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北 和也 院長の独自取材記事

やわらぎクリニック

(生駒郡三郷町/三郷駅)

最終更新日:2024/04/10

北和也院長 やわらぎクリニック main

三郷駅前の閑静な住宅街にある「やわらぎクリニック」。院長の北和也先生は、一般内科だけではなく、小児診療、けがや交通事故などの外傷、ワクチン接種、人間ドック、胃・大腸がん検診などの予防医療、禁煙治療など、広く深く診療を行っている。在宅医療にも力を入れ、訪問診療・往診の対応地域は三郷町・斑鳩町・平群町・安堵町の一部、王寺町・河合町・上牧町・広陵町の一部、香芝市の一部。「24時間いつでも・どこでも」医療を提供できる体制を整えている。また、後方医療施設や介護施設、理学療法士や管理栄養士など多職種で連携。患者の何げない話に傾聴し、心のケアをするための僧侶も在籍し、患者一人ひとりに本当に必要な医療・ケアの形は何か、追求している。患者との対話を重視し、幅広い世代や症状に対応する北先生に話を聞いた。

(取材日2024年2月5日)

他職種と連携し総合的な診療を行う地域のかかりつけ医

まずは、クリニックの特徴を教えてください。

北和也院長 やわらぎクリニック1

当院は総合的な診療に対応するクリニックです。特定の臓器や症状、年齢、性別などに関係なく、一般内科はもちろん、小児科の診療、けがや交通事故などの外傷の治療、禁煙治療、予防接種、人間ドック、胃・大腸がん検診など、広く深く診療を行っています。また必要に応じて、後方医療施設や介護施設と連携し、福祉の面でもサポートできるよう力を注いでいます。かかりつけのクリニックを探している方や、何科を受診すれば良いかわからない方、病気と同時に肩や腰、皮膚といった気になるところを診てほしい方、家族3世代全員でかかりたい方たちにご利用いただけるよう、日々精進しています。

在宅医療にも力を入れているようですね。

定期的な訪問診療の他、「24時間いつでも・どこでも」をめざして緊急の往診にも対応しています。病気を治すための診療だけを受けることが、必ずしも自分らしく生きることとは限りません。通院ができないために満足な治療が受けられず、自宅でつらい思いをしている方も多いと思います。私たちは一人ひとりに合ったバランスの良い医療と介護を、看護師やヘルパー、理学療法士、薬剤師、ケアマネジャーといった他職種で連携し、チームで提供しています。足腰が立たなくなった方や、食事ができなくなってきた方、入退院を繰り返している方、自宅で最期を迎えたい方、入浴やオムツ交換、薬の管理が難しいなどの悩みを抱えている方は、気軽にご相談いただきたいです。

心のケアのためのスタッフが在籍しているのも特徴ですね。

北和也院長 やわらぎクリニック2

週に1度、患者さんの心のケアのために僧侶を招いています。大切なものを失ったつらさや誰にも話せない不安などを親身に聞き、丁寧に扱ってくれます。本当は、私が患者さんと病状以外のこともゆっくりお話しできたらいいのですが、質の高い医療を迅速に提供する必要のある医療現場では、それが難しい場面もあります。医療に関係のない世間話や近況、私生活の困り事なども気軽に話せるので、その僧侶と話すためだけに来院される方もいらっしゃいます。

一歩踏み込んだオーダーメイド医療を

医師になったのは、理事長であるお父さまの影響でしょうか?

北和也院長 やわらぎクリニック3

確かに父親の影響は大きかったと思います。ただ、実際に医療の道を決意するまでには紆余曲折ありました。昔から医師になるつもりではいましたが、高校生の頃に小さな葛藤があって、自分が進むべき道がわからなくなり、勉強ができなくなってしまったんです。自分自身でも医師になりたいのかわからないのに、勉強を頑張れば医師の道に積極的に進んでしまう気がして勉強に手がつかず、医師以外の職業に気持ちが揺れていました。そんな時にふと「やっぱり父と一緒に働きたい」と思い、風呂に入っている父に「浪人させてほしい」と言ったのを覚えています。しばらく勉強していなかったので、巻き返しはとても大変でしたが、無事に大阪医科大学に合格し医師になることができました。

他にも先生が影響を受けた方はいらっしゃいますか?

