濱本 和彦 院長の独自取材記事
濱本歯科・口腔外科クリニック
(大阪市中央区/谷町六丁目駅)
最終更新日:2025/04/07

総合病院の口腔外科で行っていた治療を、今度は地域のために役立てたい。そのような思いから開業を果たして15年間、専門性の高い歯科治療を提供しているのが「濱本歯科・口腔外科クリニック」だ。院長を務める濱本和彦先生は、日本口腔外科学会の口腔外科専門医。他の歯科医院や総合病院からの紹介や、遠方から訪れる患者など多くの人たちが来院している。2022年には新築の一戸建てに移転し、院内の設備環境やスタッフ体制をグレードアップ。インプラントや顎関節症の治療、親知らずの抜歯といった口腔外科治療はもちろん、一般歯科や矯正歯科、審美歯科にも対応した幅広い歯科診療で地域への貢献を果たしている。そんなクリニックの診療方針や治療の特徴、めざすべき方向性などを、濱本院長にじっくりと聞いてみた。
(取材日2025年3月21日)
総合病院で培った口腔外科の経験と技術で地域に貢献
開業から15年。ここまでの経緯を教えてください。

当院は一般歯科や予防歯科からセラミック治療まで幅広く対応していますが、クリニック名にもあるとおり特に専門としているのは口腔外科です。大阪歯科大学卒業後は大学院での研究や関連病院での勤務に13年間励んできましたが、大きな病院で役職を任されるようになると自分の思う診療になかなか集中できません。せっかく培った口腔外科の知識や技術を、もっと生かして地域への貢献を果たしたい。そう考えるようになったことが開業のきっかけとなりました。このエリアは私も長く住んでいた、非常になじみのある町です。最初の12年間はすぐ近くのビル内で診療していたのですが、スペース的に少し手狭になり患者さんから予約が取れないなどのお声をいただいたので2022年に新築移転して現在に至ります。
内外観ともおしゃれで、設備も充実していますね。
患者さんがなるべく快適に過ごせるように、1階は受付と広めの待合スペースに割き、診療スペースのある2階まではエレベータで上がっていただくバリアフリー構造となっています。診療ユニットは、個室を含めて7台を用意。先進的な歯科用CTやデジタルエックス線装置、2種類の口腔内スキャナーをそろえ、それぞれの画像は診療台にあるモニターでご確認いただけます。また、こうした診療設備とともに特に重視しているのは安全な院内環境の実現です。世界でも厳しいといわれるヨーロッパ基準をクリアした滅菌器はもちろん、高性能な空調システムを院内全体に施して感染症予防を徹底。滅菌スペースをフロアの中央に配し、オープンキッチンのように隠すことなく患者さんの目にふれるようにしていることも当院ならではのこだわりです。
現在、どのような患者さんが中心ですか?

大学卒直後、某大学教授に歯科医師は歯だけを診るのではなく、口の中全体、さらに全身までしっかり診れるようにならなければならないと教えをいただきました。この理想的な歯科医師像をめざしてきましたので、当院は口腔外科を専門にしていますが、専門的な症例しか受け入れないわけでは決してありません。一般歯科や予防歯科、小児や妊婦さんの治療から矯正やホワイトニングまで幅広く対応しており、近年は近隣にお住まいの方への一般歯科治療の割合もかなり増えつつあります。ただ、やはり一般の歯医者さんでは手に負えない外科的な問題のある患者さんや、インプラント治療を希望して遠方から来られる方が多いのが現状ですね。そこはすみ分けといいますか、例えば小児専門の歯科をこちらからご紹介するケースもあり、地域の皆さんの口の中の健康に寄与しつつ、当院でなければ対応できない症例に重心を置いているのが現在の状況です。
一度に行う診療の質を上げて通院回数を減らす
治療に際して気をつけていることは?

