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大川 拓也 院長の独自取材記事

ぽっけキッズクリニック

(横浜市緑区/長津田駅)

最終更新日:2020/04/01

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若いファミリー層が多く暮らす長津田みなみ台。その新興住宅街にある「ぽっけキッズクリニック」院長の大川拓也先生は、これまで総合病院で内分泌疾患やアレルギー疾患の子どもの治療に長く携わってきた。地域医療の現場で高い専門性を生かしながら、子どもの健康を支える温かみのあるドクターだ。子どもがポケットの中に大切に育んでいる夢や空想、冒険心を大人になっても失うことなく心に抱き続けてほしい――そんな想いが院名の「ぽっけ」には込められている。子どもの成長を通じて、地域の家族を見守る大川先生に院内外での取り組みについて話を聞いた。
(取材日2016年5月11日)

かかりつけ医として家族と一緒に子どもの健康を見守る

開業に至った経緯について教えてください。

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開業前は大学病院や総合病院などで勤務してきました。子どもたちを治療する中で、医師は小児医療の脇役だということを痛感しました。主役は病気に立ち向かう子どもたちとそれに寄り添うご家族。さまざまな場面で子どもたちやご家族と関わるうち、次第に小児科医であると同時に、そんな家族を支えるホームドクターでありたいという希望を持つようになりました。日々の診療を通じ、病気が重症になってから診るのではなく、病気にならないためのアドバイスや子どもの日々の健康をサポートし、時にはご家族も一緒に治療する総合的な診療が僕の理想の姿だと気づくことができました。でも、病院ではそうしたスタイルの診療は難しいのが現状。そこで、自分のやりたい医療をめざして開業することにしたんです。

開業して、勤務医時代との違いを感じることはありましたか?

大学病院では専門分野である小児内分泌やアレルギー疾患の勉強や診療に力を注いできました。しかし、かかりつけ医はそのような専門性だけでなく、「人」に目を向け、子どもやご家族の生活環境を考慮した上で、一人ひとりに適切なアドバイスをしなければなりません。乳幼児健診や予防接種などは、勤務医時代より深い知識と判断が求められ、自分の専門外でも適切に対応できる柔軟性が必要です。もし当院での対応が難しい場合には近隣の各専門分野の先生や大学病院と連携を図ります。かかりつけ医にはこのような地域で最適な医療をコーディネートする力も必要です。開業医となって苦労することもありましたが、経験を積むうちに自分の理想とする医師像に近づいていることを実感しています。僕自身も一人の父親としてご家族が子どもを心配に思う気持ちはよくわかります。不安があれば何でも相談いただける存在でありたいと思います。

診療にあたって、どのような姿勢で臨まれていますか?

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親御さんの話を丁寧に伺うのはもちろん、子どもの言葉や表情にも常に気を配っています。よく他科の先生から「子どもは症状をしゃべらないし、言うことを聞かないから大変だね」と言われることがありますが、そんなことはありません。聞こうという気があれば、子どもは素直に言葉や態度で伝えてくれます。赤ちゃんだって表情で訴えますし、痛いところを触れば全身で嫌がって教えてくれます。大切なのは、あるときは親御さんの立場で、またあるときは子どもと同じ目線に立って話を聞き、説明してあげることだと思います。

専門性の高い治療や情報を身近にわかりやすく提供

こちらのクリニックならではの治療はありますか?

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成長障害の診療は当院の特色の一つです。僕の専門でもあり、横浜市内全域、近隣の市など少し離れた地域の方からも相談があります。普段からからかかりつけの子どもたちに対しては半年に1回は身長と体重を測定して成長曲線を作成しています。このような日頃の観察が異常の早期発見につながることも少なくありません。成長障害など異常が発見された場合には専門の外来で、より詳細な検査や診察を行います。開業から6年が経過し、当院で成長ホルモン分泌不全性低身長症やSGA性低身長の診断で成長ホルモン治療を受けている患者さんも増えてきました。成長ホルモン治療は在宅での自己注射が必要です。このような場合には患者さんの不安を少しでも低減できるよう、患者さん一人ひとりに専任の看護師を決めて対応しています。

受診する側にとってはうれしい配慮ですね。他にはどんな患者さんが多いですか?

