全国のドクター9,523人の想いを取材
クリニック・病院 160,463件の情報を掲載(2022年10月08日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 神戸市中央区
  4. 三ノ宮駅
  5. ぱくペインクリニック
  6. 朴 基彦 院長

朴 基彦 院長の独自取材記事

ぱくペインクリニック

(神戸市中央区/三ノ宮駅)

最終更新日:2022/08/30

161529 top

三ノ宮駅から徒歩4分。ガラス張りの美しいオフィスビルの5階にある「ぱくペインクリニック」を訪ねた。院長の朴基彦先生は、超音波ガイド下神経ブロックによる治療を、ペインクリニック界でも早期に導入した人物。より安全性に配慮し、短時間で、神経ブロックによる痛みの治療を行うパイオニア的存在である。だが、その素顔は優しく、気さく。「患者さんが、痛みから開放されて元気になるのを見ることが好きで、この仕事をしている」と笑顔で語る。神経ブロックに関する講演やセミナーを開催し、関連著書も多数出版。趣味はスポーツと新幹線移動中の電子書籍による読書、というバイタリティーあふれる朴先生に、治療に対する姿勢から今後の展望までを熱く語ってもらった。

(取材日2018年10月16日)

患者の痛みをすべて引き受け治療という山を一緒に登る

ペインクリニックでは、どのような治療を行うのでしょうか?

1

頭痛や腰痛をはじめ、首、肩、腕などの痛みや痺れなど、人が感じるあらゆる痛みを、内服薬や注射を用いて取り除いていく専門の施設です。当院では、主に神経ブロックという注射で、患者さんの痛みを軽減するための治療を行っております。注射というと「怖い」イメージがあり、患者さんにはハードルの高い治療かもしれませんね。当院は治療用のベッド横に超音波装置を備えており、そのガイド下で行うことで、注射を打つ場所をしっかり確認しながら行っています。神経ブロックで使用する薬は、局所麻酔薬がメインです。炎症部位に薬液を届けて炎症を沈静化し、血流の改善をめざすことで、痛みの悪循環を断ち切っていきます。痛みの強い、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんでも、数回の神経ブロック注射を行うことで症状の改善につなげていきます。手術を行うことなく、痛みの解消が期待できる、たいへん有用な手段だと考えています。

どんな症状の患者さんが来られますか?

脊椎疾患や腰部脊柱管狭窄症などの高齢者の方。それから、肩や関節の痛みで来院される40代、50代の方が多いですね。いわゆる四十肩、五十肩といわれている症状です。ひどくなると日常生活にも苦労しますし、寝返りも打てないくらい痛くて夜も眠れない。病院へ行くと「1、2年で回復するから大丈夫」と、説明されて、諦めてしまう患者さんも実際に多くいらっしゃいます。当院では、非観血的関節授動術といって、神経ブロック注射の後に肩を動かし、関節包を広げていく手法を行っております。痛いまま1、2年を過ごすのだと考えられていた患者さんが、リハビリテーションに行けたと喜んでいらっしゃる姿を見るとうれしくなりますね。

診療に対するモットーを教えてください。

2

痛みが取れれば患者さんは笑顔になり、元気になりますよね。それが私にとって一番うれしいことです。私はいつも、治療とは患者さんと一緒に山に向かって登って行くようなものだと、思っております。患者さんが背負っている痛みやつらさを、僕が専門職として、代わりに背負い、治療という山に一緒に登っていくというイメージです。登り切るためには、私にも武器が必要です。でも、神経ブロックの注射や診療の経験という武器が私にはたくさんありますから、たやすく登れるし、楽をする術も知っています。登り切り、痛みが取れた患者さんに「良くなってよかったね」と言うのが、私の仕事だと思うのです。患者さんの重い荷物を背負うのはとても大変ですが、やりがいがあります。

トップレベルをめざすため、10年のキャリアを捨てる

医師になろう、麻酔科の医師になろうと思われたきっかけは何ですか?

