全国のドクター9,122人の想いを取材
クリニック・病院 161,398件の情報を掲載(2020年4月05日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 茅ヶ崎市
  4. 茅ケ崎駅
  5. 林糖尿病内科クリニック
  6. 林 勉 院長

林 勉 院長の独自取材記事

林糖尿病内科クリニック

(茅ヶ崎市/茅ケ崎駅)

最終更新日:2020/04/01

162638

茅ヶ崎市新栄町、JR「茅ヶ崎」駅北口から3分ほど歩いた先、跨線橋のたもとに立つ医療ビル2階に「林糖尿病内科クリニック」はある。2010年の開院以来、地域住民はもちろん、アクセスの良さを生かして遠方からも多くの患者が訪れるクリニックだ。落ち着いた雰囲気の待合室に入ると、林勉(はやし・つとむ)院長が柔和な笑顔で出迎えてくれた。「糖尿病は長くつき合う必要がある病気。だからこそ、患者さんの背景に合わせた治療が必要です」と熱を持って語る姿に、思わず引き込まれてしまう。生活習慣、社会環境の変化とともに、患者数を増加させている糖尿病と真摯に向き合い、健康寿命の延伸を追求する林院長に、そのめざす医療について話を聞いた。
(取材日2019年3月18日)

糖尿病合併症の発生と悪化を抑えることをめざす

クリニック名に冠するとおり、糖尿病での受診が多いのでしょうか?

1

患者さんの8割ほどは糖尿病での受診になっています。糖尿病はひとたび発症すると治癒は難しい病気ですが、適切な管理を行うことで、合併症や病状の悪化を防ぐことはめざせます。当院では糖尿病の患者さんに定期的に通院していただくことで、病気との上手なつき合い方を身につけていただくことを目標に診療を行っています。もちろん、ご自身の努力だけでは難しいところもありますし、生活習慣を変えることは言うほど簡単ではない場合も多いです。しかし、長くつき合うこととなる病だからこそ、患者さんご自身が意識を持って病気と向き合うためのお手伝いをしたいと願っているのです。

近頃、新たに予約制を採用されたと伺いました。

2010年の開院以来、予約制というかたちはとらず、来ていただいた順に診察するというスタイルでやってきました。しかし、診療を続けるうちに、おかげさまで患者数も増え、開院前からエントランスにお並びいただくなど、待ち時間が大きな課題となってきました。この課題をクリアするため、1年ほど前から予約制を採用させていただきました。幸い、当院では定期的な管理通院の患者さんが多く、「今日、急に受診が必要」というケースはまれになっています。そのせいかスムーズに移行でき、「待ち時間が短くなって助かる」とご好評をいただいております。もちろん、必要に応じて当日受付もしておりますので、急な病態悪化についてもご相談ください。

どのような患者さんが多くいらしていますか?

健康診断で糖尿病疑いの指摘を受けていらっしゃる方や、他院や、すでにご受診いただいている患者さんからのご紹介でいらっしゃる方などが多くなっています。当院では、血糖値、ヘモグロビンA1c(グリコヘモグロビン)測定器を設置しており、早ければ約5分で糖尿病判定が可能です。お忙しい方でもお仕事などの合間に検査を受けていただけます。また、糖尿病の合併症の判定にも力を入れておりますので、気がかりがある場合にはぜひご相談いただきたいと思います。

糖尿病の合併症とはどのようなものですか?

2

糖尿病に関連した疾患の中でも、「糖尿病網膜症」、「糖尿病腎症」、「糖尿病神経障害」は3大合併症といわれています。糖尿病網膜症では近隣眼科と密に連携をとって眼底検査を受けていただき、定期的に調べます。そのほか、足底観察や振動覚、音叉などで神経障害を評価したり、尿検査や血液検査で腎機能を評価したりと、合併症を見逃さないための体制を整えています。また、頸動脈エコーや血管年齢検査で動脈硬化の程度を評価することも可能です。

患者の生活背景を探り、それに即した治療を提案

診療にあたり、心がけていらっしゃることはありますか?

