安田 大勲 院長の独自取材記事
JR尼崎駅前やすだ歯科
(尼崎市/尼崎駅)
最終更新日:2023/12/08
JR神戸線・尼崎駅の北口から徒歩約1分、ロータリーに面したマンション1階に「JR尼崎駅前やすだ歯科」がある。白をベースに、床などに自然な風合いの木材を使った待合室は、院長自身がこだわったという照明器具の印象も相まって、温かな雰囲気が心地良い。一方、診療室はパーティションで仕切られ、口腔外バキュームを設置するなど、患者のプライバシーや安全性に配慮した造りとなっている。院長の安田大勲(やすだ・だいいさ)先生がめざすのは、患者が「ここならずっと通っていたい」と思える歯科医院。スタッフとのチームワークを生かし患者をサポートする安田院長に、歯科診療にかける思いや力を注いでいる治療などについて語ってもらった。
(取材日2023年11月16日)
カウンセリングで丁寧に話を聞く
まず、こちらの歯科医院で一番大切にしていることを教えてください。
お口のトラブルはもちろん、なぜ当院を受診されたのかを、丁寧に尋ねるようにしています。歯科医院に喜んで来られる方や、歯科医院に初めて来たという成人の方は、ほとんどいらっしゃいません。当院を受診される患者さんのほとんどは、他の歯科医院から移ってこられた方々なので、かかりつけを変更された何かしらの理由があるはずです。その理由に気づき、できる限りの対応を実践したいと思っています。例えば歯科医院のにおいが嫌だったというのならそれを改善する。器具の使い回しなど院内感染が怖いと感じておられるなら、しっかり滅菌していることをお伝えする。当院がめざす「ずっと通ってもらえる」歯科医院であるためには、そうした患者さんに安心していただくための積み重ねが大切だと思います。
説明をするだけでなく、丁寧に問診をされるのですね。
「痛いところだけ治してほしい」という患者さんの場合も、必ずカウンセリングを行うのが当院の特徴です。初回のカウンセリングでは患者さんの声に耳を傾け、次回のカウンセリング時には資料をそろえて治療計画について説明します。さらに、治療の段階ごとにも随時行います。対応するのは、受付や歯科助手を兼任している女性のコーディネーターです。歯科医師や歯科衛生士よりも患者さんに近い視点で対応できるので、患者さんも話しやすく、お伝えする内容もわかりやすいと思います。
治療の際はどのような点に注意されていますか?
当たり前のことかもしれませんが、患者さんへの説明を大事にしています。毎回、口腔内カメラでお口の中の写真を撮影し、どこが悪いのか、どのような状態になっているのかを、視覚的に確認していただきたいからです。治療が終わった時点でも再び写真を撮り、診療によってお口の中がどう変わったのかを患者さんにご確認いただきます。やはり、口頭で説明を聞くだけでなく、ご自身の目で見て確認できるというのは、理解もしやすく、患者さんにとってもプラスになるのではないかと思います。最近は、矯正などに使う口腔内スキャナーを使って患者さんのお口の中の様子を読み取り、カウンセリングや治療計画に役立てるようにしています。
予防の大切さを繰り返し伝える
特に注力されていることはありますか?
