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石原 慎一 院長の独自取材記事

石原消化器内科クリニック

(善通寺市/善通寺駅)

最終更新日:2024/05/30

石原慎一院長 石原消化器内科クリニック main

2010年に石原慎一院長が開業した「石原消化器内科クリニック」は、JR土讃線・善通寺駅から車で5分。飲食店や調剤薬局を併設する複合施設内にある。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本肝臓学会肝臓専門医の資格を持つ石原院長は、約15年前の開業当時から一貫して、「苦痛の少ない内視鏡検査」の実現に心を砕いてきた。すべては、胃がんや大腸がんをはじめとした消化器疾患の早期発見・早期治療につなげるため。2015年に増築した内視鏡棟には、5室の前処置室や2室の内視鏡検査室を設け、できるだけ多くの地域患者を受け入れる体制を整えている。己の信念と熱い使命感に従って、中・西讃地区の地域医療に貢献する石原院長に、これまでの歩みや内視鏡検査へのこだわりを聞いた。

(取材日2024年3月7日)

自らの診療スタイルを体現すべく、開業医に転身

医師としてのご経歴からお聞かせください。

石原慎一院長 石原消化器内科クリニック1

初めは父と同じ銀行員になるつもりだったのですが、両親の勧めもあって、倉敷市の川崎医科大学に進学しました。医学部を卒業した学生の大半は大学の医局に所属して、その関連病院に勤務しながら一人前の医師をめざすと思います。けれども私は医局には入局せず、卒業後は自らの意志で岡山市の市中病院に勤務しました。尊敬する先生とともに消化器内科領域の診療経験を積み、その後は語学留学のためオーストラリアへ。帰国後も医局の枠組みには捉われずに、大阪府吹田市の市立吹田市民病院に入職しました。当時、緊急内視鏡に対応する医師が不在だったこの病院では自分から手を挙げて、24時間365日、オンコールに応える日々を送りました。この頃の合言葉は「はい、喜んで」。私が消化器内科の医師としてスキルアップできたのは、市立吹田市民病院での2年間があったからです。

その後は、香川県に戻られたのですか?

故郷へ帰り、丸亀市の香川労災病院に籍を置くようになりました。期間は4年ほどでしょうか。在籍中には胆嚢や膵臓の治療における診断能力向上を目的として、北海道の総合病院への国内留学も経験しました。帰還後もより高度な医療の提供をめざして奮闘していましたが、自分の信念や診療スタイルを突き詰める中で、開業が最善策だと考えるようになったのです。32歳という年齢での開業は、少々珍しかったかもしれません。医師の家庭ではなかったので、当時は場所を探すところからのスタートでした。もともと結婚式場だった建物を改修して、調剤薬局や飲食店、整形外科クリニックとともに複合施設として開業したのが2010年。来年で15周年ということになります。

内視鏡検査の設備がとても充実していますが、これは開業当時からですか?

石原慎一院長 石原消化器内科クリニック2

最初は大腸内視鏡検査の前処置室が個室ではなく、トイレも2つだけという環境でした。だんだん患者さんが増えていったことで、開業から5年目を迎える2015年に内視鏡棟を増築。個室の前処置室を5室、完成させました。このうち1室は2人用で、ご夫婦などでの同時入室が可能です。プライバシーが守られた個室では、リラックスした状態で検査の準備をすることができます。1部屋だけだった内視鏡検査室も2部屋に増やし、週に2〜3日は非常勤の先生にも来ていただきながら、現在はより多くの患者さんを受け入れています。検査を実施する時間は、おおむね朝からお昼頃にかけて。外来診療と並行しながら、上部消化管の内視鏡検査や大腸内視鏡検査を行っています。加えて、休みの時間には市内の基幹病院で内視鏡診療を手伝いながら、後進の指導にあたっています。こちらから入院患者さんを紹介するケースもありますから、お互いに持ちつ持たれつの関係性です。

待機時間を短縮し、苦痛に配慮した内視鏡検査を提供

15年前と今とで、患者さんの変化はありますか?

