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平林 靖高 院長の独自取材記事

ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック

(名古屋市瑞穂区/八事駅)

最終更新日:2020/04/01

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名古屋の山の手・八事から山手グリーンロードを一本中に入った、マンションも数多く立ち並ぶ閑静な住宅街の一角に「ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック」がある。院長の平林靖高先生は、自身が子どもの頃に腎臓の病気で苦しんだ体験と、そのとき医療者たちの温かさに感じた思いを土台に、子どもたちにとって安心して過ごせるクリニックづくりをめざしてきた。小児科・アレルギー専門の医師として豊富な経験と知識をもとに、コメディカルと抜群のチームワークで、子どもが病気をコンプレックスと感じることなく健やかに成長することを願って診療を続ける。そんな平林先生の診療にかける思いをじっくり聞いてきた。
(取材日2017年7月20日)

プロフェッショナルなチーム医療を強みに

2010年に開業し、2016年4月に移転されたそうですね。

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はい。移転に際して、まずは風邪など感染症の患者さん用と非感染症の患者さん用で、待合室・診察室を分けました。慢性のアレルギー患者さんたちが、院内で風邪などの感染症をうつされることがないよう配慮しています。もうひとつは、アレルギー検査のひとつである「食物負荷試験」を行う専用ルームを作ったことです。これはアレルギーの原因となる食品を、微量から反応を見ながら摂取していって、食べられるようになる可能性を調べる検査です。検査自体がアレルギー反応を引き起こすリスクを伴うので、当院では安心して受けていただけるよう、専門の知識を持つスタッフが専用のお部屋で慎重に行っています。なお、アナフィキラシーショックなど重度の反応を起こす恐れがある食べ物に関しては、近くの聖霊病院と連携し、病院管理のもとでの検査を行います。

内装や設備への思い入れもたくさんありそうですね。

小児科ですので、医療機関の怖いイメージ、嫌なイメージを少しでも減らそうと考えました。子どもたちが「ちょっと遊びに行く」感覚で、親しんでいただけるよう、明るく優しい雰囲気をめざしました。また、血液検査や尿検査などの機器は院内にそろえています。小児の場合、刻々と容体が変わっていくので、その時々で状況を判断する必要があるため、検査結果を半日~1日待てないことも多いです。「じゃあ明日まで様子を見ましょう」と言えないこともしばしばですので、一般的な検査はすぐにできるようにしています。

専門知識を持つスタッフの方が何人もいらっしゃるそうですね。

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当院は小児科・アレルギー科として専門性の高い医療の提供をめざしています。そのためスタッフはみんな、スキルが高く勉強熱心な方ばかり。特に看護師4人と薬剤師が、小児アレルギー指導について学び、負荷試験などで活躍してくれています。アレルギーは毎日の生活における、ご自宅でのケアが大切です。専門的な見地から具体的なケアの方法についてしっかりお話するよう努めていますが、これにはコメディカルスタッフたちの力が欠かせません。例えばアトピーのお子さんなら、肌の洗い方やお薬の塗り方を指導するため、実際に目の前で泡立てたりお薬を塗ったりして具体的にお見せしています。管理栄養士が、何をどう食べるかという栄養指導も行っています。スタッフ同士は個性を認め合い、院内の雰囲気は常にポジティブで前向き。チームワークもたいへん良く、当院のひとつの長所だと自負しています。

病気をコンプレックスと思わないでほしい

先生はなぜ医師になり、小児科をご専門にされたのですか?

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私自身小さい頃から病気がちで、ネフローゼ症候群という腎臓の病気を患い、病院に通い詰めでした。でも先生や看護師さんたちは優しく、安心できましたし、周りの子どもたちも楽しそうにしていると感じていました。そんな雰囲気を自分でもつくりたいな、と思ったのです。ですから医師になろうと決めたその時から、めざすのは小児科でした。

先生が大切にしている人生観はありますか?

