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平林 靖高 院長の独自取材記事

ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック

(名古屋市瑞穂区/八事駅)

最終更新日:2025/10/28

平林靖高院長 ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック main

山手グリーンロードから通りを一本中に入った住宅街にある「ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック」。日本小児科学会小児科専門医と日本アレルギー学会アレルギー専門医である平林靖高院長は、これまでの経験で培った豊富な知見とスタッフとの抜群のチームワークを生かして患者とその家族に親身に寄り添っている。その根底にあるのは、自身が子どもの頃に病気で苦しんだ体験とその時に感じた医療者たちの温かさだという。だからこそ自身も、患者が安心して過ごせるクリニックづくりに努めている。そして、そのまなざしは院内だけではなく、病児保育施設の運営など地域社会にも向けられている。開院から15年を迎えた平林院長に今までを振り返ってもらいながら、診療にかける思いや今後の展望について聞いた。

(取材日2025年9月11日)

小児科専門医・アレルギー専門医として親子に寄り添う

今年で開院から15年だそうですね。振り返っていかがですか?

平林靖高院長 ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック1

開院にあたって「心も体も安心できる医療を提供する」という理念を掲げました。多くの方に受け入れていただき、支えられて、ここまでやってこられたと感じています。小児科は一般的には15歳までが対象ですが、当院には20歳くらいの方まで来られます。開院当初に赤ちゃんだったお子さんが今や中高生。小さい頃に来院した患者さんが成長して親となり、お子さんを連れて来院する、ということもありました。こうして、成長を一緒に見られることは小児科の一番の醍醐味です。ここ最近の変化はアレルギー患者さんの来院が増えたこと。名古屋市内のみならず、市外や県外からも来られます。近年は、免疫抑制剤や生物学的製剤が治療法に加わったことで、重度のアトピー性皮膚炎であっても、症状の軽減が見込めるケースが見られるようになりました。

他にはどんな治療や検査を行っていますか?

喘息に対しては、呼吸機能検査を行い、気管支の炎症や息苦しさを数値化して把握。ステロイド吸入などを用いて発作のコントロ―ルをめざします。スギ花粉症やダニアレルギーについては、舌下免疫療法に対応しています。3~5年間、毎日続けないといけませんが、治療の途中でも発作の抑制が期待できます。また、食物アレルギーについては、アレルギーの原因となる食品を、微量から反応を見ながら摂取していって、食べられるようになる可能性を調べる検査「食物経口負荷試験」に対応しています。検査自体がアレルギー反応を引き起こすリスクを伴うので、当院では安心して受けていただけるよう、専門の知識を持つスタッフが専用の個室で慎重に行っています。「おいしく楽しく食べる」をモットーにアレルギーのお子さんを対象としたイベントを開催したこともあります。クリスマス会では、小麦粉の代わりに米粉を使ってケーキを作りました。

アレルギーの専門知識を持つスタッフの方がいらっしゃるのですね。

平林靖高院長 ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック2

開院間もない頃から勤務しているスタッフもいて、皆スキルが高く勉強熱心です。特に看護師5人と薬剤師が、小児アレルギー指導について学び、負荷試験などで活躍してくれています。アレルギーは毎日の生活におけるご自宅でのケアが大切です。専門的な見地から具体的なケアの方法についてしっかりお話しするよう努めていますが、これにはスタッフたちの力が欠かせません。例えば、アトピー性皮膚炎のお子さんなら、肌の洗い方やお薬の塗り方を指導するため、実際に目の前で泡立てたりお薬を塗ったりして具体的にお見せしています。スキンケアは毎日のことなので、大変ですよね。兄弟の人数や塾へ行っているかなど個々の家庭環境をお聞きして、薬を塗るタイミングを提案しています。アレルギー食品を除去している場合、その分の栄養を補うことも考えないといけませんから、何をどう食べるかという栄養指導を管理栄養士が行っています。