初診では特に時間をかけて、患者さんとコミュニケーションを図ることです。歯科ではどうしても歯だけに注目しがちなため、原因がわからずに総合病院などの口腔外科に紹介するケースが意外に多いんです。痛みの程度は本人にしかわかりませんから、できる限りお話をお聞きした上で全顎的な検査や診断を行い、お互いに知識を共有した上で治療計画を立てることが重要ですね。あとは通院回数の問題ですが、当院では小刻みに予約を取って通院回数を増やし短期間で治療を行うのではなく、たとえ間隔が空いたとしても1回ごとの診療内容を充実させることに注意を払っています。また、治療した歯を長く使ってもらいたいので、仮の歯で十分生活して問題ないかを確認していくことも大切と考えています。そのため治療間隔、治療期間が長くなることがあります。どちらがいいかは患者さん次第ですが、「急がば回れ」というのも一つの考え方ではないかと思います。
インプラント治療に関してはどのようにお考えですか?
インプラントは歯の欠損を補う手段の一つですが、ほかの健康な歯を傷めないという意味では非常に有用な治療法だと思います。ご高齢になってもより多くの自分の歯を残すためには、インプラントが1番良いと考えています。最近はインプラントにもさまざまな方法がありますが、私が行ったインプラントを20年以上変わらず使用していただけている方が増えてきました。この実績を踏まえ、20年以上使えるインプラントを計画して行っています。
セラミック治療や矯正も行っていますね。

セラミックは見た目が美しいだけでなく、硬さが天然歯に近くて細菌がつきにくいためほかの歯に対しても優しい材料です。長く歯を残したいのであれば、保険の金属で何度も治療を繰り返すよりもセラミック治療がお勧めでしょう。ちなみに当院では、3Dスキャナーによるデータ採取からコンピューターを用いた設計、作製までをクリニック内で行うことでコストを抑え、患者さんに負担の少ない価格設定に努めています。次に矯正ですが、当院では従来のワイヤー矯正と透明なマウスピース型装置を用いた矯正の両方に対応しています。マウスピース型装置も現在は進化しており、むしろワイヤーより計画に沿って矯正を実施できるケースが増つつあります。もちろん緻密な診断やプランニングが欠かせませんので、専門の先生とよく相談しながら方向性を決めるようにしています。
笑顔で「ありがとう」と言ってもらえることを目標に
予防に関しても力を入れておられるとか。

80歳で歯を20本残す「8020運動」が推奨されていますが、高齢でも健康を保つにはしっかりと噛めて、しっかりとごはんが食べられることが何より重要です。そのためにはどうすればいいか、20代、30代、40代と、年代ごとになすべきことをご自身で考え、自分の体を自分で守る努力をしてほしいですね。将来のことを見据え、痛みが出ていない今だからこそ予防を意識してほしいと思います。歯磨きは口の中の細菌を減らすことが目的ですが、どうしても自分では磨けないところが出てきます。除去できない部分は歯科医院で取ってもらい、効果的なブラッシングの方法などを教えてもらうことも大切です。定期検診やクリーニングにお越しいただければ、そうしたポイントをしっかりとお伝えさせていただきます。
スタッフ体制についてお聞かせください。
歯科医師は私以外に常勤1人、非常勤3人が在籍しており、そのうち2人が口腔外科を専門としています。歯科衛生士は総勢7人で、患者さんの口腔内のケアに情熱を注いでいます。スタッフ全員で心がけているのは、治療やケアのクオリティーはもちろん、人として人に接する部分を大切にすること。歯科医院というのは患者さんにとって、決して楽しい気持ちで通う場所ではありません。だからこそ、終わった後はすっきりとした気分で帰ってもらいたいものです。患者さんから笑顔で「ありがとう」と言っていただける、それを何より一番の評価ととらえ、今後もスタッフ一丸でめざしていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

患者さんも私たちも人それぞれですから、いろんな感想をお持ちになると思います。今はインターネットなどの評価もあって難しい側面もありますが、なるべくすべての方から高い評価をいただくこと、1人でも多くの方から「ありがとう」をいただくことを目標に、それぞれのスタッフができることを精いっぱいに努力しています。私たち歯科医師陣も同様です。神様ではありませんので痛みをすぐになくせない時もありますが、常に総合的な視野を忘れずに、患者さんが1本でも多くご自身の歯を残し、いつまでもしっかりと噛めることをめざして今後も励んでいきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/47万8500円~、マウスピース型装置を用いた矯正/93万5000円~、ワイヤー矯正/93万5000円~、セラミックの詰め物/6万6000円~、セラミックのかぶせ物/6万6000円~、ホワイトニング(上下)/3万3000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。