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磯村 礼子 院長の独自取材記事

磯村歯科医院

(一宮市/石仏駅)

最終更新日:2021/10/12

磯村礼子院長 磯村歯科医院 main

よく通る声と明るい笑い声がトレードマークの磯村礼子(あやこ)院長が診療を行う「磯村歯科医院」。カフェのようなデザインで統一された待合室では、子ども連れや主婦、高齢者など幅広い年齢層の患者が思い思いに診察を待っている。取材の中で、特に印象的だったのが「患者さんの人生の伴走者でありたい」という言葉だ。熱の込められたその言葉を体現するように、患者の口元から全身の健康を支えていくためのアプローチに注力する同院。時には隣接する「磯村医院」や介護の部門とも連携を取るのが日常的だそうだ。開業の経緯からめざしていく歯科医療のあり方など、磯村院長の熱意にじっくり耳を傾けた。

(取材日2018年1月25日)

口腔内の管理を通して、患者の健康を支える

クリニック開業までの経緯を教えてください。

磯村礼子院長 磯村歯科医院1

主人の父と母が一宮市で歯科医院を開業していまして、私もそこに加わるかたちで歯科医師のキャリアをスタートさせました。その後、主人が院長を務める「磯村医院」が属する医療法人育徳会が介護事業所を開設したことを機に、2013年に「磯村歯科医院」として新たなスタートを切りました。開業に際して、診療環境の充実には特にこだわりましたね。衛生面、滅菌消毒は診療を支える土台そのもの。その徹底は当然と考えていました。安心して治療を受けたいという患者さんの期待を裏切りたくなかったんです。また当院ではタンパク分解型除菌水システムを導入しており、チェアサイドから出てくる治療に使う水はすべて除菌水のため、細菌数は限りなくゼロに近い状態。器具の滅菌消毒も、厳しい欧州基準をクリアしたクラスBオートクレーブを備えています。

貴院の診療理念とはどのようなものですか?

当院の診療の根幹にあるのは、「全身健康の“入り口”としての歯科診療」という考えです。これは一つの歯科医院としての姿勢でもあり、同時に医療法人育徳会における歯科医療を担う立場としても、非常に重要なものと考えています。患者さんが医療の門をたたくきっかけは、ちょっとした不調だけでなく、「生活習慣病の治療を受けたい」や「介護が必要」なども多いと思います。これらは患者さんに「何か起こった後」のこととも言えますよね。対して歯科は病気を治すためだけでなく、健康を維持していくために足を運ぶ場所でもあります。つまり、患者さんが健康な時からお付き合いができるということ。これは歯科ならではの強みと言えますし、こうしたお付き合いを通して患者さんの人生に寄り添う医療を提供していきたいと考えています。そしてこれを実現するために当院が目標としているのが、「マイナス2歳から治療ゼロをめざす」というものです。

院長の考える、「マイナス2歳から治療ゼロをめざす」とは?

磯村礼子院長 磯村歯科医院2

生涯を通して健全な口腔環境を維持していくために欠かせないもの、それは健全な子ども時代です。幼少期を健全に過ごせてこそ、健全な青年期、壮年期、老年期へとつながっていきます。そして健全な子ども時代を過ごすためには、健全に産まれてくること、ひいてはお母さんご自身が元気で健康な体であることが重要といえます。私たちが想定している“マイナス2歳”とは、「将来的にお子さんを育てていきたい」と考え始めたタイミング。これは女性はもちろん、パートナーの男性にも当てはまるものと考えていますし、もっと広げていくとその親御さんも含まれてくるでしょう。これから生まれてくるお子さんのために、歯科医院としてできることをやっていきたい。そんな思いを込めています。

患者一人ひとりの人生の伴走者でありたい

診療で力を入れていることについて教えてください。

磯村礼子院長 磯村歯科医院3

患者さんの口腔内環境を踏まえた治療の提案と、予防歯科に力を入れています。患者さんの口腔内環境に適した治療をご提案できるよう、幅広い診療に対応できる環境を整えていますし、予防歯科では定期的なメンテナンスはもちろん、根本的な解決を図るべく、口腔内の細菌の構成なども詳細に把握し、内服薬などを用いた解決にも取り組んでいます。また口腔内の環境を整えていくだけでなく、全身を作り上げるもの、つまり栄養へのアプローチも大切なものと考え、食生活のアドバイスなども取り入れています。どれだけお口の中をきれいにしていても、体を作る食事の内容が良くなければ、全身の健康にも影響が出てくるでしょうから。

診療時に心がけていることは何ですか?