3

試験管を振る研究職よりも、人を相手にする臨床の仕事がしたいと思い、神戸大学医学部に入学しました。学生時代はラグビー部の練習に精を出し、自分が将来、何科の医師になるのかを、はっきりと決めきれずにおりました。そんな中で、人を助けられるイメージがもっとも湧いたのが麻酔科だったのです。それから同大学の麻酔科に入局し、10年かけて関連病院もたくさん回り、再び大学の附属病院に戻ってきた頃に、転機が来ました。特殊な神経ブロックをやれば、良くなるだろうと思われた腰痛の患者さんを治療することになりました。ところが、その時の私には、その特殊な神経ブロックを施す技量がなく、方法はわかっているのに、手を施すことのできなかったのです。自分に、ものすごく歯がゆさを感じました。

それで、東京の病院へ行かれたのですね。

一念発起し、NTT東日本関東病院のペインクリニック科の門を叩きました。同病院は神経ブロックに関して、日本の総本山のようなところで、教科書もたくさん出典していますし、この業界をリードしているような病院だったからです。スタッフが大勢いたので、最初は無給の研修医からのスタートでした。すでに麻酔科の医師として10年のキャリアがありましたから、「どうかしている」と言われもしましたが、これができなければ始まらないと覚悟を決めました。私にとっては通らないといけない道で、ここをクリアしないと先に進めない。そして、今、日本でやっている医療の中で、自分がどれほどやれているのかということを見極め、少なくともある程度トップレベルのことをできるようにならないと、今後患者さんと自信を持って対峙できない、治療していけないと思ったのです。

そういう経験を経て、神戸に戻り、こちらで開業されたのですね。

4

たくさんの先生方にお世話になり、教えていただき、4年間研鑽を積みました。そして、教授に呼び戻される形で戻り、神戸大学附属病院の麻酔科の助教をした後、2010年にこちらに開業しました。ペインクリニックはベッドタウンに開業するケースがほとんどですが、私は思いが大きくて(笑)。ほかの開業医の先生が困っている患者も診るぞ、という気持ちで人のたくさん集まる便利な場所を狙って、三宮に開業場所を決めました。今、振り返ると、相当なチャレンジだったと思いますが、幸運なことに、紹介などで患者さんが順調に増え、多くの患者さんを診察させていただいております。

すべての患者に手を抜かず、真摯に治療する

先生の心に残る患者さんを教えてください。

5

治療したけれど良くならなかった人、痛みの取れなかった人のことを、いつも思い出します。日頃から、「よそで良くならなかった患者さんも、うちでなんとかする」という気持ちで臨んでおりますが、結果につながらないこともあります。それを忘れないで、次の治療に生かすことが大事だと思います。私は、野球でいうところの打率を上げたいのです。2割5分が普通の打者なら、5分上げると3割の首位打者になれます。5分上げるためには、大変な練習と努力が必要ですが、それでもプロなら努力をします。10人患者さんが来たら、10人とも治せる10割打者をめざしたいと、私も思っています。

お忙しい毎日ですが、休日はどのように過ごされますか?

スポーツが好きなので、トレーニングやジョギング、テニスをしますね。ラグビー観戦にも行きますよ。休日とは少し異なりますが、講演会などに参加するため新幹線を利用することも多いんです。その時間は電子書籍を読んで楽しむなど、仕事と休憩時間のメリハリをつけるようにしていますね。一人でも多くの患者さんを助けるためには、私自身も元気に診療することが大切だと思いますので、これからも健康でありたいです。

最後に読者へのメッセージと、クリニックの今後の展望を教えてください。

6

ペインクリニックという存在を、もっと多くの方に知っていただいて、痛みで苦しむ人を一人でも減らしたい、と思っています。痛みが出ないように予防する、コンディショニング的な施設にも興味があります。運動する施設はたくさんありますが、肩こり解消や、姿勢を良くしたい、O脚を治したい、という声に特化した施設は多くありません。将来、リハビリやコンディショニングの施設を運営できればいいなあと考えています。どんな方も、いくつになっても、痛みがなくて、笑って過ごせる日常生活のお手伝いを、これからも続けていきます。

Access