以前より歯科衛生士の人数が増え、定期検診にいっそう力を入れるようになりました。検診で来院される患者さんの数もかなり高い水準だと思います。通常は6台の診療台のうち、4台を歯科衛生士が使用していますが、今日は5台を使って検診の患者さんに対応する必要があったくらいです。検診で来院される患者さんが多いのは、カウンセリングの度に予防や定期検診の重要性をお伝えするようにしており、患者さんの予防意識が向上しているからではないでしょうか。また、定期検診の時間枠を成人の患者さんは1時間、お子さんは30分とたっぷり時間を取って設定しており、じっくりとケアを行えるのが特徴です。
先生は大学院でインプラント治療を学んでおられますね。
インプラント治療は、いろいろな治療の中の一つの選択肢、手段だと考えています。適した症状、適した患者さんに提供することで、メリットが期待できる治療だと思います。当院では、患者さんが希望されるよりも、こちらから「インプラントにしたほうが、長い目で見てより良い結果が期待できる」というように、患者さんに提案するケースが中心ですね。とはいえ、手術に対する怖さから治療をためらう患者さんもおられると思います。このため、点滴による鎮静を図りながらの手術にも対応しています。
インプラント治療についてのこだわりを教えてください。
無茶や無理をしないようにしています。費用をかけて大がかりな治療を行い、短期間で噛めるようになることをめざすといった治療を追い求めなくても、患者さんに満足していただける治療はできると考えています。例えば、悪いところすべてをインプラントで治療しなくても、入れ歯など他の治療法の選択も考えられるし、場合によってはあえて治療せずに、そのまま様子を見ていても問題ないケースもあります。また、最近は悪くなった歯を抜いてすぐにインプラント体を埋め込み、より早く噛めるようにめざす方式が注目されていますが、当院の場合は、状況に応じてベストだと考えるタイミングでインプラント体を埋入しています。基本的には今申し上げた理由で、3〜6ヵ月待つ方式を採用しています。
矯正にも対応しておられますね。
現在は、矯正を専門的に行う歯科医師が月に2回来院して対応しています。マウスピース型装置を用いてお子さんの顎の骨の健全な成長を促し、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保するための矯正も提供しています。歯並びに影響を与える姿勢や口呼吸など気になる癖があるお子さんに対しては、改善のためのトレーニングをアドバイスすることもできます。一方、歯並びそのものを整えることをめざす矯正については、現在のところワイヤー式が中心ですが、口腔内スキャナーを導入したので、積極的に活用して、今後はマウスピース型装置を用いた矯正にも力を入れていきたいですね。ただし、最近はマウスピース型装置を用いた矯正のトラブルも報道されており、「どなたでも矯正できます」「安くできます」といった、安易な導入は避けなければいけません。
安定した歯科診療の提供をめざす
スタッフさんが充実している印象を受けました。
みんなよくやってくれていると思いますが、現状のレベルに満足しているわけではありません。現在は、スタッフのスキルアップ対策の一環として、月に1度、歯科医師と歯科衛生士の勉強会を開催しています。全体で共通テーマについて学んだ後、それぞれの職種に分かれて症例報告や実習などを行います。症例報告にあたる歯科衛生士から、「この内容で良いですか」などとアドバイスを求められることもあり、前向きに取り組んでくれていると思います。
今後はどのようなことに注力したいとお考えですか?
歯科診療のデジタル化に対応して、デジタル化をさらに進めていきたいと考えています。歯科業界でも人手不足が懸念されており、短時間でより精密な歯型が採取できる口腔内スキャナーなど、デジタル化が役立つ部分は多いのではないでしょうか。ただ、省力化、合理化だけを追い求めるのではなく、用途や状況に合わせて使い分けたいですね。最近はデジタルデータから歯の詰め物やかぶせ物を作れるシステムがありますが、すべてをそれに委ねると、歯科技工士という職種がなくなってしまいます。それに、歯科技工士に依頼したほうがより良い仕上がりになることも多く、人の手による歯科診療に対するリスペクトを忘れないようにしたいですね。また、訪問診療もさらに力を入れていきたい領域です。開院から十数年を経て、通院が難しくなってきた患者さんもおられ、地域に根差す歯科医院として、そうした方々にしっかり対応していくべきだと思っています。
今後の展望を教えてください。
実は、先日初めて1週間の休暇を取って、大好きなラグビーのワールドカップ観戦にフランスに行きました。行って本当に良かったと思っています。ただ、その間は私がいない状態で診療することになるので、やはり心配になってしまい、もっとスタッフを信用して、任せられる部分を増やしたいですね。それが、スタッフと私自身の成長、さらに私が病気などで休まなければならない場合にも、患者さんに安定した診療を提供できる体制づくりにもつながると思います。地域の方々により良い医療を提供するためにも医院の体制をより強化していきたいと思っていますので、お気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/27万5000円~、ワイヤー矯正/82万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/82万5000円~、小児矯正/33万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。