アレルギー疾患、中でも気管支喘息の患者さんは増加傾向です。気管支喘息は慢性の気道の炎症が特長で、炎症を抑えないとちょっとした刺激で発作を繰り返してしまいます。このような状態が長期間持続すると喘息が重症化し、肺機能が低下する場合があります。当院ではこの気道の炎症や、コントロールの状態を客観的に評価するために肺機能検査や呼気一酸化窒素濃度の測定を行います。喘息は外来での診療とともに、日頃からのセルフコントロールが重要です。その方法として「ぜん息日誌」を活用します。これは、自宅で肺機能が評価できるピークフロー値や体調などを記録していただくものです。発作の傾向が把握でき、患者さん自身の「病気を管理する」という意識を高める上でも一役買っています。

「ぜん息教室」について教えて下さい。

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気管支喘息をセルフコントロールするためには、喘息の正しい知識が必要です。この喘息の理解を深めるために行っているのが「ぜん息教室」。毎年子どもたちの夏休み頃に行っていて、診療の中では説明しきれない喘息の病態や環境整備の重要性、「ぜん息日誌」の活用方法についてご家族を対象に解説しています。ピークフローの実演も行いますので、この「ぜん息教室」をきっかけにして喘息のセルフコントロールに取り組む方も少なくありません。診察室だと聞きづらいこともリラックスして質問できたり、親御さん同士の意見交換の場として話が盛り上がることもあります。今後は喘息だけでなく「子ども健康教室」として、テーマをさらに広げて発信していきたいです。

スタッフや地域の多職種とともに地域を支えたい

開業して6年経ち、最近変わったことは?

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昨年から、女性医師の吉崎先生が常勤で診療を担当するようになり、診療全体の幅と質がより高まってきました。これまでも大学病院の先生方に非常勤としてお手伝いいただき、2診体制をとっていたのですが、患者さんの経過を長く追えるのは僕1人という課題がありました。吉崎先生の加入でこの課題が克服できたのは非常に大きい変化だと思います。僕とは違った女性らしい気配りや、お母さん目線でアプローチもでき、大学病院時代の経験を生かして腎疾患や夜尿症の相談、アレルギー疾患などの専門性の高い治療を得意としているのも強みです。思春期の女の子は女性医師のほうが相談しやすい場合も多いので、患者さんやご家族にとって選択肢が増えるのは非常に良いことだと思います。最近は「吉崎先生に診てもらいたい」という要望も増え、うれしく思っています。

ドクター以外のスタッフについてはどうですか?

僕が患者さんと接するのは診察室の中だけですが、院内では他のスタッフが常に患者さんの様子に気を配っています。体調が悪そうな患者さんには診察の順番までベッドを勧めたり、診察後には看護師がお母さんの相談を受けたり、医師の説明で不十分なところがあればそれを補ってくれます。気管支喘息の吸入指導、アトピー性皮膚炎のスキンケア指導、成長障害の自己注射の指導なども看護師の業務です。気になる患者さんの情報はミーティ ングを通じて皆で共有します。個々のレベルアップのために毎月院内で勉強会を開催して院外の講演会にも積極的に参加しています。現在のぽっけキッズクリニックの診療の質を維持できるのは、このようなスタッフの連携と一人ひとりの向上心があってこそ。スタッフすべてが「子どもたちの夢と健康を守る」というぽっけの理念を共有していることが当院の最大の強みです。

今後の目標についてお聞かせください。

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最近、保育園や学校の先生から「ぽっけに通院している子の様子で気になることがあって」と連絡をいただけるようになり、これは良い傾向だと感じています。子どもの健康というのは診療所だけで守れるものではありません。先にも述べた通り、子どもを中心として保護者、かかりつけ医、保育園や幼稚園、学校などが手を取り合って子どもたちを見守る必要があります。僕たちクリニックのスタッフも、今後は今まで以上に地域に飛び出して情報を発信していかなければいけません。「健康教室」もそんな試みの一つですが、積極的に診療以外の活動にも取り組んでいきたいと思います。

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