「一病息災」ですね。「無病息災」という言葉になぞらえて、一つ病気があることで人生の幅が広がる、という意味で使っています。人間、病気もなく元気で一生過ごせるのが理想ですが、それはまずありえません。人生も同じで、何事もなく生きていける人などいない。何かあったときに、それに対して真摯に向き合い、考えて行動すれば、次に同じことが起きたときに対処できるようになると思うのです。もし同じようなことで困っている人がいたら共感できるようになります。アレルギーは長くつきあっていく病気だけれども、今は治療さえしていれば、かなり普通に生活できます。病気があることをコンプレックスに感じてほしくありません。前向きに、うまく付き合えるよう支援する医療を提供したいですね。

先生ご自身が病気を経験されていますので、実感のこもった言葉ですね。

はい。私は、小学生から中学生までは何度も再発して入院を繰り返していましたが、高校生から大学時代は収まっていたので、完全に治ったと思っていました。ところが卒業して研修医としてバリバリ働いていたときに病気が再発。これからというときに口惜しかったですが、でもこうした慢性疾患は、「治すぞ!」と頑張ったからといって治るものではありません。頑張らなくてもいい、薬に頼るところは頼り、病気と共存することを考えました。そういう意味での人生経験は、私は豊富だと思います。

NICUに勤務されていたこともあるそうですが、そこで得たことは何ですか?

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八事日赤(名古屋第二赤十字病院)と城北病院(現:名古屋市立西部医療センター)時代に、NICU(新生児特定集中治療室)に勤務していました。そこでは、新生児の急性疾患に対し、きちんとした治療をしなければ、大きな障害となってしまう可能性があることを目の当たりにしました。クリニックでそんな重症の患者さんを扱うことはほとんどありませんが、私たちの日常においても、検査や処置、声掛け、説明といったやり取りの一つひとつが、精神的にも身体的にも、その患者さんの人生に大きな影響を与える可能性があるということを肝に銘じるようにしています。

患者の向こう側をみて、思いやりのアドバイスを

どんなときにやりがいを感じますか?

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食物アレルギーは、昔は原因となる食べ物は完全に除去するか、大人になるまで食べないのが一般的でしたが、今は食べられるものは食べられる範囲で食べましょう、という流れです。食物負荷試験は「本当に食べられるかどうか」を確認するためのもの。ここへ来る前は「食べちゃいけない」と思っていた子どもたちに「こんなふうにちょっとずつ食べられるようになるよ」と教えると、本当にうれしそうに、目をキラキラ輝かせて食べて喜んでくれるんです。すごくうれしいですね。

診療で大事にしていることをお聞かせください。

「常に患者さんの向こう側をみる」ことを心がけています。例えば「発熱で受診」のケース。ただ熱があるだけなのか、主訴以外に何か求めていないか、なぜ今日ここにきているのかを考えるようにしています。普段は落ち着いているお母さんが今日は慌てた様子なら、声をかけてあげることが必要かもしれません。また、診察して薬を出して終わりではありません。ご自宅でのケアは家族背景などが大きく影響を与えます。例えばお父さんが単身赴任である、祖父母も同居している、きょうだいがいる、といった家族構成によってもアドバイスの内容は変わってきます。それらを少しでもくみ取れるよう、スタッフにもいつも話しています。

病児保育の施設を併設していますね。

この地域は共働きの家庭が多く、急に休むことができないような職業の方もかなりいます。私の妻も薬剤師として働いていたので、子どもが熱を出したりすると大変で、切実な問題でした。開業医である以上、地域に貢献したいという思いもあり、2012年1月、名古屋市の助成事業に参画する形で開所しました。定員7人、保育士が常時3人、看護師1人で運営しています。保育士の人材確保は大変なのですが、病児保育は地域に必要なもの。もっと知っていただいければと思います。

今後の展望についてお聞かせください。

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小児科は一般的には15歳までが対象ですが、当院には20歳くらいの方まで来られます。開業して7年、当時生まれたばかりだった子が今は小学生になっています。こうして、成長する姿を見ることができるのは、小児科の一番の醍醐味。これからも、地域の人に安心していただける小児科・アレルギー科の専門医療を提供し続けるため、スタッフともども日々研鑽を積み、私自身も健康に気を付けながら、続けていきたいと思っています。

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