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檜垣 文雄 院長の独自取材記事

ひがき眼科

(広島市東区/牛田駅)

最終更新日:2021/10/12

檜垣文雄院長 ひがき眼科 main

広島市東区の閑静な住宅街にある「ひがき眼科」。院長の檜垣文雄先生は父である先代院長の意思を継いで、2004年に開業した。檜垣先生は穏やかな印象の医師。同院では結膜炎などの身近な眼科疾患の治療から、日帰り手術にも対応し、涙道閉塞に伴う流涙症の手術も積極的に行っている。地元の高齢者や小学生が多く通う一方、流涙症の診療を受けるために遠方から来院する患者も多く、広島県内だけでなく中国地方や九州地方からも訪れているという。「患者さんに自分の病気や状態について理解して帰ってもうらう」ことをモットーに、わかりやすい説明を心がけているという檜垣先生。開業の経緯や、流涙症の診療について、詳しく聞いた。

(取材日2020年8月18日)

父に憧れ眼科の医師を志し、後を継ぐ

最初に、この場所に開業された経緯をお聞かせください。

檜垣文雄院長 ひがき眼科1

私の父は眼科の医師で、ここで開業していたんです。父は私が高校生の時に亡くなり、その後は眼科、小児科の先生がここで診療をしていました。その小児科の先生も別の場所に移られて、2年ほど空き物件になっていたんです。長く空き物件にしておくわけにもいきませんし、何より「父の診療所で開業したい」という思いが強かったので、2004年に開業しました。古い建物ではありますが私の代になってから1回リフォームを行って新しい設備も導入し、結膜炎などのよくある目の病気から、流涙症や白内障の日帰り手術にも対応しています。

先生が眼科の医師を志したのはお父さまの影響ですか?

檜垣文雄院長 ひがき眼科2

そうですね。父の姿を見て育ち、自然と自分も眼科の医師になりたいと思うようになりました。医師の仕事は大変そうではありましたが、人から感謝をしてもらえる職業ですし、実際に父から「こんなことをしたら患者さんが喜んでくれた」という話を聞いていたので、自分もそうなりたいと思いこの道を選びました。父は早くに亡くなったので、私が医師になって2代目として医院を継いでいる姿を見てはいないのですが、喜んでくれていると思います。

地域の印象や患者層について教えてください。

私は呉市の出身で、牛田には高校生の時に引っ越してきましたが、この地域は閑静な住宅街という印象です。飲食店はあまりありませんが、広島市内中心部へのアクセスも良いので不便はありませんし、学校や医療施設も充実しています。眼科なのでご高齢の患者さんが多いですが、近所に小学校があるので、子ども連れのファミリー層も多いです。また広島県内でもあまり対応している医療機関が多くない、涙道閉塞に伴う流涙症の手術に対応しているので、県内だけでなく山口県、島根県、鳥取県や九州地方など、県内外の患者さんに来ていただいています。

流涙症の診療に力を注ぐ

先生が力を入れている診療について教えてください。

檜垣文雄院長 ひがき眼科3

7~8年ほど前から、流涙症の診療に注力しています。流涙症とは、悲しくもないのに涙が流れ落ちてしまう症状で、目から鼻につながっている涙の通り道である涙道が詰まってしまったり、眼瞼下垂や結膜が緩んでしまったりすることが原因で起こります。高齢の方や水泳をされている方に多いのですが、涙をぬぐうためのハンカチが手放せず、会話をしていても涙が出てきて相手から不審な目で見られてしまうこともあるため「何とかしたい」と訴える方は多いです。しかし眼科と耳鼻科の間のような場所を診るので、広島県内でも積極的に診療を行っている医療機関は少ないのが現状です。当院では流涙症で困っている患者さんを少しでも減らしたいとの思いから、涙が出る原因を見極め、必要に応じて涙道内視鏡を用いた外科的治療も行っています。

積極的に手術も行っているのですね。

檜垣文雄院長 ひがき眼科4

新型コロナウィルス流行の拡大状況によっては手術を行えないのですが、これまでほぼ毎日行ってきました。涙が出る原因が涙道の詰まりだった場合、涙道内視鏡という、挿入部の外径が1ミリほどのとても細い内視鏡を使い、涙道の閉塞部を見つけて、その箇所を突いて開通させていきます。手術時間は15分ほどで、この時にそのまま放っておくと傷が治るように穴がふさがってしまうので、直径1ミリほどのシリコンのやわらかいチューブを留置して、2~3ヵ月後に抜き取ります。治療をすることで生活の質の向上が図れるので、患者さんからは「本当に良かった」と喜んでいただいています。

診療のモットーをお聞かせください。

患者さんには可能な限りご自身の病気や状態について理解してもらって帰っていただきたいと思っているので、わかりやすく、詳しい説明をするように心がけています。難しい専門用語は使わないようにしていますが、言葉だけでは伝わりにくいこともあるので、CCDカメラで撮影した写真をお見せしながら状態を説明しています。また撮影する時は悪い部分だけを撮るのではなくて、全体を写すようにもしています。こうすることで、例えばアレルギー性結膜炎の方が、今回は以前と比べてひどくなっているということもわかりますから、記録として撮影をしておくことで変化を追うことができるわけです。

自分でも見え方を確認して、早めの相談を

開業してから思い出深いエピソードがあればお聞かせください。

檜垣文雄院長 ひがき眼科5

流涙症の診療を受けに、沖縄から患者さんが来てくださったことは印象に残っていますね。ある時、沖縄から「涙が止まらない」という相談の電話がかかってきたんです。その方の話によれば、診療に対応しているクリニックが見つからないため困っていたところ、当院のホームページを見て電話をかけたのだそうです。その方の状況を伺って、当院で手術をすることになり、わざわざ広島まで来てくださいました。手術自体は日帰りでできますから、広島に1~2泊して帰られたのですが、手術後にはとても喜んでくださいました。県外からも患者さんはいらっしゃいますが近県の方が中心なので、とても印象深かったです。

流涙症の診療のために、耳鼻科領域の知識も必要になるのではないですか?

檜垣文雄院長 ひがき眼科6

そうですね。目と鼻はつながっていますし、内視鏡で鼻のほうも確認する必要がありますから、鼻の病気についても自分で調べたり、研究会などに参加したりして勉強するようにしています。鼻の治療をするわけではありませんが、どんな病気があるかを知っておかないと異常がわかりませんからね。鼻の状態を確認して、異常があれば耳鼻科に紹介をして治療をしてもらっています。

最後に、目を大切にするためのアドバイスをお願いします。

私たちは両目でものを見ているので、片方が見えにくくなっていても気づかないことがあります。例えば白内障が進行して見えにくくなっている人でも、「昨日片目を隠してみて初めて目が見えにくくなっていることに気がついた」という人もいます。このため時々でいいので片方ずつ目を隠して見え方の差を確認していただくと、早期の発見と治療につながります。またコンタクトレンズを使っている方は感染症などのトラブルも多いので、半年に1回程度、診察を受けることが大切です。早期に治療をすれば、多くは簡単な治療で終わりますが、ひどくなってしまうと後遺症や見え方が悪くなってしまうこともありますから、「おかしいな」と感じたら近くの眼科に相談をしてください。

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