大学卒業後2年目に参加した、救急科外来の勉強会で出会った先生に、大きく影響を受けました。その先生は軽傷、重症、子ども、大人、外傷、メンタルの傷など関係なく「どんな患者も診る」「全部受け止めるのが医療」というスタンスで、その考えに強く共感したのです。その先生のもとでしばらく救急科の医師として勤務し、バイタルの管理や人工呼吸器の操作、輸液など、初期対応の基本を身につけました。阪南市民病院の立ち上げの際には、その先生に総合診療部門の開設スタッフとして呼んでいただき、全体の指揮を執りました。当時、地域のかかりつけ医として求められる医療を効率的に学ぶための制度はありませんでした。そのため、救命救急や感染症患者への対応や整形外科の領域など、目標とする医療を提供するために必要な知識を、自ら学びに行く必要がありました。その経験が今でもたいへん役に立っています。

普段の診療で心がけていることを教えてください。

北和也院長 やわらぎクリニック4

地域のかかりつけ医であるには、医療のことだけではなく、患者さんの日常生活やこれまでの生活環境などにも想いをはせる必要があると考えています。そのためには踏み込んだ対話が重要です。例えば「昔、貧しい生活を送った」「家族が病気になって介護負担がある」など、病気の話だけだと出てこない話題も、適切な医療の提案のための参考になります。薬の内服も、医学的には1日3回が良いとされていても、1日1回家族が来てくれるタイミングでしか服用できないという事情があれば、薬の種類を変えて1回で済むようにするなど、その方の生活や価値観まで考慮して何か適切かを考えます。私はおせっかいなので、そこまで聞いて診ることが性に合っていると思いますし、頼ってくれる患者さんには、極力良いアドバイスや関わり方ができたらと思っています。

地域や行政とも連携し、病院外でも地域住民と関わりを

お忙しい中、休日はどのように過ごされていますか?

北和也院長 やわらぎクリニック5

家族と過ごすことが多いです。3人の娘と一緒に散歩に行ったり、映画に行ったり。患者さんが困っている時にすぐに助けに行くのはまったく苦ではありませんが、現在、深夜対応を私一人で行っているので、人員が補填できたらもう少し家族と遠出してみたいですね。また、オンラインでですが、大学院で研究の方法を学んでいます。病気の背景には生物学的なものだけではなく、教育や仕事、生活・社会環境といった社会的要因が存在しているという「SDH」と呼ばれる考え方があります。当院の周辺エリアにも、地域による健康格差が存在しているように感じるので、自分で歩いてデータを取って研究したいのです。そして、より患者さん一人ひとりに寄り添ったアドバイスや医療、ケアを提供したいと思っています。

これからの展望をお聞かせください。

患者さんが安心できるクリニックをめざしながら、自分のクリニックを超えて、この地域に安心して住める医療体制を構築したいです。ただし、それは当院や医師だけでは実現できません。他職種の方や地域、行政など多方面と連携して進めないといけないと思っています。そのためにまずは、いつ体調が悪くなっても頼れるチーム体制を整えたいと思います。また、喫茶店やバーなど、地域の方や普段クリニックでは会えない方と話せる場所をつくりたいです。何か症状が出てからしか医療機関を受診しない方が多い中、院内にいると健康に関心のある方だけと関わり続けることになります。健康無関心層の方や地域の方、病気ではない状態の方に関われる場所があれば、普段クリニックではできない会話もできるはずです。行政との連携や資金も必要なので、私と同じような「おせっかいな人たち」と組んで実現できたらと思います。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

北和也院長 やわらぎクリニック6

医師に対して深い話をしたり、症状以外の個人的な話をしたりすることがはばかられる人も多いと思います。私はのんびりしていると思われがちなタイプではありますが、普段複数の診察室を行ったり来たりしていると、やはり「忙しそう」とか「声をかけにくい」と思われることもあります。私はおせっかいですし、患者さんのお話を聞くのが好きです。本当に気軽に何でも話してほしいと思っています。「何でも」は私にとって「皆さんが思っているよりももっと踏み込んだ話をしてほしい」ということ。本音は私が全部聞きたいところですが、私でなくても、看護師や他のスタッフでも構いません。後で「もっと早く話してほしかった!」と思うこともあるので、本当の意味で何でも気軽に話していただけたらうれしいです。

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