石原慎一院長 石原消化器内科クリニック3

開業したばかりの頃は、外来の患者さんがゼロという状況も当たり前の日々でした(笑)。今では外来でも内視鏡検査でも多くの患者さんにお越しいただけるようになり、ありがたい限りです。新しく来られる患者さんのお悩みとして多いのは、「おなかの調子が悪い」でしょうか。もちろん、生活習慣病を中心とした慢性疾患の治療のために、長く通院される患者さんも多いです。

こちらで行われる内視鏡検査の特徴を教えてください。

まずは、待機時間の短縮を心がけています。便潜血検査で陽性と診断されて、基幹病院で精密検査を受けようとすると、数ヵ月待ちになることも多いでしょう。その間に症状が進行する可能性もありますので、当院ではしっかりと設備環境を整えた上で、できるだけ早く患者さんを診られるよう努力しています。そして、検査時には鎮静剤も使用しながら、患者さんの苦痛に配慮することを大切にしています。「検査を受けたくないから」という理由で症状を我慢して、その間に手遅れになるような事態は回避すべきです。さらに、患者さんに「また受けたい」と思っていただけるように、検査を行う際は鎮静剤の使用量や鎮静後の覚醒レベル、リスク因子となる病気の既往の有無などを詳細に記録した「クリニカルパス」を患者さんお一人お一人に対して作成します。これは当院の大きな特徴の一つです。蓄積したデータは次回以降の検査の便宜性、安全性の向上に役立てています。

鎮静剤にも、種類があると聞きました。

石原慎一院長 石原消化器内科クリニック4

通常、使用する鎮静剤は覚醒するまでに数時間を要しますので、お昼頃に検査を行った場合は15時頃まで回復を待つことになり、スタッフの拘束時間も長くなるという問題点が浮上します。そのため当院では状況に応じて、数分間での覚醒が見込める鎮静剤を使い分けるようになりました。患者さんのために鎮静剤を導入しながら、スタッフの働き方にも配慮し、すべての人が快適に過ごせるクリニックをめざすためには、こういった取り組みも必要だと考えています。

国内外へ出て、同じ志を持つ仲間と切磋琢磨する

県内では、あまり見かけない検査装置も導入されていますね。

石原慎一院長 石原消化器内科クリニック5

患者さんの負担軽減を目的として、開業とほぼ同時期に、カプセル型の内視鏡を導入しました。対応しているのは小腸のみで、基本的には疑わしい症状が見つかった場合にのみ、使用を検討します。検査方法は簡便で、適量の水とともに飲み込むだけです。中・西讃地域で小腸のカプセル内視鏡を利用できる医療機関は、あまり多くないと思います。昔は大腸のカプセル内視鏡検査も実施していましたが、通常の内視鏡検査よりも飲水量が増える、結果が出るまでに時間がかかるなどのデメリットがあり、現在は対応していません。また大腸内視鏡検査に関しては、デモンストレーション的にAIを活用した内視鏡検査を行っていた時期もあります。AIの機能はまだまだ未知数ですので、さらなる診断の精度向上を期待しているところです。

今後のクリニックの展望を伺いたいです。

新型コロナウイルス感染症が流行するまでは、年に2回の海外の研究会や内視鏡指導に訪れて、発表や最新知識のアップデートを行っていました。今後はこれまでのように海外へ足を運んで、同じ志を持つ国内外の医師と切磋琢磨したいです。今は11月にバリ島で開催されるアジア太平洋消化器病週間イベントでの発表をめざして、参加メンバーとテーマについて検討しています。あとは、講演活動にも力を入れていきたいですね。新型コロナウイルス感染症の拡大前のように、年間40〜50回の県外講演ができればと思っています。こうした活動でクリニックの外へ出て、人の輪をどんどん広げていくことが次の発表や講演などにつながり、そして自己研鑽にもつながっていくのではないでしょうか。

地域の患者さんたちへ、最後にメッセージをどうぞ。

石原慎一院長 石原消化器内科クリニック6

私自身、内視鏡の指導のために中国やチベットに招聘(しょうへい)された経験がありますが、日本の内視鏡技術は世界的に見ても優れていると感じます。高度な開発技術を持った、日本の医療機器メーカーの存在も大きいのでしょう。一般の方にはあまり知られていないかもしれませんが、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など、日本生まれの治療法も数多く存在します。胃がんや大腸がんは、内視鏡検査によって早期発見につなげられれば、臓器を切除せずに済む可能性が高まります。当院は今までどおりに、一件一件、コツコツと内視鏡検査に取り組みますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。少しでも、皆さんのお役に立ちたいのです。

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