3

病気の状態を知るための検査も重要ですが、それと同様に患者さんの背景を探ることも大切に診療にあたっています。糖尿病は生活習慣に関わる病気であり、患者さんの生活環境、勤労状況などへの理解なしには治療は難しいと考えています。「規則正しい食事を取って、適度な運動を」とアドバイスしても、お仕事がとても忙しい方にとっては実行するのは難しいもの。理想を押しつけるだけでは、患者さんの納得できる治療とはいえないと思うのです。だからこそ、診察の際にはできる限り時間をとってお話を伺い、お仕事の忙しさや睡眠状況、ご家族と同居か否かなど、患者さんのプライベートにおよぶバックグラウンドを探ります。その上で、それに即した治療や生活習慣改善を提案することこそ、大切だと思っているのです。

患者さんにとって「手の届く」アドバイスを探されるということですか?

そうです。この辺りは東京や横浜への通勤圏でもあり、長時間通勤も当たり前。そんな中、運動の時間をとることは難しくても、1駅手前で電車を降りて歩いてみるとか、できるだけ階段を利用してみるなど、できることはあるはずです。食事に関しても同様で、コンビニ食が中心という方に急に自炊を勧めるのは現実的ではありません。しかし、「普段よく食べている○○を△△に代えてみましょう」程度のアドバイスでも、生活習慣の改善につなげることができるのです。患者さんに「病気のためにできること」の引き出しをたくさんご用意して差しあげるという感覚ですね。

スタッフにはどのような方がいらっしゃいますか?

4

糖尿病について専門的に学んだ管理栄養士や看護師に加え、臨床検査技師などがおります。患者さんに対しても適度な距離感を保ちつつ、上手にコミュニケーションをとってくれているので、安心して任せられますね。先にお話しした生活改善のアドバイスなどでも、世間話なども含めてお話を伺いながら患者さんの心をほぐし、知識に基づくリアルなアドバイスを提供してくれていて、心強く感じています。私以外のスタッフは全員女性なのですが、女性ならではの気遣いがあることも非常に助かっていますね。

健康寿命延伸のため、糖尿病分野での地域連携にも注力

医師をめざすようになったきっかけと、糖尿病を専門に選んだ理由について教えてください。

5

高校生の頃、具体的に進路をどうするか考え始めた時に、人の役に立つことを仕事にしたいなと思いました。そして、子どもの頃近所のクリニックを受診し、薬をもらうとすぐ回復につながったことから、「お医者さんってすごいな」と思っていたことを思い出し、医師になる道を選択しました。大学での研修で糖尿病の患者さんを診ていた際、若い時から合併症が出たり透析をされたり、目が見えなくなっていたりというケースを何度も診ました。もっと早い段階から治療していたら、という思いから、普段より予防的に診ていくことにやりがいを見出しました。

院外での活動で、力を注いでいらっしゃることはありますか?

茅ヶ崎市・寒川町の医師やコメディカルからなる「茅ヶ崎寒川地区糖尿病地域連携クリティカルパス協議会」の活動です。糖尿病は専門の医師だけでは診きれるものではなく、一般内科との連携は欠かせないもの。合併症を見逃さず良い状態を維持するために眼科や歯科など他科との連携も不可欠です。さらに、薬剤師、看護師、管理栄養士などが一体となって情報交換や啓発活動などを通し、地域全体で糖尿病を抑えるための模索を続けているのです。こうした取り組みは地域医療の底上げにつながると信じ、積極的に参加しています。

最後に読者へ向けて、メッセージをお願いします。

6

まずは、定期的な健康診断の受診をお勧めします。そして、健診結果で病気の疑いがあるようでしたら、ぜひ一度は専門のクリニックへご相談ください。糖尿病の場合、血縁者に糖尿病の方がいらしたら特に注意が必要です。体質が似ているということもありますが、食事や睡眠など同じ生活環境に起因していることも考えられます。また、昔に比べて体重が増えたという方がいれば、これも要注意です。糖尿病の初期は、血糖値が高めというデータの他に、どこかが痛んだりかゆくなったりという自覚症状があまり出ないことも多いのです。しかし、症状がないから大丈夫と思うのではなくて、放っておくと今後どうなるかということをしっかりご理解いただきたいと思います。健康で長生きするためには、何年か先のことを見据えながら、今から少しずつ生活改善の努力を続けていくことが大切なのです。

Access