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近 良明 院長の独自取材記事

こん整形外科クリニック

(新潟市中央区/新潟駅)

最終更新日:2021/10/12

近良明院長 こん整形外科クリニック main

新潟駅南口より徒歩15分、「こん整形外科クリニック」は整形外科クリニックであると同時に、同ビルの2階にケガからの復帰をめざす患者が利用する疾病予防運動施設としてメディカルフィットネスを備えた場所になっている。理学療法士やトレーナーも在籍し、総合的な運動療法に取り組むことが大きな特徴だ。高校時代、自身がラグビーで骨折したことをきっかけにスポーツ医学を学んで整形外科のドクターへの道をめざした近良明院長。「地域住民の方はもちろん、県内のスポーツをする方の体をコンディショニングできる環境を整えたい」と話し、自身のケガ経験に基づいた患者に寄り添った治療を行うというスタンスを貫いている。そんな近院長に、診療への熱い思いを聞いてきた。

(取材日2021年6月23日)

痛みの原因を考え総合的に治療を行う

クリニックの特徴やポリシーについて教えてください。

近良明院長 こん整形外科クリニック1

地域住民の方の一般的な整形外科治療のほか、主に県内のアスリートに対して医師の私の管理のもと、理学療法士たちと一体となって運動療法もできるクリニックになっています。新潟駅の近くでアクセスが良い場所に開院したのも、学生のスポーツ選手にも通ってもらいやすい場所にしたかったからです。午前中は高齢の患者さんも多いですが、夕方以降はスポーツをされている若い世代が多くなります。当院は整形外科とリハビリテーション科も診療していますが、単に整形外科的な治療をして終わりではなく、痛みの原因を考えて総合的な治療に取り組み、根本から治すことができればと思っています。2階のメディカルフィットネスを併設しているのもその考えからです。1階の整形外科クリニックは19時、運動施設は21時までと少し遅めの時間まで開けており、少しでも体をメンテナンスをしに来てもらいやすい環境を整えています。

アスリートに寄り添いたいという院長の思いが伝わってくるクリニックですね。

私自身も小中学校は野球、高校はラグビー、大学ではバスケとずっとスポーツをしてきました。高校時代にラグビーで鎖骨の骨折を経験しているのですが、きちんと治していないのに無理やり復帰したら2回目も同じ場所を骨折してしまいました。そんな時に読んだ本がスポーツ医学の本だったんです。またフィールドに戻りたいと思っている選手の役に立ちたかったので、スポーツ医学の道に進みたいと思いました。高校生の時にはもう整形外科医になりたいと決めていました。ケガをした選手は「スポーツをしているんだからケガくらい仕方がない、とりあえずしばらく休むように」と言われることが多いと思うのですが、特に中学校や高校は3年間しかなく、貴重な時間を棒に振るわけにはいかない場合だってあります。そんなアスリートの気持ちがわかるからこそ、できるだけいい形でフィールドに戻してあげることができる取り組みをしていきたいなと思っています。

クリニックを開業したいという思いは最初からお持ちだったのでしょうか。

近良明院長 こん整形外科クリニック2

開業する前は済生会新潟第二病院で肩の手術を多く行ってきました。もちろん肩を専門に知見が広められたのは良かったのですが、もともと抱いていた夢はスポーツドクターになること。このまま肩だけを診つづけていたら、足首をひねった選手や腰や膝を痛めた選手を診られないと思いました。自分が自由に診療できるクリニックをつくって、いろんな部位を痛めた選手たちに対応できるようにしたいと思って開院を決めました。開院してから10年ほどたちますが、開院当初は3人しかいなかった理学療法士も今は6人になり、トレーナー、看護師、受付スタッフたちとチーム一体になって日々の治療に取り組めているのがうれしいですね。

