、というイメージをお持ちの方は多いと思います。ですが一番大切なのは、困っていない今の状態をできるだけ長く保つこと。それが私にとっての「一番の治療」です。ご自身の歯で苦労された経験のある方ほど、お子さんだけは虫歯にしたくないと頑張っていらっしゃる姿をよく拝見します。その気持ちを一緒に支えていけたらと思っています。マイクロスコープやCTなど、質の高さにこだわって設備を整えていますが、予防によっていい状態をキープし、そうした機器の出番がないという状況をつくれるのが一番の理想ですね。痛くて削られるという印象ではなく、きれいになってツルツルになる心地良さ。それを知ってもらえたら歯科医院の印象もきっと変わるのではないかと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックを用いた補綴治療/12万円~
※治療内容によって料金が変わりますのでまずはご相談ください。

