多職種スタッフとの連携
患者の予防意識の向上をめざす
エール歯科医院
(鹿児島市/鹿児島中央駅)
最終更新日:2023/07/20
- 保険診療
最近の歯科医院では、初診で訪れた際にまずカウンセリングルームへ案内されることが多い。しばらく歯科医院から足が遠のいていた人は驚くかもしれないが、治療台で話をするのではなく、カウンセリングルームでトリートメントコーディネーターという役割のスタッフと話をすることが最初のステップとなる。「歯科医師が治療に入る前に、患者さんの主訴や要望を聞き取り、歯科医師にその情報を伝えるのが主な役割です」と教えてくれたのは、「エール歯科医院」の戸川寛院長。診療台の上で歯科医師と話をするよりもリラックスした状態で患者の話を聞き出すためにそのステップが重要だという。歯科医師や歯科衛生士だけでなくスタッフ全員で連携しながら予防歯科に尽力する戸川院長と同院スタッフに、同院のチーム医療について聞いた。
(取材日2023年6月23日)
目次
初診から患者の要望、状況を把握して、オーダーメイドな治療、メンテナンスへとつなげるスタッフの連携
- Q貴院の予防歯科の特徴を教えてください。
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A
【戸川院長】どんなに毎日歯磨きをしていても、虫歯菌や歯周病菌が互いに連鎖し合い、「バイオフィルム」という膜ができてしまいます。これは、セルフケアだけでは取り除くことはできません。プロのケアで取り除くことが予防につながりますから、虫歯を治療した後のメンテナンスには注力しています。当院には歯科衛生士が9人在籍し、患者さんの定期的なメンテナンスをしています。完全な担当制ではありませんが、シフトを調整するなどしてできる限り患者さんの要望に沿えるよう努めています。また、開業当初からカウンセリングを重視していて、トリートメントコーディネーターというスタッフが患者さんの要望や症状をお聞きしています。
- Qトリートメントコーディネーターとは、どんな役割なのでしょう?
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A
【冨森さん】初診の患者さんに対しては、治療前に当院のコンセプトなどをご説明し、症状や悩み、治療への要望などを聞き取り、診察後には今後の治療の内容や流れ、費用についてなどをお話ししています。患者さんと歯科医師、歯科衛生士の間に入ってコーディネートするのが役割ですね。治療中、歯科医師には聞きづらいこともあると思いますが、カウンセリングルームという個室でお話をするので、患者さんもリラックスして聞きたいことがしっかり聞けると思います。さらに、SNSでも歯科情報だけでなく口腔内写真を共有するなどしながらコミュニケーションを深めています。
- Q患者さんと接する時にはどんなことに気をつけていますか?
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A
【原田さん】緊張していたり怖がっている患者さんには、「痛くないですか」などの声かけをしながら、できるだけ笑顔で接するようにしています。そして、患者さんが治療やメンテナンスを継続できるよう、工夫しています。 【石塚さん】例えば、ご自身の口腔内の状態を知ってもらうために染め出しをし、前回と比較してどこが磨けていなかったのかなどを、目で確認していただきます。前回よりも良くなっていればモチベーションにもつながりますよね。また、悪くなっていたとしても、そこを責めるのではなく、できているところを褒めた上で、頑張ってほしいところを伝えます。少しずつ良くなっていけるよう、根気よく見守っていきたいですね。
- Qこちらでは歯科医師も複数在籍しているそうですね。
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A
【宇都先生】院長を含め、6人の歯科医師が在籍しています。私たちはまだ勤務して3ヵ月目ですが、クリニックのスタッフ全員がコミュニケーションをしっかりと取っていて、明るい職場だと感じました。患者さんも定期的に通ってくださる方が多く、皆さん優しい方が多いです。院長の予防歯科の意識が浸透しているのだなと思いました。 【志田先生】治療についても、経験豊富な先輩歯科医師がいらっしゃるので、意見を聞くことができます。とても勉強になりますし、心強いですね。まだ入ったばかりですが、戦力になれるように精進していきたいです。
- Q戸川院長にとってスタッフはどんな存在なのでしょうか?
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A
【戸川院長】私が患者なら行ってみたいと思う歯科医院を、スタッフと一緒につくっていきたいと思っています。それぞれの役割を明確にし、各スタッフが一人の患者さんに対して自分の家族のように親身になった対応をしています。歯科衛生士やトリートメントコーディネーターだけでなく、当院では託児も行っていますから、保育士兼歯科助手スタッフも活躍しています。私から指示することなくみんなが自主的に動いてくれているので、安心して任せていますね。3ヵ月に1度はミーティングを開いて意見交換をしていますし、日頃からスタッフ間で情報を共有し、全員で協力して患者さんに向き合っていると思います。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。