整形外科のみならずリハビリからのアプローチにも注力

さまざまな病院で研鑽を積んでこられていますが、印象的だった経験はありますか。

近良明院長 こん整形外科クリニック3

船橋整形外科病院で勤務していた時に、肩の専門家として知られる菅谷啓之先生と出会ったことが私のターニングポイントだったと思います。菅谷先生は手術がとても上手なのですが、「手術は伝家の宝刀。必要な時には一太刀でスパっとやるが、必要でない時にむやみに刀を抜くべきではない」と仰っていました。「手術だけでなくリハビリのこともしっかり勉強して多方面から備えられるようにしなさい」と教えていただきました。一般的に整形外科医というのは、手術で患者さんを治すことが第一義なので、リハビリテーションをしっかり勉強できる機会はあまりありませんし、私も勉強できていませんでした。私は毎日仕事終了後からリハビリ室に通って理学療法士にいろいろ教えてもらい、時には症例について一緒にディスカッションもしました。そんな経験があったからこそ、開業することになった時もリハビリを重視するクリニックをつくることになったのだと思います。

そうした経験があったからこそ、リハビリテーションに特化したクリニックをつくり上げたのですね。

新潟で私のような考え方で開業しているクリニックはまだ少ないですし、船橋整形外科病院でとても貴重な学びを経験させていただいたと思っているので、その知識を新潟の人のために役立てたいなと思ったんです。メディカルフィットネスに設置した器具にはこだわって導入していますし、理学療法士がこれだけ在籍しているクリニックは新潟ではまだ少ないのではないかと思います。スポーツ医学の観点から、トータルで患者さんのことをサポートできる施設にしたいですね。

スタッフとの情報共有も診療の大事なポイントになりそうですね。

近良明院長 こん整形外科クリニック4

そのとおりです。院内で多くの勉強会を行っていますが、医師、理学療法士、トレーナーは一緒に勉強しています。一人の患者さんに対してそれぞれが違うコンセプトで治療を行ってしまうと、まったく意味を成しませんし、同じ知識や考え方を共有していないと患者さんの情報を正確に伝えることができません。開院して以来勉強会を重ねてきましたが、スタッフの成熟度とクリニックのシステム構築は満足できる段階になってきたのではないかと思っています。いろいろと勉強をしなくてはならず大変かもしれませんが、得た知識が患者さんの笑顔につながりますし、ひいては自分たち自身のやりがいにつながるのではないかと考えています。

患者の気持ちに寄り添える治療を

実際に、スポーツに打ち込んでいる方も通院されているのですよね。

近良明院長 こん整形外科クリニック5

そうですね。試合中に肩の腱を断裂するケガをしてしまい、選手生命の危機に陥った方がいらしたこともあります。その方は前述の千葉県の船橋整形外科病院で手術を受け、その約5日後から、当院で復帰に向けたリハビリテーションとトレーニングを行うために来院されました。大きなケガは、治療を行って普通の生活に戻るだけでも大変なのに、スポーツの第一線に戻るためには相当患者さんご自身の努力が必要になりますから、ひたむきな姿を目にすると胸が熱くなってしまいますね。

スポーツ選手に対してケガを予防する啓発活動もされているとお伺いしました。

私たちは患者さんの外傷を治療することが使命ですが、選手に対してメディカルチェックや講習会を行ってケガを未然に防ぐことにつながるケアの仕方などをお伝えすることも重要ではないかと考えています。例えば野球肘の予防プログラムなどがそれにあたります。例えば野球チームのメディカルチェックをする際は、ちゃんとケアを維持できているかを確認するとともに、ケガ予防の講演も行わせていただいています。整形外科の医師としてこれまで多くのケガを治療させてもらった経験から、こういうことをするとケガにつながりやすいという知識の蓄えがあるので、それを前もってお伝えすることでケガを防止することができればと考えています。今後は野球だけでなく、さまざまな種類のスポーツのケガ予防について啓発していきたいと思っています。

先生は休日は何をして過ごされているのでしょうか。

近良明院長 こん整形外科クリニック6

たまにゴルフをしますし、家の近くの海まで散歩することもあります。一番多いのはやはりテレビでスポーツ観戦ですね。純粋にスポーツを見るのも好きですが、「なんでそんなふうに動くんだろう、危ないな」などと、つい仕事目線で見てしまうことも多々あります。やっぱりこの仕事やスポーツが単純に好きなんだろうなと思います。これからも、多くの人に体を動かす喜びを知ってもらって、みんなが元気に人生を送ることができる手助けがしたいですね。

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