安心して通える環境づくりに注力

内装や設備のこだわりを教えてください。

平林靖高院長 ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック3

医療機関の怖いイメージを少しでも減らしたいと考え、お子さんたちに「ちょっと遊びに行く」感覚で親しんでもらえるよう、明るく優しい雰囲気をめざしました。受付カウンターのタイルや水槽は、ちょうどお子さんの視線と合うように低めに設計してあるんです。待合室の絵本は少しずつ蔵書が増え、1000冊を超えました。2016年にこちらに移転したのですが、その際、入り口を2つにして風邪などの感染症の患者さん用と非感染症の患者さん用で、待合室・診察室を分けました。慢性のアレルギー患者さんたちが、院内で風邪などの感染症を移されることがないようにとの配慮からです。すべての部屋に窓を設置し一年中、窓を開けて換気を行っていますし、空気循環システムも導入しています。また、血液検査や尿検査などの機器を院内にそろえています。小児は刻々と容体が変わっていくため、その時々で状況を判断できるようにしています。

診療において大切にされていることは何ですか?

小児科ですので、お子さんの健康や成長を保護者の方と一緒に見守っているつもりでいます。そのためには親御さんとの信頼関係が大切。風邪を引いたお子さんが受診した場合に「風邪ですね」で終わるのではなくて、どのようにケアをしてあげたら良いのか、具体的な話までして差し上げたいと思っています。2012年より、名古屋市の助成事業に参画する形で病児保育施設の運営にも取り組んでおり、「かるがも」と「ひばりの森」の2施設を運営しています。この辺りも共働きの家庭が多く、子どもが熱を出したりしても急に休むことができない職業の方も見えます。病気の時にわが子を預けることは後ろめたい気持ちになりがちですが、少しでも気持ちが軽くなるような施設でありたいですね。お子さんやその家族が笑顔でいることは、地域全体を明るくすると思うんです。おこがましいですが、地域が明るくなれば日本全国みんなの元気につながる、と信じています。

NICUに勤務されたこともあるそうですが、そこで得たことについてお聞かせください。

平林靖高院長 ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック4

名古屋第二病院と名古屋市立大学医学部付属西部医療センター時代に、NICU(新生児特定集中治療室)に勤務していました。そこでは、新生児の急性疾患に対し、きちんとした治療をしなければ、大きな障害となってしまう可能性があることを目の当たりにしました。クリニックでそんな重症の患者さんを扱うことはほとんどありませんが、私たちの日常においても、検査や処置、声かけ、説明といったやりとりの一つ一つが、精神的にも身体的にも、その患者さんの人生に大きな影響を与える可能性があるということを肝に銘じています。

病気や育児のことを気軽に相談できる存在でありたい

小児科を専門とされたきっかけを教えてください。

平林靖高院長 ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック5

私自身小さい頃から病気がちで、ネフローゼ症候群という腎臓の病気を患い、病院に通い詰めでした。でも、そこで出会った医師や看護師さんたちが優しく、安心できましたし、周りの子どもたちも楽しそうだと感じていました。そんな雰囲気を自分でもつくりたいと思ったのです。ですから、医師になろうと決めたその時から、めざすのは小児科でした。

先生が大切にしている人生観はありますか?

「一病息災」です。「無病息災」という言葉になぞらえて、一つ病気があることで人生の幅が広がる、という意味で使っています。病気をせず元気で一生過ごせるのが理想ですが、それはまずあり得ません。私自身、中学生までは何度も再発して入院を繰り返していましたが、高校・大学時代は収まっていたので、完全に治ったと思っていました。ところが、卒業して研修医として働いていた時に病気が再発。これからという時に口惜しかったですが、こうした慢性疾患は、「治すぞ!」と頑張ったからといって治るものではありません。頑張らなくてもいい、薬に頼るところは頼り、病気と共存することを考えました。そういう意味での人生経験が、私は豊富だと思います。アレルギーは長く付き合っていく病気だけれども、今は治療さえしていれば、普通の生活を送ることがめざせます。前向きに、うまく付き合えるよう支援する医療を提供したいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

平林靖高院長 ひばりがおかこどもとアレルギーのクリニック6

アレルギー治療は、今まで以上に専門性が問われる時代になっているため、より良い医療をお子さんたちに届けられるよう、新しい情報をアップデートし、学び続けたいです。小児医療については、普段の外来では話しづらいようなお悩みに応えるため、0歳児の赤ちゃんと親御さんを対象に「赤ちゃんの外来」を始めました。肌荒れや離乳食の悩み、発達のことなど何でも気軽にご相談ください。

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