しっかりコミュニケーションをとって、患者さんが言いたいことを言える環境をつくることです。当院では患者さんが書いた問診票をもとに、歯科医師や歯科衛生士以外のスタッフが診察の前にお患者さんとお話しするのですが、その内容を歯科医師に伝えるときは、患者さんのいるところで、患者さんがおっしゃった言葉通り伝言しているんです。決して専門用語に言い換えたりしません。もしその専門的な言葉が患者さんに理解できなければ、「私の言ったこと正しく伝わっている?」と、不安になるかもしれませんからね。

「磯村医院」との連携も密接なものではないでしょうか?

そうですね。どれだけお口の中を健康な状態で保てていたとしても、医療や介護が必要となってくる場面はやってくるでしょう。そんな時、私たちから「磯村医院」へ渡せるものがあります。それは、患者さん一人ひとりの“歴史”です。歯科診療を通して、どんな治療を受けてきたかはもちろん、生い立ちやそれに伴う生活背景の変化、人となりなどあらゆる情報が積み重ねられてきます。その“歴史”を、必要な時にそのまま「磯村医院」へお渡しすることができる。このタイアップは私たちならではの取り組みでもあり、強みです。このような受け継がれていく医療の構築が、欠かせないものと感じているのだと思います。

貴院の成り立ちにも通ずる考え方と感じます。

磯村礼子院長 磯村歯科医院4

当院は「磯村医院」の歯科部門という立ち位置からスタートしたこともあり、当初から現在まで、介護が必要な方、寝たきりの方、終末期医療を必要とされている方の診療にも多く取り組んできました。その中で歯科医師や歯科衛生士は、終末期に向かう口腔環境の変化や、人生の最期を迎える時のお口の状態を目にしてきました。つまり、生涯にわたるお口の中の変化を、誰よりも知る存在でもあるのです。そしてこれは、まだそこに到達していない人の今後の予測にもつながるもの。これを強みに、患者さんの人生のステージに応じた医療を提案できる、常に伴走する存在でありたいと願っています。

クリニック一丸となって目標とする医療の実現をめざす

スタッフの皆さんとの連携も欠かせないものと思います。

磯村礼子院長 磯村歯科医院5

当院がめざす医療は、当然ながら私一人で実現できるものではありません。現在お子さんの患者さんを、その人生の最期まで私が診ていくことはできませんから。だからこそ私の次の世代にも、当院のめざす医療を受け継いでいき、クリニック全体が同じ目標に向かって歩み続けていかないといけません。その足並みをそろえるためのアクションとして、毎週火曜日の朝に抄読会を開いています。また、スタッフのアイデアで始めた取り組みも多くあります。「みんなで学習する歯科医院」となることも当院の目標の一つでしたが、それがまさに今の姿と言えるでしょうね。みんな本当に勉強熱心で、よりよい医院にするために、スタッフ自らいろいろな案を出し合い自発的に勉強してくれているので、私はスタッフに恵まれていますね。

改めて、院長の原動力とは何でしょうか?

どの患者さんに対しても、「良い状態で一生を終えていただきたい」と、常に思い描いているんです。もちろん、それは私に限ったことではありませんよ。クリニックのみんなが、それぞれの立場で考えていることです。でも、常に全力を尽くしていても、後悔や反省の気持ちは湧いてきます。きっとそれが歯科医師としてさらに成長したい、いい治療を提供できるようになりたいという原動力になっているのでしょうね。

読者へのメッセージをお願いいたします。

磯村礼子院長 磯村歯科医院6

「こんなこと聞いてもいいの?」ということでも、なんでもご相談ください。実際うちの患者さんは皆さん、ご家族、仕事、歯のことに限らずいろんな悩みを話していかれます。「大丈夫だよ」と励ましたり、「私だったらこうするな」と助言したり、まるで人生相談のようですよ(笑)。患者さんやご家族の悩みに耳を傾けるのは、義父と一緒にやっていた時代から一貫して変わらずに受け継いでいるのです。悩むのはお口にも影響します。お口の健康のためにもまずは相談を。そこからの何か糸口が見つかるかもしれませんから。

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